【阪神7-3ヤクルト】坂本誠志郎が4安打3打点!森下翔太の復活弾と伊藤将司の今季初勝利
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阪神は7対3で勝ったが、試合を楽に進められたわけではありません。2回表のヒットエンドラン失敗で自ら走者を消すと、その裏に伊藤将司がタイムリーを許し逆転。この流れを変えたのが森下翔太の逆転2ランで、大山悠輔と坂本誠志郎(4安打3打点)が打線を支えました。伊藤は2回の失点だけで踏みとどまり待望の今季初勝利、最後は岩崎優の満塁からドリスが3球で締めました。一言で表すなら、「ベンチが悪くした流れを、森下、大山、坂本が力ずくで奪い返し、伊藤将司に初勝利を届けた試合」でした。
雨が試合を止め、阪神ベンチも自ら攻撃の流れを止めた。それでも最後に勝ったのは阪神だった。2026年8月1日の東京ヤクルトスワローズ戦は、2度の雨天中断を挟む異例の長期戦。前半戦最終戦から中5日で先発した伊藤将司が2回にタイムリーを許し逆転されましたが、森下翔太の逆転2ランで流れを奪回。坂本誠志郎は4打数4安打3打点、最初のヒットを采配で消されても何度でも打ち直す「打ち出の小槌」状態でした。
01試合概要 ── 雨天2度中断を挟み坂本が牽引し7-3快勝
明治神宮野球場 / 試合終了 午後10時34分 / 雨天中断 計75分(1回表33分・2回裏42分) / 勝:伊藤将司(今季初勝利) / セーブ:ドリス
| 回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 7 |
| ヤクルト | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
1回に大山悠輔のツーベースで2点先制。2回裏、伊藤将司が相手投手にタイムリーを許し2対3と逆転されましたが、3回に森下翔太の25号2ランで4対3と再逆転。6回の坂本誠志郎の3ランで7対3まで広げ、3回以降はヤクルト打線を無得点に抑えました。1回表33分・2回裏42分、計75分の雨天中断を挟む長期戦でした。
02雨で何度も止まった異例の長期戦
この試合を語るうえで、まず外せないのが雨です。1回表に33分間、2回裏に42分間、合計75分間の雨天中断となりました。
打者にとっても集中を保つことが難しいですが、最も負担が大きかったのは投手でしょう。肩を作り直し、冷えた体をほぐし、再開時刻から逆算して投球練習を始める。雨が残る中ではボールの握りやマウンドの状態も通常とは違います。伊藤将司だけでなく、ヤクルト先発の高橋奎二も同じ条件でした。
| 投手 | 投球回 | 球数 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤 将司(阪神) | 5 | 87 | 4 | 4 | 2 | 3 |
| 高橋 奎二(ヤクルト) | 6 | 108 | 9 | — | — | 7 |
結果には差がつきましたが、2人とも異常な環境の中で先発として最低限のイニングを投げ切った点は評価すべきです。
03雨中断直後に打った大山悠輔の先制打
阪神が先制したのは1回表でした。森下翔太がフォアボールを選び、佐藤輝明がセンター前ヒット。ツーアウト一、二塁となったところで大山悠輔が打席へ入りましたが、その打席途中で雨が強まり試合は33分間中断しました。
打者は一度ベンチへ戻り、集中を作り直さなければなりません。その難しい状況で、大山はセンターを越える2点タイムリーツーベースを放ちました。今の大山の好調ぶりを象徴する打席でした。
| 期間 | 打数 | 安打 | 打率 | 打点 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|
| オールスター前6試合 | 22 | 7 | .318 | 2 | .741 |
| オールスター後2試合 | 8 | 4 | .500 | 4 | 1.125 |
| 合計8試合 | 30 | 11 | .367 | 6 | .841 |
派手なホームランだけではありません。得点圏では走者を返し、走者がいない場面では後ろへつなぐ。状況に応じて打席の目的を変えながら、必要な結果を出しています。6回にも佐藤のフォアボールに続いてヒットを放ち、このヒットが坂本の3ランにつながりました。現在の阪神打線において、大山の安定感は非常に大きいものです。
042回のヒットエンドランは本当に必要だったのか
2回表、先頭の坂本誠志郎がセンター前ヒットで出塁しました。初回から高橋奎二は球数を使っており、阪神は2点を先制、さらに先頭打者も出塁。相手投手をもう一段苦しめられる場面でした。元山飛優への初球はボール。1ボールから、阪神ベンチはヒットエンドランを仕掛けました。しかし元山は空振り、坂本は二塁で盗塁死となりました。
元山は今季、ストライクゾーン内でも空振りが増えています。高橋は左の速球派で150キロ前後のストレートを投げ、打者が振った球のおよそ4球に1球で空振りを奪う投手です。強制的に振らせるヒットエンドランは、それなりの危険を伴う相手でした。走者も俊足型ではない坂本。成功すれば一、三塁の好機、失敗すれば無死一塁が一死走者なしに変わります。
2点をリードしていた序盤、相手投手は球数を使い、初球もボールでした。ここで無理に一球勝負を仕掛ける必要があったのか。元山に普通に打たせ、さらに高橋へ球数を投げさせる選択肢もありました。勝ったから結果オーライで済ませるのではなく、今後も検証すべきベンチワークです。
05自ら流れを切り、相手投手に打たれて逆転された
野球の「流れ」は精神論として語られがちですが、この試合では出来事が目に見える形で連鎖しました。2回表のヒットエンドラン失敗で走者を失った直後、その裏に伊藤将司がフォアボールとヒットでワンアウト一、二塁。投手打者の高橋奎二を確実に打ち取り、次の回を上位打線から始めさせる。それが理想でしたが、伊藤は高橋にレフト線へのタイムリーツーベースを許し、打順が上位へ戻った長岡秀樹に2点タイムリーを打たれ2対3と逆転されました。
ベンチが相手投手へのタイムリーを打たせたわけではありませんが、走者を消す→相手投手を楽にする→投手打者を切れない→逆転される、という流れは一本の線でつながっています。「ベンチワークから悪い流れが始まった」と評価しても、決して大げさではありません。
06森下翔太が一振りで流れを奪い返した
逆転された直後、阪神を救ったのが森下翔太でした。3回表、近本光司が出塁。ワンアウト一塁から、森下は初球のカットボールを捉えました。打球はレフトスタンドへ。25号の逆転2ランでした。
下半身の状態が心配され、オールスター第2戦を欠場。後半戦では、この日が初のスタメン出場でした。足の状態が完全に問題ないかは一本だけでは判断できませんが、打撃の出力と勝負強さが落ちていないことは明確に示しました。「足が悪いなら、走らなくてもいいところまで飛ばす」そう言いたくなる一発でした。
阪神ベンチが自ら切ってしまった流れを、森下が個の力で取り返しました。単なる逆転ホームランではなく、森下の復活を告げ、チームを救った一発でした。
07坂本誠志郎は「打ち出の小槌」状態
この日の打撃部門の主役は、坂本誠志郎で間違いありません。4打数4安打、1本塁打、3打点。まさに、振ればヒットが出る「打ち出の小槌」状態でした。しかも4本すべて、打球速度が150キロを超えていました。ポテンヒットや詰まった当たりが偶然落ちたわけではなく、すべて強く捉えた打球です。
| 打席 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1打席 | センター前ヒット | 直後にヒットエンドラン失敗で盗塁死 |
| 第2打席 | センター前ヒット | — |
| 第3打席 | レフトスタンドへ3ラン | 4対3から7対3へ広げる決定的な一打 |
| 第4打席 | レフト前ヒット | — |
特に大きかったのが6回の3ランです。4対3の1点リード、佐藤のフォアボールと大山のヒットで一、三塁、ワンアウトから坂本が初球を仕留め4対3が7対3に。この一発によって、試合の空気が一気に阪神側へ傾きました。
坂本は打撃だけでなく、キャッチャーとしても難しい試合を最後まで支えました。伊藤将司から木下里都・及川雅貴・工藤泰成・岩崎優・ドリスまで合計6人の投手をリードしました。4安打3打点という打撃成績だけでも十分にヒーローですが、捕手としての仕事まで含めれば、この日のMVPは坂本で決まりでしょう。
08伊藤将司は2回だけ 雨の中で立て直し今季初勝利
伊藤将司は5回、87球、被安打4・奪三振4・与四球2・3失点。相手投手にタイムリーを打たれ上位打線へつながれて逆転された2回は、厳しく反省すべき内容でした。力でねじ伏せるタイプではなく、ストライクゾーン内で打たせて取る場面も多いため、投手打者に対して簡単にストライクを取りにいき甘い球を前へ運ばれる危険があります。特に走者がいる場面では、野手と同じように弱点を突き確実に打ち取る必要があります。
ただし、伊藤が失点したのは2回だけ。逆転されたあとも崩れず3回・4回・5回を無得点に抑え、2度の雨天中断で何度も肩を作り直しながら5回まで投げ切り、待望の今季初勝利をつかみました。ピッチャーに打たれた2回は反省、その後に試合を壊さなかった粘りは評価。この両方を残すべき登板でした。
09木下・及川・工藤がつなぎ、岩崎の満塁をドリスが3球で締めた
伊藤のあとを受けたリリーフ陣も仕事をしました。6回は木下里都が被安打2でツーアウトまで取り、一、二塁で及川雅貴へ交代。及川は代打・宮本丈を見逃し三振に仕留め、4つのアウトをわずか10球で取りました。8回は工藤泰成が無得点。長い中断でブルペンの準備も難しかったはずですが、リリーフ陣はヤクルトへ追加点を与えませんでした。
9回は岩崎優が登板。先頭打者へフォアボールの後、三振を挟んで連続ヒットを許しワンアウト満塁。4点差でしたが満塁で上位打線を迎え、セーブが付く場面に変わりました。ここで阪神ベンチはドリスへ交代しました。
| 投手 | 登板回 | 内容 |
|---|---|---|
| 木下 里都 | 6回 | 被安打2、ツーアウトまで取り一、二塁で降板 |
| 及川 雅貴 | 6回 | 代打・宮本丈を見逃し三振、4アウトを10球で取る |
| 工藤 泰成 | 8回 | 無得点、4点差を維持 |
| 岩崎 優 | 9回 | 先頭にフォアボール、三振の後に連続ヒットでワンアウト満塁 |
| R.ドリス | 9回 | ワンアウト満塁・上位打線から3球でゲームセット、セーブ |
ドリスは塩見泰隆を初球でレフトフライ、続く代打・丸山和郁をセカンドゴロ。満塁・上位打線・セーブが付く場面で、わずか3球でゲームセットとなりました。前日も最後を締め、この日も緊急登板でセーブ。岩崎が苦しくなった際に、もう一人最後を任せられるベテランがいる安心感は非常に大きいものです。「ダブルストッパーが完璧に機能した」とまでは言えませんが、状態を見て早めに切り替えたベンチの判断は的確でした。
10序盤の作戦は疑問、終盤の継投は正解
| 判断 | 状況 | 評価 |
|---|---|---|
| 2回表 ヒットエンドラン | 2点リード・相手投手は球数多・初球ボール・走者は坂本 | 疑問:無死一塁を一死走者なしに変えた |
| 9回 岩崎→ドリス | ワンアウト満塁・上位打線・セーブが付く場面 | 正解:名前や役割にこだわらず即断 |
勝ったからすべて正解ではなく、ひとつの失敗ですべてが悪いわけでもありません。序盤の作戦は検証し、最後の継投は評価する。この分け方が必要です。
勝利の中で、代打陣の課題も残りました。糸原健斗は代打で空振り三振、今季の一軍成績は11打数1安打で打率1割未満。代打は少ない打席で結果を求められる役割であり、実績を否定する必要はありませんが、名前ではなく現在の状態で起用を判断すべき時期に来ています。
試合後のヒーローインタビューに登場した坂本誠志郎は、自身の4安打3打点より伊藤将司の今季初勝利を喜ぶ、キャッチャーらしい言葉を口にしました。そして最後にこう締めました。「試合が終わった時に、一番上にいることが大事」目の前の1勝だけでなく、その先にある優勝を見据えた言葉に、神宮の阪神ファンが大きく沸きました。
11反対意見・別の見方
勝った試合でヒットエンドランを批判しすぎる必要はない:勝敗だけで采配を評価すると、同じ作戦が失敗した時に修正できません。勝利の中で課題を確認することは、敗戦後の批判より建設的で、成功時の利益と失敗時の損失を比較して判断すべきです。
元山はコンタクト能力があるため、作戦自体は妥当:昨季の数字を見れば一定の根拠はあります。ただし今季は空振りが増えており、高橋奎二は150キロ前後の速球を持ち振らせた球で空振りを取れる投手です。打者だけでなく、走者とカウントを含めて考える必要があります。
伊藤将司は雨の影響を受けたため、失点は仕方がない:雨と2度の中断が厳しかったのは事実ですが、相手先発も同じ条件でした。相手投手へのタイムリーは反省点として残すべきである一方、その後に立て直した点は十分評価できます。
岩崎優は4点差だったため、多少の走者は問題ない:最終的には無失点で終わりましたが、ワンアウト満塁で上位打線を迎え、一発が出れば同点となる可能性もありました。登板間隔・球速・制球・疲労を今後確認する必要があり、ドリスという別の選択肢が機能したことは好材料です。
糸原健斗は打席数が少なすぎる:確かに11打数だけで能力全体を断定するのは危険です。ただし代打は少ない打席で結果を求められる役割であり、起用を続けるなら現在の状態や相手投手との相性など明確な根拠が必要です。
12今後の注目点
- 森下翔太の下半身の状態。ホームランの打撃出力は問題なかった。今後は守備範囲、全力疾走、連戦での疲労を確認したい。
- 大山悠輔の好調がどこまで続くか。オールスター前後で安定した打撃。得点圏だけでなく、つなぎの打席も好内容。中軸の厚みを維持できるか。
- 坂本誠志郎の打撃。4安打はすべて強い打球。一試合だけの爆発か、打撃状態の上昇につながるか。捕手としての負担と打撃を両立できるか。
- 伊藤将司の投手打者への入り方。投手相手に簡単にストライクを取りにいかない。走者がいる場面では、野手と同じように配球を徹底できるか。
- ヒットエンドランの使い方。積極策を否定する必要はない。ただし、打者・走者・カウント・相手投手の特徴を踏まえたサインになっているか。
- 岩崎優とドリスの最終回運用。固定ストッパーにこだわらず、状態に応じて使い分けるのか。岩崎の状態は問題ないか。ドリスの連投と疲労管理をどうするか。
- 代打・糸原健斗の起用。現在の状態で一軍の代打枠を任せ続けるのか。他の代打候補との比較が必要。
13まとめ ── 課題を残したまま勝てたことを強みに
阪神は2度の雨天中断を挟む長期戦を、7対3で制しました。初回に大山悠輔が先制打、2回にヒットエンドラン失敗から伊藤将司が逆転を許すも、悪い流れを変えたのは森下翔太の25号逆転2ラン。6回には坂本が3ラン、4打数4安打3打点で打撃・捕手の両面からチームを支えました。
伊藤は2回の失点だけで踏みとどまり5回まで投げ待望の今季初勝利。9回は岩崎優のワンアウト満塁のピンチをドリスが緊急登板でわずか3球で締めました。序盤のヒットエンドランは疑問、伊藤の入り方も反省が必要ですが、それでも勝負どころで大山、森下、坂本が仕事をし、投手陣が3回以降を無得点に抑えました。勝ったから課題を消すのではなく、課題を残したまま勝てたことを強みに変えたい試合でした。試合後、坂本は「試合が終わった時に、一番上にいることが大事」と語りました。
14動画でも詳しく話しています
試合の流れ、ヒットエンドランの是非、森下翔太の逆転弾、坂本誠志郎の4安打、伊藤将司の今季初勝利、ドリスの3球セーブについて、2人の掛け合いによるラジオ形式で詳しく振り返っています。