【阪神4-3ヤクルト】坂本誠志郎が2発でまた救った!木下里都161.3キロ、後半戦3連勝
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この試合の主役は坂本誠志郎で間違いありません。4回に追加点となる4号ソロ、9回には勝ち越しの5号ソロ。前日の4安打・3ランと合わせ、2試合合計で8打数6安打、3本塁打、5打点となりました。ただし、坂本の一発だけで勝った試合ではありません。下村海翔が前川右京の2失策後も逆転を許さず、門別啓人・木下里都・及川雅貴・工藤泰成が6回から9回まで無失点でつないだことで、9回の坂本の一発を決勝点にできました。阪神は7安打・2失策、ヤクルトは10安打・失策なし。内容だけを並べれば負けても不思議ではありませんでしたが、ミスの後に崩れず、別の選手が試合を拾ったから勝てました。連覇へ向けて本当に大きいのは3連勝という結果だけでなく、前半戦に不安を抱えていたリリーフ陣が、接戦を勝ち切るための武器になり始めたことです。
阪神がヤクルトとの接戦を4対3で制し、後半戦3連勝を飾りました。これは「阪神が終始押して勝った試合」ではありません。前日の雨天2度中断の末の逆転勝ちに続き、今日は復帰即スタメンとなった前川右京が初回の悪送球と4回の落球という2つの守備ミスを記録し、先発・下村海翔のプロ初勝利の権利も消えました。それでも阪神は崩れませんでした。門別啓人がノーアウト一、二塁をしのぎ、木下里都が最速161.3キロで圧倒。及川雅貴が三者凡退に抑え、最後は工藤泰成が1点差を守り抜きました。今日の阪神に見えたのは、ミスをしない強さではありません。ミスが起きても、ほかの選手が埋めて勝ち切る強さでした。
01試合概要 ── 前川の2失策を吸収し坂本の2発で3連勝
明治神宮野球場 / 観客数29,328人 / 試合時間3時間43分 / 勝:及川雅貴 / 敗:キハダ / セーブ:工藤泰成
| 項目 | 阪神 | ヤクルト |
|---|---|---|
| 得点 | 4 | 3 |
| 安打 | 7 | 10 |
| 失策 | 2 | 0 |
| 本塁打 | 2 | 0 |
| 三振 | 12 | 11 |
1回裏、ヤクルトが増田のタイムリーで先制。3回表、佐藤輝明のライト線2点タイムリーツーベースで阪神が逆転すると、4回表に坂本誠志郎のソロで3対1。しかしその裏、前川右京の落球と長岡秀樹のタイムリーで3対3の同点に追いつかれました。そこから両軍とも点を取れないまま迎えた9回表、坂本がこの日2本目となる決勝ソロを放ち、4対3。9回裏を工藤泰成が締めてゲームセットとなりました。阪神は7安打・2失策とヤクルトの10安打・無失策に内容で見劣りしましたが、重要な局面での一つ一つのプレーを積み重ねて勝ち切りました。
02坂本誠志郎が2本塁打「この2試合は坂本が勝たせた」
今日の主役を一人選ぶなら、坂本誠志郎で迷う必要はありません。4回、坂本はヤクルト先発・ウォルターズの初球を捉え、レフトスタンドへ4号ソロ。前日の4打数4安打・3ランに続く、2試合連続のホームランでした。しかも今日の坂本は1本で終わりません。3対3で迎えた9回、相手は抑えのキハダ。フルカウントまで粘り、最後の一球をレフトスタンドへ運びました。この日2本目となる5号ソロ、試合を決める勝ち越しホームランでした。
| 日付 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 主な一打 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8月1日 | 4 | 4 | 1 | 3 | 6回の3ラン |
| 8月2日 | 4 | 2 | 2 | 2 | 4回ソロ、9回決勝ソロ |
| 合計 | 8 | 6 | 3 | 5 | 2試合連続で勝敗に直結 |
昨日は試合を突き放す3ラン、今日は4回の追加点と9回の決勝点。この2試合を「チーム全員で勝った」と表現することは間違いではありませんが、最も勝敗に直結した選手は誰かと聞かれれば、答えは坂本です。守備とリードで評価されてきた捕手が、打撃でも試合を決めています。今の坂本は、単なる「守れる捕手」ではなく、試合を直接勝たせる捕手になっています。坂本の価値は打撃だけでもありません。この日阪神のマウンドには下村海翔・門別啓人・木下里都・及川雅貴・工藤泰成という若い投手が上がり、試合の流れが何度も悪くなる中でも投手陣を最後まで導きました。打って2本、受けて6回以降を無失点。坂本が今日の試合の中心だったことは、打撃成績だけを見ても、試合全体を見ても変わりません。
03前川右京、復帰即ヒットも守備で2つのミス
8月2日、前川右京は一軍へ登録され、いきなり6番・レフトでスタメン出場しました。7月17日の広島戦で死球を受け右肩甲骨を骨折、7月31日にファームで実戦復帰し、8月1日はファームで4番・レフトとして骨折後初めて守備に就いていました。復帰後の初打席では初球を打ってショートへの内野安打、6回にはフォアボールも選び、2打数1安打・1フォアボールと打撃だけを見れば復帰戦として悪くない内容でした。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 7月17日 | 広島戦で死球を受け、右肩甲骨を骨折 |
| 7月31日 | ファームで実戦復帰。4番・DH、3打数1安打 |
| 8月1日 | ファームで4番・レフト。骨折後初の守備。中前打と本塁打 |
| 8月2日 | 一軍登録。6番・レフトで先発。内野安打とフォアボール、守備では2つのミス |
問題は守備でした。初回には悪送球で走者を進め、4回にはツーアウト二塁から西村の打球を落球。特に4回のプレーは重く、捕れば攻守交代で下村には勝ち投手の権利が残っていました。しかし落球で1点を失い、さらに長岡のタイムリーで同点。下村のプロ初勝利の権利は消えました。前川が捕らなければいけない打球であり、復帰戦だから仕方ないでは終わらせられません。その一方で、すべてを前川個人の問題だけにするのも違います。
04前川の復帰即スタメンは早すぎたのか
前川がファームで守備に就いたのは8月1日。骨折後初めてレフトを守った翌日に一軍登録され、そのままレフトでスタメン出場しました。打撃の実戦復帰は2試合、守備は実戦で確認した翌日という日程です。ここには当然、首脳陣の起用判断という論点が生まれます。
打てる状態と、守れる状態は同じではありません。打撃ではスイングできても、外野守備では打球判断・最初の一歩・落下地点への入り方・送球動作など、別の確認が必要になります。最初は代打で起用する、スタメンで使っても終盤は守備固めを送る、ファームで数試合守備の感覚を確認する──こうした選択肢もありました。ただし、今日のエラーが右肩甲骨の状態によるものだったとは断定できません。痛みや可動域が原因だったのか、単純な判断ミスだったのかは公開情報だけでは分かりません。前川のプレーは本人が修正しなければなりませんが、同時に、守備解禁翌日に一軍のレフトを任せた起用が適切だったのかは、首脳陣側にも残る論点です。
05下村海翔は3失点でも自責点1、崩れなかった先発
下村海翔は5回101球、被安打7・与四球1・奪三振7・3失点。数字だけを見ると支配的な投球ではありませんが、今日の下村を「3失点した投手」とだけ見るのは雑です。自責点は1でした。初回、前川の悪送球で走者が進んでも下村は連続三振で追加点を防ぎ、2回もノーアウト一、二塁を無失点。4回は落球から同点にされた後もツーアウト二、三塁のピンチでサンタナを空振り三振、5回は三者凡退で締めくくりました。
守備のミスで勝ち投手の権利を失いながらも、気持ちを切らさず逆転は許しませんでした。プロ初勝利はまた持ち越しとなりましたが、今日の下村は試合を壊していません。むしろ、思い通りにいかない日に踏みとどまった経験が次につながる登板でした。
06門別が止め、及川と工藤が締めた終盤
6回、2番手の門別啓人は古賀と内山に連打を浴びノーアウト一、二塁。同点の試合で絶対に次の1点を与えたくない場面でしたが、西村をレフトフライ、長岡をセンターフライ、岩田をサードファウルフライに打ち取りました。奪三振はゼロ、被安打2。数字だけなら派手さはありませんが、今日の門別に求められていたのは圧倒ではなく、走者を出した後にホームを踏ませないことでした。
| 投手 | 回 | 球数 | 被安打 | 奪三振 | 四球 | 失点 | 役割 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 門別啓人 | 1 | 18 | 2 | 0 | 0 | 0 | ノーアウト一、二塁をしのぐ |
| 木下里都 | 1 | 18 | 0 | 2 | 0 | 0 | 最速161.3km/h、三者凡退 |
| 及川雅貴 | 1 | 14 | 0 | 1 | 0 | 0 | 三者凡退、勝利投手 |
| 工藤泰成 | 1 | 15 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1点差を守り初セーブ |
8回の及川雅貴は14球で三者凡退。澤井をショートフライ、古賀を空振り三振、この日3安打の内山もショートゴロに仕留めました。3対3の8回、一人でも走者を出せば試合の空気は一気に重くなりますが、及川はその気配すら作らせず9回の攻撃へつなぎ、直後の坂本の勝ち越しホームランで勝利投手となりました。9回は工藤泰成。先頭をセカンドゴロ、長岡にヒットを許しましたが、ツーアウト一塁で一発が出れば逆転サヨナラという場面の塩見を空振り三振に仕留めました。1回15球、被安打1・奪三振1・無失点で今季初セーブ。阪神は最後を任せられる投手の選択肢まで増え始めています。
07木下里都が最速161.3キロ ── 同点の7回を圧倒
7回に登板した木下里都は、この試合で最も強烈な印象を残した投手です。添付データでは最速161.3キロ、ストレートの平均は158.0キロ。1回18球、被安打ゼロ、三振を2つ奪い三者凡退に抑えました。先頭の塩見を空振り三振、増田をショートフライ、赤羽には9球粘られましたが最後は空振り三振でした。
注目すべきなのは表示された球速だけではありません。同点の7回という重い場面で、相手の3番付近から始まる打順を三人で終わらせました。粘られても出力が落ちず、最後に空振りを奪っています。161.3キロは派手ですが、本当に価値があるのは、その球威を試合の結果に結びつけたことです。この出力を繰り返せるなら、木下は「速い若手」では終わらず、勝ちパターンの中心へ入る可能性があります。
08前半戦の弱点だったリリーフ陣は改善したのか
今日のリリーフ陣は門別・木下・及川・工藤の4人で4イニングを無失点。被安打3、フォアボールなし、三振4つ。前日の8月1日も木下・及川・工藤・岩崎・ドリスが登板し、6回以降を無失点でつないでいます。2日続けて、リリーフ陣が相手に得点を与えていません。
前半戦の阪神には、先発が降りた後のつなぎ方に不安があり、勝ちパターンを固定できず終盤の継投が試合の大きな論点になることも多くありました。しかし後半戦に入り、選択肢が増えています。左の門別と及川、160キロ前後の強いストレートを投げる木下と工藤、経験のある岩崎・ドリス。左右だけでなく投球タイプも違い、相手打線や登板状況に応じて組み替えられます。これは大きな変化です。ただし「完全に弱点を克服した」と言い切るのはまだ早く、木下の球速が連投や登板間隔の中でも維持されるのか、門別が走者を出さずに抑える登板を増やせるのか、及川と工藤の役割をどう固定するのかは、ここからの継続で決まります。
09安打も失策も負けていた阪神はなぜ勝てたのか
この試合の数字を単純に比較すると、ヤクルトの方が優位に見えます。ヤクルト10安打に対し阪神7安打、ヤクルト失策ゼロに対し阪神2失策。阪神は5回から8回まで得点できず、8回のツーアウト一、二塁も逃しています。それでも阪神が勝った理由は、勝敗に直結する場面を取ったからです。
佐藤がツーアウトから2人を返し、下村がエラー後に逆転を許さず、門別がノーアウト一、二塁を止め、木下と及川が三者凡退、坂本が9回に決勝ホームラン、工藤が最後の一発を防ぎました。安打数の多さではなく、重要な局面での一つのプレーを積み重ねました。強いチームは毎日きれいに勝つわけではありません。崩れた試合を、完全に壊れる前に止める。今日の阪神は、それができました。
10後半戦3連勝 ── 連覇が見えてきたと言える理由
阪神は7月31日・8月1日・8月2日のヤクルト3連戦に勝利し、後半戦3連勝となりました。休養期間前の7月26日も勝っているため、チームの連勝は4まで伸びています。同日、巨人はDeNAに1対2で敗れ、ゲーム差は2まで広がりました。まだ小さい差で、一度の連敗で簡単に縮まります。
それでも「連覇が見えてきた」と感じられる理由は、順位表だけではありません。前半戦の阪神は、先発と主力打者が試合を作ってもリリーフの運用が不安材料になる場面がありました。今日のように先発が5回で降り守備のミスで同点にされても、リリーフ4人で残り4回をゼロにできるなら、勝てる試合の種類が増えます。大量点で勝つ、先発が完封して勝つ、主力のホームランで勝つ、それだけでなく、ミスが出た接戦をリリーフで拾って勝つ。長いシーズンで優勝するには勝ち方の種類が必要で、後半戦の阪神にはその幅が見え始めています。
11反対意見・別の見方
「坂本だけで勝った」は言い過ぎではないか:その通りで、野球は一人では勝てません。佐藤の逆転2点タイムリー、下村の粘り、リリーフ陣の無失点がなければ勝利はありませんでした。ただし坂本は2試合で6安打、3本塁打、5打点と勝敗へ直接影響する打撃が集中しており、「全員で勝った中で、最大の貢献者が坂本」という表現が正確です。
前川の復帰は明らかに早すぎたのではないか:守備解禁翌日に一軍のレフトでスタメンだったため、準備期間が短かったという疑問は自然です。ただしエラーの原因がけがや可動域の問題だったとは確認できません。「復帰が早すぎた」と断定せず、「打撃の回復と守備の実戦感覚を同じ基準で判断してよかったのか」という問いにとどめるべきです。
リリーフ陣はもう弱点ではないのか:後半戦3試合、特に直近2試合では具体的な結果が出ています。木下の球威、及川の安定、門別の火消し、工藤のセーブは明るい材料です。一方でサンプルはまだ少なく、連投時の出力・疲労・役割固定・登板過多などは今後の確認が必要で、「改善した」と言うより「改善が結果として見え始めた」が適切です。
連覇が見えたと言うにはゲーム差2は小さすぎるのではないか:数字だけならその通りで、2ゲーム差は一カードで逆転し得ます。ただし連覇への期待が高まる理由は順位表だけでなく、先発が完璧でなくても守備ミスがあってもリリーフで接戦を拾えた、勝ち方の幅が広がったことにあります。
12今後の注目点
- 前川の起用法。復帰即スタメンを続けるのか、守備負担を軽くするのか。今日のエラーを一時的なミスと見るのか、実戦感覚の不足と見るのか。
- 木下の出力が続くか。161.3キロは一度出せただけでも衝撃的だが、勝ちパターンになるには再現性が必要。連投、登板間隔、走者を背負った場面でも同じ球威を出せるかを見たい。
- 門別と及川の役割。二人とも左投手だが、同じ使い方をする必要はない。門別は複数イニングやロングリリーフ、及川は終盤の1イニングなど、役割の整理が進めば継投に厚みが出る。
- 工藤を9回でどこまで使うのか。今季初セーブを記録した。強いストレートを持つ工藤が最後を任せられるなら、岩崎やドリスの負担を分散できる。
- 坂本の打撃がどこまで続くか。毎日ホームランを打つ必要はない。下位打線で出塁し、相手投手に休む場所を与えないだけでも打線全体への影響は大きい。
13まとめ ── ミスを隠したのではなく、ミスを吸収した勝利
阪神がヤクルトに4対3で勝利し、後半戦3連勝を飾りました。前川は復帰即ヒットとフォアボールを記録した一方、2つの守備ミスがあり下村の初勝利は消えました。下村は5回101球、3失点ながら自責点は1。守備に足を引っ張られても逆転は許しませんでした。
6回からは門別・木下・及川・工藤が無失点リレー。木下は最速161.3キロを記録し、三者凡退で三振を2つ奪いました。そして坂本が2本塁打、9回の一発が決勝点となりました。昨日から2試合で6安打、3本塁打、5打点。この2試合は、坂本が勝たせたと言ってよいでしょう。ただし、今日の本当の強さは坂本の一発だけではありません。前川がミスをしても下村が止め、下村が5回で降りてもリリーフ陣がつなぎ、打線がチャンスを逃しても及川がゼロで待ち、最後は坂本が決め、工藤が守りました。ミスをしなかったのではなく、ミスを吸収して勝ちました。連覇へ向けて、阪神に前半戦とは違う勝ち方が見え始めています。
14動画でも詳しく話しています
この試合の流れ、坂本誠志郎の2試合連続の大活躍、前川右京の復帰と守備問題、そして木下里都の161.3キロを含むリリーフ陣の進化は、2人の掛け合いによるラジオ形式で詳しく振り返っています。