【阪神1-0巨人】村上頌樹が117球完封!佐藤輝明の一発を守り抜き同率首位で前半戦終了
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この勝利の本質は、村上頌樹が好投したことだけではありません。一昨日とよく似た9回の危機を迎えながら、同じ結末にしなかったことにあります。一昨日は才木浩人があと一球まで迫りながらボビー・ダルベックに逆転ホームランを浴びました。今日は村上が9回に連打を浴び、無死一、二塁で同じダルベックを迎えましたが、低めへ投げ切ってダブルプレー。阪神は一つの敗戦を、次の試合で使える経験に変えました。これは前半戦最後の1勝であると同時に、後半戦へ向けた宣言のような完封でした。
2026年7月26日、阪神タイガースは甲子園で読売ジャイアンツを1対0で下しました。前日はダルベックに連続弾を許し1対5で敗れカード2連敗で首位陥落したばかりで、このまま甲子園で3連敗し首位を明け渡したままオールスター休みに入る最悪の展開もあり得ました。6回、佐藤輝明がバックスクリーンへ22号ソロ。その虎の子の1点を、村上頌樹が9回117球を投げて最後まで守り抜き、阪神は巨人と50勝40敗・引き分け1つで並ぶ同率首位で前半戦を終えました。
01試合概要 ── 1点を守り抜き同率首位で前半戦終了
阪神甲子園球場 / 観客数42,645人 / 試合時間2時間41分 / 勝:村上頌樹(8勝5敗) / 敗:小笠原慎之介(1勝1敗) / 本塁打:佐藤輝明22号(6回)
| 回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
初回、近本光司が出塁し中野拓夢が送りバントを決めるも森下翔太・佐藤輝明が返せず。3回にも近本・中野の連打でチャンスを作ったが無得点。走者は出るが、あと一本が出ない展開が続きました。試合が動いたのは6回、先頭の佐藤が小笠原の143キロを捉えバックスクリーンへ22号ソロ。阪神の得点はこの1点だけでしたが、村上が9回117球を投げ切り、そのまま試合を締めました。
この結果、阪神は50勝40敗・引き分け1つ、巨人も同成績で並び、球宴前の前半戦終了時に2球団が同率首位となるのは2リーグ制以降で3度目、セ・リーグでは初めてとされています。
02序盤から違った村上頌樹のコントロール
この日の村上は、立ち上がりからコントロールがまとまっていました。特に印象的だったのがインコースへの投球です。要求された場所へ、しっかり強い球を投げ込めていました。巨人打線は踏み込み切れず打球を詰まらされ、ストレートだけで押すのではなく低めの変化球も使いながら打者の狙いを外していきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投球回 / 球数 | 9回 / 117球 |
| 被安打 / 奪三振 / 与四球 | 6 / 6 / 1 |
| 失点 | 0(今季2度目の完封・8勝目) |
村上自身は試合前、点が入りにくい投手戦を予想し粘り強く投げたいという趣旨の話をしていました。援護がなかなか来ない中でも焦らずゼロを積み重ねる。エースとして必要な投球でした。
03小笠原慎之介のコンビネーションに阪神打線が苦戦
巨人先発の小笠原慎之介も非常に良い内容でした。ストレート、カットボール、チェンジアップを両サイドへ投げ分け、インコースへはストレートとカットボール、アウトコースへはストレートとチェンジアップと、同じような軌道から球速と変化を変えて阪神打線の判断を遅らせました。
阪神は初回、近本が出塁し中野が送りバントを成功させたものの森下がショートゴロ、佐藤がピッチャーライナー。3回にも近本・中野の連打でチャンスを作ったが森下が三振、佐藤がピッチャーライナーに倒れています。「全員野球で最少得点を奪う」という試合前の想定通りにはなりましたが、その最少得点すら遠い内容でした。小笠原は結局7回1失点8奪三振。佐藤の一発を除けばチャンスで粘り強く抑え込まれており、後半戦の直接対決でも警戒が必要な相手です。
04森下翔太、3三振からの4打席目の修正
森下はこの日3三振。特に気になったのがハーフスイングを取られる場面でした。小笠原と山瀬慎之助の組み立てが良く、速い球を意識させて変化球を振らせ、変化球を考えさせたところへストレートを通す。インコースとアウトコースを使い分け、森下が自分のタイミングで振れない状況を作られていました。
ただし、森下は最後までやられ続けたわけではありません。7回2アウトから中野がレフト前ヒット。続く森下も、甘く入った球をしっかり引っ張りレフト前へ運びました。3三振を喫した試合でも4打席目で修正する。結果的に得点にはつながりませんでしたが、後半戦へ向けて無意味な一打ではありませんでした。
05立石正広に見えた打撃と守備、両方の課題
立石正広については厳しい内容でした。小笠原のように球種・コース・緩急を組み合わせる投手を相手にすると、現状では打席の中で整理が追いついていないように見えます。ストライクを見逃しボール球を追い、ストレートを待っていれば変化球で崩され、変化球を考え始めると速球に遅れる場面がありました。
守備でも課題が出ました。4回、泉口友汰のレフト前ヒットを処理した後、内野への返球が乱れ打者走者を二塁へ進めています。公式記録でも立石の悪送球となりました。今季はある程度割り切り、自分が振るゾーンとタイミングを先に決める方法も必要でしょう。どの投手のどの球種、どの配球に苦しむのかを蓄積し、今季の経験をオフシーズンの改善材料にする必要があります。これは立石を見限る材料ではなく、プロの一球が持つ重さを身につけるための材料です。
06佐藤輝明の22号ソロと、直後に空気を変えた死球
試合が動いたのは6回でした。サンテレビに出演していた佐藤ファンの女の子が「佐藤輝明、がんばれー」と声援を送った直後、先頭打者の佐藤が小笠原の143キロを捉えバックスクリーンへ22号ソロ。不調が心配されていた4番が、最も佐藤らしい豪快な打球で応えました。
佐藤は2026年4月26日の広島戦でも、ホームランによる1点を守って1対0で勝利する試合を作っています。阪神の4番打者が同一シーズンに2度「自分のホームランによる1点だけで1対0勝利」を記録するのは珍しく、日刊スポーツの集計ではプロ野球史上6人目とされています。ホームラン数だけでは見えない、勝敗へ直結する一発を打てることが4番の価値です。
しかし、佐藤のホームランで生まれた笑顔は長く続きませんでした。直後の大山悠輔に小笠原の直球が当たり、球場の空気が一変します。前日の試合では佐藤が死球を受ける一方、巨人の大城卓三も1試合で2度死球を受けており、藤川監督は試合後に巨人の与死球の多さへ言及していました。この死球を故意だったと断定できる材料はなく、「報復だった」と決めつけるべきではありません。一方で、前日までの経緯によって球場全体に緊張が走ったことは事実で、子どもの願いに応えたホームランで笑顔になった直後、全員が真顔になる。この短い時間の中に、首位攻防戦の熱と危うさが凝縮されていました。
079回、一昨日と同じ状況を迎えた村上とダルベック
1対0のまま迎えた7回裏、2アウトから中野・森下が連続ヒットで一、三塁とし佐藤に打席が回りましたが、大飛球はファールとなりセカンドゴロ。8回には村上がこの試合で初めて先頭打者を許し、代打・丸佳浩にはフルカウントからフォアボール。力を発揮すべき場面ほど狙った場所へ投げ切る村上の球が、この回は少し上ずっていました。100球を超えた疲労が出始めていたのでしょう。
そして迎えた9回表、先頭の松本剛と続く泉口友汰にレフト前ヒットを許し無死一、二塁。打席には、一昨日あと一球まで迫った才木から逆転ホームランを放ったダルベック。一昨日と同じことが起きるのではないか、甲子園の誰もがそう感じたはずです。
それでも村上は逃げず、坂本誠志郎と低めで勝負。ダルベックが手を出した打球は内野へ転がりダブルプレーとなりました。三塁にランナーは残りましたが、最後は代打・佐々木俊輔を空振り三振に仕留めゲームセット。一昨日、阪神は9回に追い込まれダルベックに逆転ホームランを浴びました。今日も9回、無死一、二塁でダルベックを迎え、よく似た状況でしたが結末は違いました。藤川監督は試合後、一昨日の敗戦を見つめ直し「同じ轍を踏まない試合」にしてくれたと評価しています。
08巨人戦2試合連続完封が意味するもの
村上は5月23日の巨人戦でも3安打完封勝利を挙げており、これで巨人戦2試合連続完封となりました。後半戦が巨人とのマッチレースになるなら、直接対決で相手打線を2試合続けてゼロに抑えられる投手がいる事実は極めて大きい意味を持ちます。自分が勝つだけでなく、相手へ負けを付けられるのが直接対決だからです。
藤川監督は、才木浩人と村上のダブルエースがローテーションを守る意味にも触れました。先発が長いイニングを投げればリリーフ陣も休める。この試合では村上が最後まで投げ切ったことで、阪神はリリーフを一人も使わずに前半戦を終えています。才木が打たれた翌々日に村上が完封する。ダブルエースとは、一人が苦しんだ時にもう一人がチームを立て直せる関係でもあります。
試合後のヒーローは同期入団の佐藤と村上でした。村上は完封直後にもかかわらず「最後につまずいたため下半身を鍛えたい」とコメント。完封して満足するのではなく最後の動きから改善点を探す、村上らしい振り返りでした。
09反対意見・別の見方
村上を9回まで投げさせる必要はなかった:8回に100球を超え丸へのフォアボールでは球が高めへ抜け、9回は先頭から連打を浴びました。状態の変化を見れば9回頭からリリーフを投入する選択肢もありましたが、前半戦最後の試合であり村上自身が最後まで投げたい意思を持っていたこと、リリーフを休ませる意味、何よりあの9回を自分で乗り越えた経験が後半戦に残ることを踏まえれば、結果論だけで断定すべきではありません。
立石への評価が厳しすぎる:若手が一流投手に苦しむのは当然であり、一つの悪送球だけで意識が低いと決めつけるべきではないという指摘は正しいものです。ただし打てないことと基本的な返球を乱すことは別で、重要なのは人格を否定することではなく、何が足りなかったかを具体的に整理することです。
佐藤のホームラン頼みでは苦しい:この試合は佐藤の一発だけで勝ちました。4番が試合を決めるのは理想ですが、後半戦の長期戦では近本・中野・森下・大山、下位打線からも点を作る必要があります。村上と佐藤のヒーロー性を評価しつつ、打線全体の課題を消してはいけません。
10後半戦の注目点
阪神は8安打を放ちながら得点は佐藤のソロホームランのみ。村上が完封しなければ勝てなかった試合でもあり、後半戦は毎回エースがゼロに抑えてくれるわけではありません。オールスターを挟み、以下の点が焦点になります。
- 村上頌樹は巨人キラーとして勝ち星を伸ばせるか。巨人戦2試合連続完封は大きな武器。直接対決で再びダルベック・泉口・石塚らをどう抑えるか。
- 佐藤輝明のスイングは本格的に戻るか。ホームランに加え7回にも大飛球。後半戦で再び量産態勢へ入れるか。
- 森下翔太は緩急への対応を修正できるか。3三振の後にヒットを放った修正を次戦以降へ継続できるか。
- 小笠原慎之介への次回対策。ストレート・カットボール・チェンジアップのコンビネーションへ、阪神打線がどのような狙いを作るか。
- 立石正広の育成と起用。一軍で経験を積ませるのか役割を限定するのか、打席内の整理と守備意識をどう高めるか。
- 才木浩人と村上頌樹のダブルエース。一人が苦しんだ後にもう一人がチームを立て直せるか。長いロードでリリーフ陣を休ませる役割も重要。
11まとめ ── 同じ状況を、同じ結末にしなかった
阪神は前半戦最後の巨人戦を1対0で制しました。佐藤輝明が6回にバックスクリーンへ22号ソロ、その1点を村上頌樹が117球を投げて守り切りました。
9回は無死一、二塁で一昨日に逆転ホームランを浴びたダルベックを迎えましたが、村上は逃げず低めへ投げ切りダブルプレー。最後は空振り三振でゲームセットとなりました。これは、ただの完封ではありません。一昨日の敗戦を見つめ直し、同じ状況を同じ結末にしなかった完封です。阪神は巨人と50勝40敗・引き分け1つで並び、同率首位で前半戦を終えました。打線は8安打で1得点にとどまり、小笠原慎之介を十分に攻略できたとは言えず、森下翔太の状態、立石正広の経験不足、死球をめぐる緊張など課題も残っています。それでも前半戦最後に必要だったのは勝利でした。甲子園3連敗を阻止し、悪夢を長い休みへ持ち越さなかった。巨人とのマッチレースで、村上頌樹は大きな武器になります。
12動画でも詳しく話しています
村上頌樹の117球完封、9回のダルベックとの勝負、佐藤輝明の22号ソロ、森下翔太と立石正広に残った課題、後半戦の注目点まで、2人の掛け合いによるラジオ形式で詳しく振り返っています。