阪神タイガース / セ・リーグ / 試合レビュー

阪神5-4DeNA|中野と森下がミスを自ら上書き 伏見3安打、大山逆転打で総力戦を制す

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

阪神
5 - 4
DeNA
2026年7月22日(水) | 阪神甲子園球場 | 藤浪晋太郎の甲子園登板、9連戦を6勝3敗で終え単独首位へ
伏見寅威
3打数3安打1打点
甲子園初のお立ち台
大山悠輔
満塁で逆転2点打
2ボールから迷わず一振り
中野拓夢・森下翔太
2つの守備の綻び
それぞれ次のプレーで取り返す
先に結論

この試合で最も重要だったのは、阪神がミスをしながらも、そのミスをチーム内で処理し、同じ選手が次のプレーで勝利へ貢献したことです。藤浪晋太郎には何度もランナーを出しながら序盤は一本が出ず、6回に大山悠輔の2点タイムリーで逆転しても、7回には中野拓夢の今季2つ目のエラーから同点に追いつかれました。8回には森下翔太にもエラーが記録されています。

それでも岩崎優が後続を抑え、近本光司がチャンスを作り、中野が送り、森下が返し、最後は中野が好守で締めました。勝ったからミスを忘れていいわけではありませんが、悪いことが起きたあとに立て直せるのは、長いシーズンを勝ち抜くうえで大きな強みです。阪神は5カード連続で勝ち越し、9連戦を6勝3敗で終え、巨人が敗れたことで1ゲーム差の単独首位に立ちました。

2026年7月22日、阪神甲子園球場で行われた阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズは、阪神が5対4で勝利しました。前日は延長11回のサヨナラ勝ちという激闘でしたが、この日はDeNA先発・藤浪晋太郎の甲子園登板という大きな話題の中、伏見寅威の3安打と大山悠輔の逆転タイムリー、髙橋遥人の粘投で勝ち越し、守備のミスを自ら上書きする総力戦となりました。

01試合概要 ── 5対4、単独首位浮上

阪神甲子園球場 / 観客数42,641人 / 試合時間3時間44分 / 両チーム安打10 / 阪神2失策・DeNA1失策 / 勝:岩崎優 / 敗:マルセリーノ / セーブ:ラファエル・ドリス

イニング別スコア
123456789
DeNA1000012004
阪神00100301x5

1回表にエンカーナシオンのタイムリーツーベースで先制されましたが、3回裏に伏見寅威が二死満塁からライト前タイムリーで同点。試合が動いたのは6回でした。表に牧秀悟のソロホームランで勝ち越された直後、裏に近本光司の同点タイムリーと大山悠輔の満塁2点タイムリーで4対2と逆転。しかし7回表に勝又温史のショートゴロと牧のタイムリーツーベースで4対4の同点に追いつかれ、8回裏に森下翔太の犠牲フライで5対4と勝ち越し、そのまま逃げ切りました。

阪神の継投は髙橋遥人-工藤泰成-岩崎優-ドリス。DeNAは藤浪晋太郎-松本凌人-岩田将貴-宮城滝太-マルセリーノと5投手をつなぎました。これで阪神は5カード連続の勝ち越し、9連戦を6勝3敗で終え、巨人が敗れたことで1ゲーム差の単独首位に浮上しています。

02藤浪晋太郎の甲子園登板を阪神は仕留め損ねた

試合の最大の話題は、DeNA先発・藤浪晋太郎の甲子園登板でした。阪神で長く投げた右腕が、DeNAのユニホームを着て古巣を相手に投げる一戦です。

藤浪晋太郎・投球成績
項目内容
投球回 / 球数4回2/3 / 95球
被安打 / 奪三振5 / 5
与四球 / 与死球 / 失点4 / 1 / 1

藤浪は初回、先頭の近本にライト前ヒットを許し、森下へフォアボール。一死一、二塁のチャンスを作られましたが、佐藤輝明と大山を連続空振り三振で切り抜けました。2回には髙寺と伏見の連打、髙橋の送りバント、近本のフォアボールで二死満塁を作られながら、中野を見逃し三振に仕留めています。何度もランナーを背負いながら、5回二死まで1失点で耐えました。

ただし、その投球内容には危うさもありました。森下への148キロが内角へ大きく抜け、球場がどよめく場面や、3回に大山の臀部付近へ変化球が当たるデッドボールもありました。

藤浪の評価は「好投」だけでも「自滅」だけでもない

5つの四死球を出し、球数も多く、完全復活を印象づける内容ではありません。一方で、阪神の主軸から三振を奪い、満塁のピンチも切り抜け、走者を出しながら1点しか失わなかった事実も無視できません。「藤浪に完全に抑え込まれた」という表現は正確ではなく、初回は一死一、二塁、2回は二死満塁、3回も二死満塁まで作りながら、伏見のタイムリー1本だけに終わったのが実情です。制球不安を抱えながら球威とカットボールで要所を切り抜けた藤浪と、それでも崩し切れなかった阪神打線。両方が事実です。

03髙橋遥人と藤浪、対照的な粘投

藤浪晋太郎と髙橋遥人の投球比較
項目藤浪晋太郎髙橋遥人
投球回4回2/36回
投球数95球101球
被安打5本8本
フォアボール40
デッドボール10
奪三振56
失点12
投球の特徴荒れながら球威で粘る打たれながら制球で粘る

髙橋遥人も初回から簡単ではありませんでした。先頭の勝又にヒットを許し、盗塁の判定がリクエストでセーフに覆る場面もありましたが、二死二塁からエンカーナシオンにタイムリーツーベースを打たれ先制を許しました。ここで崩れなかったことが重要でした。続く宮﨑との長い打席を制し、サードゴロで初回を1点に抑えています。

被安打8という数字だけを見れば圧倒した投球ではありませんが、フォアボールを出さず、ランナーを背負った場面で自分から塁を埋めることがありませんでした。6回にはエンカーナシオンをショートゴロのダブルプレーに取り、牧のホームランによる1点だけで止めています。藤浪は四死球を出しながら球威と三振で耐え、髙橋はヒットを打たれながら制球とダブルプレーで耐える。両投手とも簡単ではなかったものの、その中身は対照的でした。前日の延長11回でリリーフを多く投入していた中、髙橋が6回まで投げ切った価値は2失点という数字以上に大きいものです。

04伏見寅威が止めた「あと一本が出ない」空気

序盤の阪神打線には、あと一本が出ませんでした。初回の一死一、二塁は佐藤と大山が連続三振、2回の二死満塁では中野が見逃し三振。藤浪から走者を出せているだけに、得点できないもどかしさが強い展開でした。

伏見寅威・打撃成績
打数安打打点
331

その空気を変えたのが伏見寅威でした。2回にライト前ヒット、3回には藤浪の152キロのストレートをライトへ運び同点タイムリー。大振りして長打を狙うのではなく、速球に振り遅れず逆方向へ運ぶ打撃で、チャンスで上位打線が止まる中、必要な一本を打ちました。6回にも先頭でショートへの内野安打を放ち、このヒットがその後の3得点につながっています。

打撃だけではありません。勝又の盗塁を刺し、髙橋を6回2失点へ導きました。今季からトレードで加入したベテラン捕手が、攻守で試合を支えた一戦でした。髙寺望夢も前日のサヨナラ打に続き、この日は4打数2安打。若手が一試合の活躍だけで終わらず、翌日にも複数安打を記録したことには大きな意味があります。

056回裏の逆転劇 佐藤輝明の課題と大山悠輔の決断

1対2と勝ち越された直後の6回裏、先頭の伏見が3本目のヒットで出塁。阪神ベンチは代走・福島圭音を送り、髙橋の打順には代打・坂本誠志郎を送って送りバントを決めさせました。近本が岩田のスライダーをセンター前へ運び、福島が生還して2対2の同点。伏見が出て、福島が走り、坂本が送り、近本が返す。選手の役割がきれいにつながった得点でした。

さらに中野がヒットで続き、森下のセカンドゴロが牧のエラーを誘って満塁。ここで佐藤輝明に打席が回りましたが、150キロを超えるストレートを前へ飛ばせず、最後は外へ逃げるスライダーに空振り三振。5打数ノーヒット、三振3つに終わりました。

佐藤輝明の課題

単に結果が出なかっただけでなく、甘い球を一球で仕留められず、追い込まれてから決め球を振らされる打席が目立ちました。一試合の結果だけで状態を断定する必要はありませんが、チームが勝ったから消していい課題ではありません。

佐藤が三振し、二死満塁で回ってきたのが大山悠輔でした。2ボールとなったところで、大山はストライクを取りに来る球へ狙いを定め、3球目の152キロ台のストレートをセンター前へ。走者2人がかえり、阪神が4対2と逆転しました。佐藤が倒れた直後であること、追い込まれるまで待たなかったこと、投手がカウントを整えに来る球を読んでしっかりスイングをかけたこと。この打席の価値は、満塁で打ったことだけではありません。

06中野拓夢と森下翔太、ミスを自ら上書きした終盤

4対2と逆転した直後の7回表、セカンドの中野が捕球後にダブルプレーを狙って二塁へバックトスしましたが、この送球が逸れました。捕球ミスではなく、送球ミス。中野にとって今季2つ目のエラーです。林の送りバントと勝又のショートゴロで1点差に迫られ、なお二死二塁で迎えた牧秀悟が、工藤の甘く入ったカットボールをレフト線へ運びタイムリーツーベース。DeNAが4対4の同点に追いつきました。

8回表には岩崎が登板。二死となったあと、セカンド後方からライト前へ落ちそうなフライを中野と森下がともに追い、最後は森下のグラブに当たりながら落ちました。記録は森下のエラー。完全に両者が止まる「お見合い」ではなく、両者とも追ったうえで生じたミスでした。それでも岩崎は動じず、続く蝦名をレフトフライに抑えて無失点で切り抜けています。

中野拓夢

7回:二塁へのバックトスが悪送球(今季2つ目のエラー)
8回裏:送りバントを確実に決める
9回二死:横っ飛びの好守で試合終了

森下翔太

8回表:ライトフライを落球(記録はエラー)
8回裏:決勝の犠牲フライで近本を還す

8回裏、先頭の近本がライト線へツーベース。中野がピッチャー前へ送りバントを決め一死三塁とし、森下がライトへ犠牲フライ。近本が生還し、阪神が5対4と勝ち越しました。近本が出る、中野が送る、森下が返す。ミスをした2人が、自分たちの役割を果たして勝ち越し点を完成させました。そして9回二死、センターへ抜けそうな勝又の打球を中野が横っ飛びでつかみ、一塁へ送球してゲームセット。7回の悪送球、8回裏の送りバント、9回二死の好守。エラーが消えるわけではありませんが、その日のうちに次のプレーで取り返し、最後には自分の守備で勝利を確定させました。

07石井大智のライブBPとデルミス・ガルシア加入

試合前、阪神ファンに明るいニュースが届きました。左アキレス腱断裂から復帰を目指す石井大智が、負傷後初めて打者を相手にしたライブBPを実施。打者4人に対し変化球を交えながら24球を投げ、安打性の打球は2本でした。重要なのは安打性が何本だったかではなく、打者が立つ環境で投球動作を完結できたこと自体です。もちろん、これだけで一軍復帰が目前と断定はできませんが、後半戦の内部補強として期待できる材料です。

また、阪神は前日21日に新外国人のデルミス・ガルシア外野手を獲得しました。四国アイランドリーグplusの高知から加入した28歳・右打者で、マイナー通算132本塁打の長打力が期待されています。契約発表の翌日にはファーム遠征へ合流し、DeNAとのファーム交流戦に3番・レフトで先発しました。独立リーグからNPB一軍への適応には球速・変化球・配球・守備など複数の壁があり、現時点では「後半戦の選択肢を一つ増やした」という評価が妥当です。前川右京ら故障者が出ている外野で右の長打力を加えられる可能性はありますが、まずはファームでの打席内容を見る必要があります。

08藤川球児監督のコメントから見えるもの

藤川監督は、今日の試合を「総力戦」と表現しました。前日の延長戦でリリーフ陣は多く登板し、野手にも疲れがある中、選手だけでなくファンの応援も含めて全員で1勝を取り切ったという評価です。伏見、福島、坂本、近本、大山、中野、森下、工藤、岩崎、ドリスと、多くの選手が異なる役割を果たしました。

監督が強調したのは、ミスをしても次のプレーへ進むことでした。中野は悪送球のあと送りバントを決め最後にファインプレー。森下は落球のあと決勝の犠牲フライ。「ミスをなかったことにはできないが、引きずって次のプレーまで失敗する必要もない」という言葉と、試合内容はきれいに一致していました。

また、6回裏に伏見が出塁した場面で代走・坂本の送りバントを選んだ采配は「髙橋の勝ち運にかけた」という趣旨で振り返り、オールスター前最後の登板となった髙橋への感謝も述べています。藤浪については、DeNAのユニホームで甲子園に立った事実を喜ぶ言葉も残しました。攻略しなければならない相手であると同時に、古巣で長く投げた選手への温かさもにじむコメントでした。

09この勝利をどう評価するか

強い勝ち方と見る理由・危うい勝ち方と見る理由

強い勝ち方:上位打線だけでなく伏見と髙寺が下位から攻撃を作った。先発の髙橋が調子の良くない中でも6回2失点で耐えた。佐藤が打てない日に大山が満塁で決めた。守備のミスを岩崎が抑え、野手本人が次の攻撃で取り返した。近本が先頭打者として複数回、得点の形を作った。リリーフの疲労がある中で1点差を勝ち切り、9連戦を6勝3敗で終え単独首位へ浮上した。

危うい勝ち方:藤浪から序盤に何度もチャンスを作りながら、攻略に時間がかかった。佐藤が5打数ノーヒット、3三振。7回と8回に連続して守備のミスが出た。2点のリードを直後に追いつかれた。工藤は160キロ級の速球を投げながら牧に対応された。DeNAに10安打を許し、最後まで一打同点の展開だった。

どちらの見方も間違いではありません。課題の多い試合でしたが、課題が出た試合を落とさず、選手自身が修正して勝ったことに価値があります。「勝ったから問題なし」でも「ミスが多いから内容が悪い」だけでもなく、悪い日を勝利へ変える力も優勝争いには必要になります。

10オールスター前、甲子園での巨人3連戦

阪神は休養日を挟み、7月24日から26日まで甲子園で巨人との3連戦を戦います。巨人が22日に敗れたため、阪神は1ゲーム差の単独首位へ浮上しました。オールスター前最後の直接対決であり、ここで勝ち越せば首位で前半戦を終える可能性が高まります。

  • 選手の疲労。近本が「暑くてばててきた」と語ったように疲労は現実の問題。9連戦を6勝3敗で終えたとはいえ、前日は延長11回、この試合も3時間44分を戦っており、休養日でどこまで回復できるかが注目される。
  • 佐藤輝明の修正。5打数ノーヒット、3三振。速球を仕留め切れず変化球で三振する形が続いており、巨人戦で甘い球を一球で捉えられるかが見どころ。
  • 中野と森下の守備連係。バックトス悪送球とフライ処理は別のミスだが、外野と内野の間に落ちる打球で誰が優先するのか、どの時点で声を出すのかの再確認が必要。
  • 石井大智の次の段階。ライブBP後、シート打撃かファーム試合か。投球内容だけでなく登板翌日の患部の状態、フィールディング、連投への対応が重要になる。
  • デルミス・ガルシアの適応。速いストレートへの対応、落ちる変化球の見極め、外角球を右方向へ運べるか、レフト守備の安定を、まずはファームでの打席内容で確認したい。

11まとめ ── 全員の役割をつないで取った1勝

阪神はDeNAに5対4で勝利しました。藤浪晋太郎から何度もチャンスを作りながら序盤は仕留め切れず、髙橋遥人も初回から苦労し8安打を許しましたが、フォアボールを出さず6回2失点で耐えました。打線では伏見寅威が3安打、6回には近本光司の同点タイムリーと大山悠輔の満塁逆転打で試合を動かしています。

まとめ

一方、7回には中野拓夢のバックトスが悪送球となり、8回には森下翔太にもエラーが記録され、守備のミスで一度は追いつかれました。それでも岩崎優が後続を抑え、8回裏には近本がツーベース、中野が送りバントを決め、森下が決勝の犠牲フライ。最後は中野の横っ飛びでゲームセットとなりました。ミスをしなかった試合ではなく、ミスをしたあと同じ選手が次のプレーで取り返した試合でした。藤川球児監督が「総力戦」と振り返ったように、誰か一人の力だけではなく、先発・リリーフ・代走・送りバント・タイムリー・犠牲フライ・最後の守備まで、全員の役割をつないで取った1勝です。阪神は5カード連続の勝ち越し、9連戦を6勝3敗で終え単独首位へ浮上。石井大智は復帰へ一歩前進し、デルミス・ガルシアという新しい選択肢も加わりました。明日の休養日を挟み、オールスター前は甲子園で巨人との3連戦が待っています。

12動画でも詳しく話しています

藤浪晋太郎の甲子園登板、伏見寅威の3安打、大山悠輔の逆転打、中野拓夢と森下翔太がミスを取り返した終盤まで、2人の掛け合いによるラジオ形式で詳しく振り返っています。

免責: 本記事は、NPB公式記録、球団発表、公開されている報道、試合中継、ヒーローインタビューなどをもとに、試合内容を独自に整理・考察したものです。選手の状態、配球、守備範囲、連係、采配などに関する記述には、映像や公開情報からの分析・見解を含みます。未確認の情報を事実として断定する意図はありません。選手、監督、球団、審判、関係者を誹謗中傷する意図はありません。公式記録や球団発表が更新された場合、内容を修正することがあります。