阪神タイガース / 読売ジャイアンツ / 前半戦比較(後編)

阪神と巨人、後半戦はどちらが上か|投手陣・故障者復帰・最終勝敗シナリオ

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

投手WAR
6.8 vs 8.5
総量は巨人が上
中央シナリオ
79.6 vs 77.4
最終勝数の試算値
残り直接対決
8試合
東京D4・甲子園4
この記事の動画版(後編)

この記事は前編(チーム全体・野手比較)の続きで、投手陣・故障者の復帰・後半戦の勝敗予測を扱います。動画版は第2部です。

記事側では、動画で結論だけをお伝えした予測の計算式・係数・選手別のイニング配分、そしてモデルの限界まで開示しています。

先に結論

投手陣にも、野手と同じ「スター型の阪神」対「層型の巨人」の構図が出ています。阪神は髙橋遥人(FIP-63)と才木浩人(SIERA-57)の上位2枚が突出。巨人は井上温大・ウィットリー・竹丸・小笠原・山﨑と崩れにくい枚数を持っています。投手WARの総量は巨人が8.5対6.8で上。

故障者復帰は「巨人だけの伸びしろ」ではありません。本人分の残りWARは阪神2.08に対して巨人0.80で、むしろ阪神の方が大きい。ただし巨人は主力級4人を欠いた状態で首位に並んでいます。

残りWARから試算した最終勝数は中央で阪神79.6勝、巨人77.4勝。差は約2.2勝ですが、レンジ(阪神74.6〜83.2/巨人72.6〜81.6)は大きく重なります。予測上もマッチレースです。

前編では、阪神が打撃WAR17.8で突き放し、巨人が守備3.1と投手8.5で食らいついているという構図を確認しました。この後編では、その投手8.5の中身と、後半戦に何がどれだけ上積みされるのかを見ていきます。

この記事の数字について

WAR・FIP-・xFIP-・SIERA-・K-BB%はNPB Basementの推計値で、公式記録ではありません。また後半の予測パートは選手別の残り出場機会とWARを積み上げたシナリオ試算であり、確定予言ではありません。係数は比較用の仮置きで、過去年度でのバックテストは行っていません。詳しくは§09〜§10で開示します。

01投手WARの現在値 ── 総量は巨人

前半戦終了時点の投手WARは、阪神6.8に対して巨人8.5。1.7の差で巨人が上です。

この差がどこから来ているかを役割別に見ると、先発で巨人が上回り、中継ぎでも巨人が上、抑え・高レバでも巨人が上、という構図になります。つまり投手に関しては、巨人がすべての役割で小幅に勝っている状態です。

役割別WARの数値について

今回参照した資料には、役割別(先発/中継ぎ/抑え・高レバ)の投手WARが2系統存在し、基準日と集計定義が異なります。たとえば阪神の中継ぎは-1.4と-0.5、巨人の抑え・高レバは2.7と1.6という具合に、最大1.1ほどの差がありました。

役割の切り分け方が変わると数値も変わるため、本記事では役割別WARの細かい数値を主役にせず、個々の投手の指標を見ていきます。「上位2枚の質は阪神、ローテとブルペンの枚数は巨人」という構図自体は、どちらの系統でも変わりません。

02先発陣 ── 上位の質の阪神、枚数の巨人

阪神の先発候補(IP・WARは7/26時点、その他指標は7/25時点)
投手IPWARK-BB%FIP-xFIP-SIERA-HR/FB%判定
髙橋 遥人111.33.123.06369694.8圧巻。開幕10連勝
才木 浩人106.32.526.17068576.7中身はエース級
村上 頌樹124.31.116.69393947.3平均より少し良い
大竹 耕太郎70.70.411.7100971077.3大崩れしにくい
西 勇輝30.00.07.31301311365.9
伊原 陵人26.7-0.211.81261241107.9一軍では苦戦
伊藤 将司19.70.115.210594979.1小標本
下村 海翔17.00.117.1102868511.1上積み余地あり
E.ルーカス14.70.217.2107858911.8腰部疲労骨折明け
茨木 秀俊12.7-0.23.215213313311.1
巨人の先発候補(IP・WARは7/26時点、その他指標は7/25時点)
投手IPWARK-BB%FIP-xFIP-SIERA-HR/FB%判定
井上 温大94.02.120.17776796.5巨人先発の安定軸
F.ウィットリー81.71.318.89191835.8新外国人の成功例
田中 将大53.71.210.385971073.3復活も支配的ではない
戸郷 翔征52.30.917.686105902.7復調後に離脱
竹丸 和幸91.00.717.69791898.0安定したイニング供給
B.マタ19.30.48.21031211120.0結果ほど内容は強くない
西舘 勇陽31.30.314.01221161087.4層の一枚
山﨑 伊織11.30.210.41141081156.7右肩から復帰・IP小
小笠原 慎之介13.00.225.07273570.02登板。内容良好
S.ハワード9.30.116.36193830.0
則本 昂大51.0-0.110.01281121199.5FA加入

阪神の上位2枚は、指標で見ても本物です。髙橋遥人のFIP-63は「リーグ平均より37%失点を防いでいる」水準。才木浩人はK-BB%26.1、SIERA-57で、むしろ髙橋を上回る項目もあります

村上頌樹は7月26日の巨人戦で9回無失点完封を記録し、124.3回・WAR1.1まで来ました。FIP-93、xFIP-93。「悪い」のではなく「上位2人ほど圧倒的ではない」という位置づけが正確です。

巨人は突出した1枚こそないものの、井上2.1・ウィットリー1.3・田中将1.2・戸郷0.9・竹丸0.7と1.0前後が5枚並びます。さらに山﨑伊織が右肩から復帰し、小笠原慎之介が2登板でK-BB%25.0・SIERA-57という好内容を出しています。

指標が結果と食い違う投手

表を読むときに注意したいのが、FIP-とxFIP-/SIERA-が大きく乖離している投手です。

田中将大:FIP-85は良い数字ですが、xFIP-97・SIERA-107。被本塁打率HR/FB3.3%が低く出ている影響で、実力以上に良く見えている可能性があります。B.マタも同様で、FIP-103に対しxFIP-121・SIERA-112、HR/FBは0.0%。戸郷もHR/FB2.7%と低く、xFIP-105はFIP-86より明らかに悪い。

逆方向もあります。阪神の下村海翔はFIP-102ですがxFIP-86・SIERA-85で、内容は結果より良い。被本塁打の出方が平均へ戻れば、数字が改善する余地があるということです。

03ブルペン ── 赤字の実態と役割の形

ここは動画では触れきれなかった部分です。中継ぎ・低レバまで含めた全投手の指標を出します。

阪神のブルペン(IP・WARは7/26時点、その他指標は7/25時点。gmLIは登板場面の重要度)
投手役割IPWARgmLIK-BB%FIP-xFIP-SIERA-HR/FB%
R.ドリス抑え/高レバ34.31.01.822.55868693.0
工藤 泰成高レバ候補32.70.71.122.05270680.0
岩崎 優抑え30.00.11.916.88287905.4
木下 里都中レバ23.30.01.211.9106908315.4
及川 雅貴中継ぎ20.7-0.60.83.315413013413.6
湯浅 京己中低レバ19.3-0.10.813.99297995.9
D.モレッタ中低レバ16.0-0.11.221.4130867415.8
桐敷 拓馬中低レバ15.3-0.21.45.413812211510.5
門別 啓人中低レバ14.0-0.10.56.81381171309.1
早川 太貴中低レバ11.7-0.21.113.016611010418.8
畠 世周中低レバ10.7-0.10.810.312110010612.5
津田 淳哉中低レバ8.3-0.10.45.71321201319.1
今朝丸 裕喜中低レバ8.0-0.10.52.81481461467.7
椎葉 剛中低レバ7.0-0.30.4-2.926515015327.3
A.セベリーノ低レバ4.0-0.10.75.919012812625.0
石井 大智高レバ復帰候補00
巨人のブルペン(IP・WARは7/26時点、その他指標は7/25時点)
投手役割IPWARgmLIK-BB%FIP-xFIP-SIERA-HR/FB%
R.マルティネス抑え35.31.32.724.85871642.9
大勢セットアッパー29.30.71.824.57373656.7
田中 瑛斗高レバ候補33.00.41.76.7861111150.0
中川 皓太中/高レバ23.70.31.515.69387888.0
赤星 優志中低レバ38.00.31.211.81031001076.7
船迫 大雅高レバ候補20.00.01.97.51111161224.0
田和 廉中低レバ25.30.00.85.71031211190.0
堀田 賢慎中低レバ19.30.00.411.1951121213.2
森田 駿哉中低レバ18.7-0.10.95.715012013510.3
高梨 雄平中低レバ10.0-0.11.314.0134939413.3
E.ルシアーノ中低レバ12.0-0.31.05.915512813111.8
石川 達也中低レバ6.3-0.30.32.921614714718.2
北浦 竜次中低レバ9.7-0.41.07.019410412027.3

阪神のブルペンは、上位はドリス(FIP-58)と工藤泰成(FIP-52)で形が見えています。ただしそれ以外は0前後からマイナスが並び、役割全体で見るとまだ赤字です。

特に及川雅貴のWAR-0.6は、前半戦の救援における最大のマイナス要因でした。K-BB%3.3、FIP-154。復調を確認しないまま高レバレッジで起用するのは危険な水準です。

数字が悪くても中身は悪くない投手

D.モレッタはFIP-130と結果は悪いのですが、xFIP-86・SIERA-74・K-BB%21.4。被本塁打(HR/FB15.8%)が過剰に出ているだけで、内容自体は良いと読めます。木下里都も同様で、WAR0.0ながらxFIP-90・SIERA-83、HR/FBは15.4%。

この2人は、被本塁打の出方が平均へ戻れば後半戦に上積みが期待できる枠です。逆に椎葉剛(HR/FB27.3%)とセベリーノ(同25.0%)は、標本が7.0回・4.0回と小さすぎて判断材料になりません。

巨人のブルペンは人数がいます。中川・田中瑛・船迫・赤星と役割を持てる投手が並ぶ。ただし田中瑛斗(FIP-86に対しxFIP-111・SIERA-115)と船迫大雅(FIP-111・SIERA-122)は基礎指標が盤石ではありません。層の厚さと質は分けて評価する必要があります。

04抑え・高レバ ── 終盤力は巨人が小幅優位

接戦の終盤を任せられる投手の比較です。gmLI(登板場面の重要度)を併記します。

高レバレッジ投手の比較
球団投手IPWARgmLIK-BB%FIP-状態
巨人R.マルティネス35.31.32.724.858稼働中
阪神R.ドリス34.31.01.822.558稼働中
巨人大勢29.30.71.824.573離脱中(右肘の張り)
阪神工藤 泰成32.70.71.122.052稼働中
巨人田中 瑛斗33.00.41.76.786稼働中
巨人中川 皓太23.70.31.515.693稼働中
阪神岩崎 優30.00.11.916.882稼働中
阪神石井 大智00復帰途上(アキレス腱手術明け)

マルティネスのgmLI2.7は、両軍を通じて最も重要な場面で投げていることを示します。FIP-58、K-BB%24.8で内容も伴っている。

阪神はドリスと岩崎の日替わりで回してきました。ドリスはFIP-58とマルティネスと同水準ですが、gmLIは1.8。岩崎はgmLI1.9で最も重い場面を任されつつ、FIP-82とやや見劣りします。

ここに両軍とも「復帰待ちの1枚」がいます。巨人は大勢、阪神は石井大智。この2人が戻ると、それぞれのブルペンの役割が1段ずつ楽になります。

05阪神の故障者・復帰

阪神の故障者・復帰と後半戦の稼働想定
選手状態低位中央高位中央の残りWARモデル上の意味
近本 光司左手首骨折→7/11復帰済み200PA230PA235PA1.342髙寺・福島を左翼/控えへ回せる。「未来の復帰」ではなく後半戦の稼働回収
前川 右京右肩甲骨骨折(7/17)。8月上旬候補40PA90PA130PA0.2256番・左翼の打撃選択肢。髙寺のPA減を差し引くため純増は見た目より小さい
石井 大智左アキレス腱断裂・手術(2月)。7/22ライブBP0IP9月中心10IP8月下旬20IP0.200本人WARより、ドリス・工藤・岩崎・木下を適正な役割へ戻す効果が大きい
E.ルーカス腰部疲労骨折(5/10発表)。7/22二軍実戦で1回無失点・最速152km救援10IP先発20+救援5IP先発30IP0.233先発6番手とロングの両面。谷間先発・低レバのマイナスIPを減らせる
畠 世周右手中指違和感(6月中旬)。7/22二軍実戦5IP10IP15IP0.030中継ぎの枚数追加。過密日程時の保険
湯浅 京己右足首捻挫(6月)。7/17ブルペン約20球5IP10IP15IP0.050復調すれば中レバの赤字を縮小

阪神で最も大きいのは近本光司です。ただし近本は既に復帰しています。したがってこれは「これから戻る戦力」ではなく、後半戦に本来の出場機会を回収できるかという話になります。

石井大智とE.ルーカスは、本人のWARよりも周囲の役割が整う効果が重要です。石井が戻れば、ドリス・工藤・岩崎・木下がそれぞれ1段軽い役割に下がれる。ルーカスが戻れば、谷間先発と低レバ救援のマイナスイニングを減らせます。

06巨人の故障者・復帰

巨人の故障者・復帰と後半戦の稼働想定
選手状態低位中央高位中央の残りWARモデル上の意味
吉川 尚輝両股関節手術後に復帰→7/21左太腿裏肉離れで再離脱。全治未定20PA80PA130PA0.400二塁復帰で浦田を三塁へ、ダルベックを一塁へ戻せる
岸田 行倫右膝負傷(7/20・骨に異常なし)。最短7/31復帰目標50PA80PA110PA0.293大城の捕手負担を減らし、捕手2枚の高水準へ戻す
戸郷 翔征左太腿裏肉離れ(7/7)。終盤戦復帰目標0IP終盤1〜2先発10IP25IP0.139ローテが既に厚く、代替との差は限定的
大勢右肘の張り(7/12)。キャッチボール再開。2〜3週報道8月下旬5IP8月中旬15IP8月上旬25IP0.400マルティネスとの二段構えに戻り、中川・田中瑛を適正役割へ

巨人の4人は、いずれも本来レギュラーまたは勝ちパターンの選手です。吉川尚輝はWAR1.1、岸田行倫は1.2、戸郷翔征は0.9、大勢は0.7を既に積んでいます。

ただし重要なのは、この4人が前半戦に稼いだWARは、すでに現在の22.0に含まれているという点です。復帰によって新たに足せるのは「残り試合での本人の貢献」と「代替選手からの配置改善」だけになります。

「4人戻れば4人分上乗せ」ではない

「巨人は故障者が戻れば大幅に上積みされる」という言い方をよく見ますが、これは二重計上です。4人の前半戦WARは現在値に入っています。

実際に計算すると、中央シナリオでの本人分の追加は合計0.795。配置改善まで含めても、低位シナリオとの差は約0.8です。「主力を欠いて首位。戻れば配置と役割が整う追加余地がある」という表現が正確です。

特に戸郷は、ローテが既に厚いため本人が戻っても代替投手との差は小さい(中央で0.139)という結果になっています。

07復帰の非対称性 ── 伸びしろは巨人だけではない

復帰による上積みの比較(中央シナリオ)
指標阪神巨人読み方
本人復帰WARの単純合計2.0800.795本人分だけなら阪神の方が大きい
低位シナリオとの差(中央-低位)+1.179+0.795配置改善を含む上積み
高位シナリオの追加(高位-中央)+0.654+0.856早期復帰がそろえば巨人が上
対象人数6人4人
特徴阪神は配置改善の比重が大きい/巨人は主力級が戻る

ここは動画でも触れましたが、記事では数字で押さえておきます。本人分の残りWARは阪神2.08に対して巨人0.80。むしろ阪神の方が大きいのです。

理由は単純で、阪神の対象にはすでに復帰して稼働している近本(中央1.342)が含まれているからです。巨人の4人は復帰時期が未定または段階的で、稼働量を保守的に置いています。

ただし見落としてはいけないのが、巨人は主力級4人を欠いた状態で50勝40敗の首位に並んでいるという事実です。これは層の厚さが実際に機能している証拠であり、戻ってくれば配置が正常化します。

復帰後の配置分岐
球団期間一塁二塁三塁左翼中堅
巨人吉川復帰前増田陸・リチャード・ティマの競争浦田ダルベック佐々木・松本・キャベッジ佐々木・キャベッジ
巨人吉川復帰後ダルベック吉川浦田同左同左
阪神前川復帰前大山中野佐藤髙寺中心近本
阪神前川復帰後大山中野佐藤髙寺・前川・福島の配分近本

巨人にとって吉川の復帰は、単に二塁が埋まるだけではありません。浦田を三塁へ、ダルベックを一塁へ動かせるので、現在マイナスを出している一塁候補(増田陸-0.3、リチャード-0.2、ティマ-0.5)の出場を減らせます。1人の復帰が3ポジションを同時に改善する構造です。

08雨天延期9試合という変数

阪神には、巨人にはない事情があります。雨天中止が多く、未消化試合を抱えていることです。

阪神の中止・延期の整理(7/25時点)
項目備考
中止判断の回数12同一カードの再中止を含む
延期対象の異なる試合11
前半戦中に消化済み26/2→6/16、6/7→6/8→6/17
7/25時点の未消化9後半戦へ持ち越し
振替確定15/21→9/14
振替未定84/15(巨人・甲子園)、4/23、6/20、6/24、6/25、6/26、7/1、7/4

これはプラスとマイナスの両面があります。

プラス:近本が不在だった時期の試合を、復帰後に戦える。石井・ルーカス・前川の復帰が進めば、延期試合で戦力を回収できる。前半戦の休養日が増え、上位先発の疲労を一時的に抑えられた。

マイナス:9〜10月の連戦・移動が増え、ブルペンと捕手の負荷が上がる。重要な直接対決や優勝争いの試合が終盤へ集中する可能性がある。

モデルでの扱い

試算では、残り試合のPA・イニングにこの9試合は既に含まれています。したがって日程補正として追加で足すのは「復帰タイミングの効果」と「終盤過密のコスト」だけです。

阪神の日程補正WARは低位-0.3/中央-0.1/高位0。巨人は全シナリオで0です。つまり中央では、回収効果より過密のコストがわずかに上回るという置き方をしています。

09予測モデルの前提 ── 計算式と係数を開示する

ここからが記事の本題です。動画では結論だけをお伝えしましたが、その数字がどう出ているのかを全部開示します。

モデル定数
定数意味
代替レベル勝率0.294WAR=0のチームが残り試合で勝つ基準(143試合で約42勝相当)
WARモデルの重み0.55個人の積み上げから算出する将来勝率
得失点モデルの重み0.30前半戦のチーム内容を残す
実勝率の重み0.15接戦の勝ち切りと順位の現実を残す
残り試合の引分率0.02両軍の今季実績をならした暫定値
計算式
項目換算基準
野手の残りWAR残りPA × 予測WAR ÷ 600600打席換算
先発の残りWAR残りIP × 予測WAR ÷ 180180イニング換算
救援の残りWAR残りIP × 予測WAR ÷ 6060イニング換算
WAR将来勝率0.294 + 残りWAR ÷ 残り試合30%〜72%で上限下限を設定
最終の将来勝率WAR将来勝率×55% + ピタゴラス勝率×30% + 実勝率×15%一つの指標へ依存させない
残り出場機会の合計
球団低位PA中央PA高位PA残り投手IP
阪神199520302075472
巨人195519952035463

ポイントは、現在のWAR率をそのまま使っていないことです。超高水準の選手は平均方向へ戻し(回帰させ)、故障者は出場機会を削り、小標本の新戦力は保守的に評価しています。

たとえば佐藤輝明は現在9.79 WAR/600ですが、中央シナリオでは6.5 WAR/600まで下げています。森下翔太も8.77→5.5。逆にマイナスの選手(小幡・木浪・熊谷)は、ゼロ方向へ戻しています。

10モデルの限界 ── 何ができて何ができないか

このモデルでできないこと

1. 係数は比較用の仮置きです。WAR 55%・得失点 30%・実勝率 15% という配分は、理論的な最適値として導かれたものではありません。

2. バックテストを行っていません。過去年度や他球団を使って、この係数が実際にどれくらい当たるのかを検証していません。したがって「このモデルの精度は◯%」と言うことはできません。

3. 優勝確率ではありません。算出しているのは勝敗のレンジであって、「阪神が優勝する確率は◯%」という数字ではありません。

4. 二強比較に限定しています。3位以下のチームが急浮上するケースは織り込んでいません。セ・リーグ全体のシミュレーションではありません。

5. 高位シナリオは上限に張り付いています。WAR将来勝率には30%〜72%の上限下限を設けており、阪神・巨人とも高位シナリオでは0.72の上限に達しています。つまりレンジの上端は「実力の上限」ではなく「モデルの天井」でもあります。

6. 直接対決の個別補正はしていません。残り8試合は残り試合数に含めていますが、「阪神が10勝7敗だから有利」といった補正は加えていません(理由は§14)。

それでもこの試算に意味があるとすれば、両軍の上振れ・下振れ要因を同じ物差しで並べられること、そして差がどれくらい小さいのかを可視化できることです。以下の数字は、その前提で読んでください。

11残りWARの選手別配分

中央シナリオで、誰にどれだけの出場機会とWAR率を置いているかを開示します。

阪神・野手の残りWAR(中央シナリオ/合計9.328)
選手現在PA現在WAR/600中央PA中央WAR/600中央残りWAR回帰の考え方
佐藤 輝明3869.792256.52.438前半の超高速から減速したため回帰
森下 翔太3978.772255.52.063大きく回帰。ただし直近も高水準
近本 光司1724.532303.51.342手首の影響で回帰。高位は過去水準へ
中野 拓夢3773.182252.60.975直近の上昇を中央へ一部反映
大山 悠輔3692.762202.60.9536/16以降に復調
髙寺 望夢2553.291652.40.660近本復帰後は左翼。控え扱いしない
坂本 誠志郎1733.471052.20.385打撃低調で回帰、守備価値は残す
前川 右京1171.03901.50.2258月中旬復帰を想定
福島 圭音1371.75901.20.180
元山 飛優292.07700.50.05825打席を強く外挿しない
D.ガルシア00600.50.050一軍実績なし。救世主扱いしない
木浪/小幡/熊谷マイナス40/45/35-0.2/-0.3/-0.5-0.065マイナスをゼロ方向へ回帰
巨人・野手の残りWAR(中央シナリオ/合計7.108)
選手現在PA現在WAR/600中央PA中央WAR/600中央残りWAR回帰の考え方
浦田 俊輔3075.672103.51.225守備・走塁の価値を残す
B.ダルベック3623.652153.41.218長打を維持しつつ三振リスク
大城 卓三2086.921754.01.167現状6.9を回帰、打撃の強さは残す
泉口 友汰3044.932153.21.147守備値の反動を考慮
佐々木 俊輔2161.941752.60.758直近+0.8を一部反映
松本 剛2561.881601.60.427
吉川 尚輝1444.58803.00.4008月下旬復帰・故障明けで回帰
T.キャベッジ3251.661401.50.350
岸田 行倫1833.93802.20.293右膝から段階復帰
笹原 操希643.75851.80.255小標本を回帰
増田陸/リチャード/ティマ大きくマイナス90/50/35-0.5/-1.0/-1.2-0.228一塁の消去法。PAを減らせれば上振れ
主な投手の残りイニングとWAR率(中央シナリオ)
球団投手低位IP中央IP高位IPWAR率(低/中/高)前提
阪神髙橋 遥人4555602.8/4.0/4.8 per180初の開幕ローテで111.3回。7/23登録抹消。能力ではなく負荷の問題
阪神才木 浩人6065653.2/4.5/5.2ローテ上位を継続
阪神村上 頌樹4550551.3/2.6/3.27/26完封を反映し上方修正。1試合で完全復活とはしない
阪神大竹 耕太郎3540450.5/1.3/2.0左の4〜6番手
阪神E.ルーカス(先発)020300/1.5/2.5低位は救援専任
阪神ドリス1822240.8/1.4/1.8 per60年齢・夏場で回帰
阪神工藤 泰成1822240.8/1.3/1.8初の高負荷シーズン
阪神石井 大智010200/1.2/2.0中央は9月中心
巨人山﨑 伊織3055651.5/3.8/5.0低位は肩の再調整あり、中央はローテ完走、高位はエース水準
巨人井上 温大5560603.0/4.0/4.8ローテの中心
巨人ウィットリー5055602.0/3.0/4.0ローテ固定
巨人竹丸 和幸5555551.0/1.8/2.7安定供給
巨人小笠原 慎之介3545501.5/3.2/4.0上方修正。ただしまだ2登板
巨人戸郷 翔征010250/2.5/3.5中央でフル回転は置かない
巨人マルティネス2224251.2/1.8/2.2 per60抑え固定
巨人大勢515250.8/1.6/2.0右肘を最優先
投手の残りWAR・役割別
球団低位先発中央先発高位先発低位救援中央救援高位救援
阪神1.9614.2945.983-0.3301.8833.527
巨人2.4585.3837.7560.2231.5372.460

中央シナリオでは、先発で巨人が1.09上回り、救援で阪神が0.35上回る。差し引きで投手の残りWARは巨人が0.74多いという結果になります。

12シナリオ集計 ── 低位・中央・高位

シナリオ集計(2026年7月26日終了時点を起点)
球団シナリオ現在WAR野手残投手残日程補正残りWAR計最終WARWAR将来勝率ブレンド勝率最終勝最終敗最終分
阪神低位24.54.7731.631-0.36.10430.604.4114.482374.58066.3802.04
阪神中央24.59.3286.178-0.115.40639.906.5903.580779.59461.3662.04
阪神高位24.513.4529.510022.96247.462.7200.652183.23057.7302.04
巨人低位22.02.3862.68205.06827.068.3934.452072.59267.3883.02
巨人中央22.07.1086.920014.02836.028.5690.548677.42162.5593.02
巨人高位22.011.68910.216021.90543.905.7200.631781.57158.4093.02

各シナリオの中身は次の通りです。

  • 低位:主力の稼働が伸びず、復帰も遅れる。阪神は髙橋45IP・石井の復帰なし・ルーカス救援専任。巨人は山﨑30IP(肩の再調整)・戸郷登板なし・大勢8月下旬5IP・吉川20打席。
  • 中央:阪神は髙橋55IP・村上50IP(完封を反映して上方修正)・石井9月中心10IP・ルーカス先発20+救援5IP。巨人は山﨑ローテ完走55IP・小笠原45IP(上方修正)・戸郷終盤10IP・大勢8月中旬15IP・吉川80打席。
  • 高位:阪神は佐藤が前半型へ再加速(8.0 WAR/600)・森下7.0維持・前川130打席・石井20IP。巨人は山﨑エース水準65IP・戸郷25IP・大勢8月上旬25IP・吉川130打席・岸田110打席。

13最終勝敗予測と優勝ライン

中央シナリオの最終勝敗
球団中央 最終勝最終敗最終分レンジ(低位〜高位)
阪神79.59461.3662.0474.580 〜 83.230
巨人77.42162.5593.0272.592 〜 81.571
約2.2勝レンジは大部分が重なる

中央シナリオでは阪神79.6勝、巨人77.4勝。丸めるなら「阪神79勝前後、巨人77〜78勝前後」です。

ただしレンジは阪神74.6〜83.2、巨人72.6〜81.6で大きく重なっています。復帰時期と主力の状態次第で、いくらでも入れ替わる幅です。

優勝ラインの目安(今回の二強比較における試算)
区分勝数意味
優勝争いに残る目安77終盤まで可能性を残す
今回の中央目安79優勝争いの中心になる勝数
強い目安81多少の取りこぼしがあっても優位
かなり安全側83今回の想定ではかなり安全
目標勝数までの必要勝率(引分は別計算)
球団目標勝数現在勝必要勝残り試合必要勝率許容できる残り敗
阪神77502752.519225
阪神79502952.557723
阪神81503152.596221
巨人77502751.529424
巨人79502951.568622
巨人81503151.607820

ここに1つ、見落とされがちな要素があります。残り試合が1つ少ない巨人の方が、同じ勝数に到達するのに高い勝率を必要とします。79勝ラインなら阪神.5577に対して巨人.5686。

§08で見た阪神の未消化9試合は「終盤の過密」というマイナスと同時に、同じ勝数への到達がわずかに楽になるという側面も持っています。

この数字の使い方

79勝という数字は今回の阪神・巨人の二強比較から出した目安であって、セ・リーグ公式の確定ラインではありません。3位以下のチームが伸びれば、必要な勝数は変わります。

また「阪神が2.2勝上」という結果も、モデルの係数を変えれば動きます。差の大きさより、レンジが重なっているという事実の方が重要です。

14直接対決 ── 残り8試合が最大の争点

2026年の直接対決(7月26日終了時点)
区分試合阪神勝巨人勝阪神得点巨人得点
全体171077150
東京ドーム9724823
甲子園8352327

興味深いのは本拠地と敵地で結果が逆転していることです。阪神は東京ドームで7勝2敗(得失点+25)と圧倒しながら、本拠地の甲子園では3勝5敗(得失点-4)と負け越しています。

全17試合の結果
日付球場阪神巨人勝者模様
3/27東京D13巨人開幕戦は巨人
3/28東京D20阪神阪神が完封
3/29東京D126阪神阪神打線が大量得点
4/14甲子園34巨人1点差
4/16甲子園34巨人1点差
5/1甲子園35巨人巨人勝利
5/2甲子園75阪神阪神が打ち勝つ
5/3甲子園30阪神阪神完封
5/22東京D74阪神阪神勝利
5/23東京D30阪神村上が完封
5/24東京D63阪神東京D3連勝
7/7東京D34巨人戸郷が負傷した試合
7/8東京D41阪神阪神勝利
7/9東京D102阪神阪神大勝
7/24甲子園24巨人巨人逆転
7/25甲子園15巨人巨人連勝
7/26甲子園10阪神村上完封・小笠原7回1失点
残り直接対決8試合
日付開始球場主催備考
8/1114:00東京ドーム巨人3連戦1戦目
8/1218:00東京ドーム巨人3連戦2戦目
8/1318:00東京ドーム巨人3連戦3戦目
8/2818:00甲子園阪神3連戦1戦目
8/2918:00甲子園阪神3連戦2戦目
8/3018:00甲子園阪神3連戦3戦目
9/1214:00東京ドーム巨人終盤の1試合
未定未定甲子園阪神4/15中止分・振替日程は未発表

内訳は東京ドーム4試合+甲子園4試合(甲子園のうち1試合は4/15中止分で日程未定)。

なぜ直接対決を予測に足さないのか

阪神が10勝7敗と勝ち越している以上、「阪神有利」と補正したくなります。しかし本記事の試算では直接対決の個別補正は0としています。理由は2つです。

1つは17試合という標本の小ささ。もう1つは、東京ドームと甲子園で結果が真逆になっており、単純な相性として扱えないことです。

ただし重要度は別問題です。直接対決は1試合でゲーム差が1動きます。自分が勝つだけでなく、相手に負けを付けられるからです。残り8試合は、単純な残り試合数以上の意味を持ちます。個別カードの勝敗予想は行いません。

15対戦別投手成績 ── 2026年と通算を分ける

直接対決に誰をぶつけられるか。ここは今季の成績と通算成績を必ず分けて見る必要があります。

阪神投手の対巨人成績(2026年・7月26日終了時点)
投手投球回防御率WHIP被打率奪三振2026評価
才木 浩人53035.11.530.93.20246今年の巨人キラー。5先発で無敗
村上 頌樹42229.02.480.86.19026勝敗は五分でも内容は強い
髙橋 遥人32122.13.220.99.21417好相性寄りだが3試合で防御率3点台
大竹 耕太郎1107.01.290.71.16057回1失点。候補に置ける
E.ルーカス1015.07.201.80.3683苦戦。復帰後は穴埋め優先
伊藤 将司1002.111.573.00.5001短い登板で苦戦。復調確認が先
巨人投手の対阪神成績(2026年・7月26日終了時点)
投手投球回防御率WHIP被打率奪三振2026評価
山﨑 伊織0000.0今季は阪神戦未登板
井上 温大20210.08.101.70.34910明確に苦戦。相性面は不安
ウィットリー20111.12.381.32.24414勝ちはないが内容良好
竹丸 和幸32118.03.001.06.23815今季2勝。安定した供給
小笠原 慎之介1017.01.291.29.29687/26は好投。後半戦キーマン
戸郷 翔征1005.00.000.40.00035回無安打無失点。負傷前の復調
田中 将大22011.14.761.68.326122勝も内容は盤石ではない
西舘 勇陽1015.16.751.13.21164失点。本命には置きにくい
B.マタ0000.0未登板。未知数
通算・過去実績(今季とは別枠)

上の表はすべて2026年だけの数字です。通算や過去の実績は次の通りで、混ぜて語らないよう注意が必要です。

  • 才木浩人:2026年開幕前の時点で対巨人通算13勝4敗・防御率2.03。今季も3勝0敗で、通算・今季とも好相性。
  • 村上頌樹:2025年8月時点で対巨人通算6試合3勝0敗・防御率0.66(当時のスナップショット)。今季は2勝2敗・防御率2.48。
  • 小笠原慎之介:7/26登板前の時点で対阪神通算28試合8勝14敗・防御率2.95。防御率は良いのに負けが先行しており、好投しても勝ちに恵まれにくい傾向があります。
  • 山﨑伊織:過去の対阪神通算防御率は1.88と報道されています。ただし今季は未対戦で、右肩からの復帰直後です。
  • 戸郷翔征:2024年5月24日、甲子園の阪神戦でノーヒットノーランを達成しています(通算数値ではなく代表的な実績)。
  • ウィットリー・竹丸・マタ:NPBでの対阪神成績は事実上2026年分のみです(マタは未登板)。
直接対決で想定される中央ローテ
阪神巨人
1髙橋 遥人山﨑 伊織
2才木 浩人井上 温大
3村上 頌樹F.ウィットリー
4大竹 耕太郎竹丸 和幸
5E.ルーカス/伊藤 将司小笠原 慎之介
6・保険下村 海翔・伊原 陵人田中 将大・戸郷(終盤)

阪神は才木・髙橋・村上の3枚を直接対決へ寄せられるかが焦点です。才木は対巨人5先発で3勝0敗・防御率1.53と明確な好相性。村上も7/26の完封で今季2度目の巨人戦完封を記録しました。

ただし髙橋遥人は7月23日に登録抹消されており、疲労管理が前提です。3枚を狙った通りにぶつけられるかは、ローテの巡りと体調次第になります。

巨人は候補の数では上回ります。しかし全員が阪神に強いわけではありません。井上温大は防御率8.10、西舘勇陽は6.75。一方で小笠原1.29、ウィットリー2.38、戸郷0.00と好内容の投手もいる。「層の厚さ」と「相性」は分けて評価する必要があります。

16反対意見・別の見方

あえて逆から見ると

「係数を変えれば結論も変わるのでは」:その通りです。WAR 55%・得失点 30%・実勝率 15% という配分に理論的な裏付けはありません。実勝率の比重を上げれば、接戦を勝ち切ってきた巨人の評価が上がります。だからこそ「約2勝差」という数字より「レンジが重なる」という事実を重視すべきだと考えます。

「阪神の得失点差+52は運が悪いだけでは」:ピタゴラス勝率で見れば阪神.5758・巨人.5078なので、その解釈は成り立ちます。ただし逆に「巨人は接戦を勝ち切る力がある」とも読めます。どちらが正しいかを判定する材料は現時点でありません。

「直接対決10勝7敗を無視するのはおかしい」:17試合という標本と、東京ドーム7勝2敗/甲子園3勝5敗という真逆の結果を踏まえると、単純な相性補正は危険だと判断しました。ただし重要度が高いことは否定していません

「巨人は主力4人が戻れば一気に伸びる」:前半戦に稼いだWARは既に現在値へ含まれているため、単純な上乗せにはなりません。中央シナリオでの純増は約0.8です。ただし配置が正常化する効果はWARで完全には測れないため、実際にはもう少し大きい可能性はあります。

「髙橋遥人の55イニングは少なすぎる」:能力から言えばもっと投げられます。ただし初の開幕ローテで既に111.3イニングを消化し、7月23日に登録抹消されています。能力ではなく負荷の問題として抑えた配分です。高位シナリオでは60イニングを置いています。

17まとめ ── 最後は直接対決と健康状態

投手陣と後半戦予測を見てきました。

まとめ

投手WARの総量は巨人8.5、阪神6.8で巨人が上。ただし中身は違います。阪神は髙橋遥人(FIP-63)と才木浩人(SIERA-57)の上位2枚が突出し、巨人は井上・ウィットリー・竹丸・小笠原・山﨑と崩れにくい枚数を持っています。ブルペンは阪神がドリス・工藤で上位の形を作りつつ全体ではまだ赤字、巨人はマルティネス(gmLI2.7)を軸に人数がいるものの基礎指標に不安のある投手も混ざります。

故障者復帰は「巨人だけの伸びしろ」ではありません。本人分の残りWARは阪神2.08に対して巨人0.80。ただし巨人は主力級4人を欠いた状態で首位に並んでおり、戻れば配置が正常化します。特に吉川尚輝の復帰は、浦田を三塁へ・ダルベックを一塁へと動かし、3ポジションを同時に改善します。

残りWARから試算した最終勝数は中央で阪神79.6勝、巨人77.4勝。差は約2.2勝ですが、レンジ(阪神74.6〜83.2/巨人72.6〜81.6)は大きく重なります。係数は比較用の仮置きで、バックテストも行っていません。確定予言ではありません。

そして最後に残るのが残り8試合の直接対決です。1試合でゲーム差が1動く。阪神は才木・髙橋・村上の3枚をぶつけられるか、巨人は候補の中から誰を選ぶか。数字の上でも、ストーリーの上でも、簡単には決着しない後半戦になります。

18動画・前編へ

野手・チーム全体の比較から読みたい方は、前編もあわせてどうぞ。

免責: 本記事のWAR・FIP-・xFIP-・SIERA-・K-BB%・gmLIはNPB Basementの推計値であり、公式記録ではありません。後半戦の勝敗予測は、選手別の残り出場機会と予測WARを積み上げたシナリオ試算です。係数(WAR55%・得失点30%・実勝率15%)は比較用の仮置きで、過去年度でのバックテストは実施していません。優勝確率ではなく勝敗レンジの試算であり、阪神・巨人の二強比較に限定しています。投手WAR・イニング・順位・得失点は2026年7月26日終了時点、FIP-等の投球指標および役割別の内訳は2026年7月25日終了時点を基準としています。故障・復帰に関する記述は公開情報と報道に基づくもので、選手本人や球団から確認したものではありません。復帰時期は選手ごとに幅があります。特定の選手、監督、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。