阪神5-2中日|髙橋遥人11勝目、佐藤輝明2発4打点、近本が好捕
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
阪神は9連戦の初戦を理想に近い形で取りました。初回に森下翔太と佐藤輝明が二者連続本塁打、1点差で迎えた8回には佐藤がこの日2本目となる20号3ランをバックスクリーンへ運びました。先発の髙橋遥人は、同日に一軍登録された伏見寅威とのバッテリーで8回105球、7安打2失点、9奪三振、無四球。リーグトップの11勝目を挙げています。派手な3本塁打の陰では、近本光司の背走キャッチが1点差を守りました。阪神の5得点はすべて3本のホームランから生まれた一方、得点圏では6打数1安打、森下のライト守備、ドリスの2四球には改善余地が残りました。それでも、使用投手はわずか2人。9連戦の初戦としては、単純な1勝以上の価値がある試合でした。
阪神が中日に5-2で勝利し、3連勝としました。9連戦の初戦を、髙橋とドリスの2投手だけで乗り切っています。このカードは今季14試合目で、試合前の対戦成績は阪神10勝3敗。この勝利で11勝3敗となりました。前の試合は 阪神3-0ヤクルト|工藤泰成プロ初勝利、佐藤輝明・大山悠輔が連続本塁打 をどうぞ。
01森下と佐藤の二者連続弾で始まった
| 回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 5 | 10 | 0 |
| 中日 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 7 | 0 |
バンテリンドーム / セ・リーグ公式戦14回戦 / 勝:髙橋遥人(11勝1敗) / 敗:マラー(2勝6敗) / S:ドリス(14セーブ)
1回表、近本はセンターフライ、中野はライトフライで二死走者なし。ここから森下が1ボールから右中間へ23号ソロを放ち先制すると、続く佐藤も0ボール1ストライクからライトスタンド中段へ19号ソロ。二死走者なしからの二者連続本塁打で2-0としました。大山もレフト前ヒットで続きましたが、前川がライトフライで攻撃終了。中日先発のマラーはこの立ち上がりで崩れたわけではなく、2回から7回までは阪神を無得点に抑え、2-1の試合を維持しています。初回に崩れたままではなく試合を立て直した点は、相手側の投球としても評価すべき内容でした。
02髙橋遥人と伏見寅威、登録即先発のバッテリー
7月13日に及川雅貴・木浪聖也・岡城快生が登録抹消され、7月14日にセベリーノ・伏見寅威・小幡竜平が一軍登録されました。伏見は登録当日に「7番・キャッチャー」で先発し、髙橋とバッテリーを組んでいます。小幡とセベリーノはベンチスタートでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投球回 / 球数 / 打者 | 8回 / 105球 / 31人 |
| 被安打 / 被本塁打 | 7 / 1 |
| 奪三振 / 与四球 | 9 / 0 |
| 失点 / 自責点 | 2 / 2 |
| WHIP / 9換算奪三振率 / 9換算与四球率 | 0.875 / 10.13 / 0.00 |
3回まで9人でパーフェクト、5奪三振。3回は福永・加藤・マラーを三者連続三振に仕留めています。4回二死から村松にソロ、サノーに単打を許しましたが石川昂をショートゴロ。5回は福永に単打を許すも無失点、6回は村松に単打を許しましたが近本の好守もあり無失点。7回は三者凡退で2奪三振。8回は三塁打・犠牲フライ・2本の単打でピンチを迎えましたが、最後はサノーを三振に取り8回を投げ切りました。
| 球種 | 球数 | 割合 |
|---|---|---|
| フォーシーム | 41球 | 40.2% |
| ツーシーム | 31球 | 30.4% |
| スライダー | 16球 | 15.7% |
| カットボール | 10球 | 9.8% |
| カーブ | 3球 | 2.9% |
| チェンジアップ | 1球 | 1.0% |
球種が分類された合計は102球で、公式投球数105球とは3球の差があります。
フォーシームとツーシームの合計72球は、分類102球の70.6%。伏見とのバッテリーは、髙橋の強みである速球系を土台にし、スライダーとカットボール計26球で横方向の変化も使いました。
| 回 | 最速 | 平均 | 球数 |
|---|---|---|---|
| 1回 | 149.3km/h | 144.9km/h | 15 |
| 2回 | 149.8km/h | 143.8km/h | 9 |
| 3回 | 149.0km/h | 145.8km/h | 15 |
| 4回 | 147.9km/h | 144.5km/h | 16 |
| 5回 | 148.1km/h | 145.8km/h | 7 |
| 6回 | 148.7km/h | 144.9km/h | 7 |
| 7回 | 150.2km/h | 144.7km/h | 15 |
| 8回 | 148.5km/h | 145.0km/h | 18 |
7回にこの日最速の150.2km/hを記録し、8回もストレート系平均145.0km/hと極端な球速低下は見られませんでした。前回7月7日の巨人戦は6回2/3・4失点。今回は中6日で修正しており、「久々の登板」ではなく「久々に、これぞハルトという内容」と表現するのが正確です。
8回、最後のピンチでサノーを三振に取ったツーシームは、髙橋自身が選んだ球でした。本人は、その判断についてもまだ成長できる部分があると振り返っています。結果として三振を奪った一球でも「抑えたから正解」で終わらせない――ピンチで何を選ぶかという判断まで検証している点に、エースとしての成長意識が出ています。伏見のリードだけに任せたのではなく、自分で球種を選択した点も、バッテリーの共同作業として重要な要素です。
伏見は4打数無安打、1三振で試合後打率.185と、打撃では厳しい結果でした。一方、守備面では速球系を約7割使い髙橋の持ち味を前面に出し、登録即先発で8回を作ったことで捕手起用の選択肢を増やしました。この試合だけで「髙橋の新しい専属捕手」「今後も固定」と断定するのは早く、「登録即先発で結果を出した」「起用の幅が広がる材料」と見るのが妥当です。9連戦では坂本、梅野、伏見らをどう使い分けるかが重要になります。
03近本が1点差を守った背走キャッチ
6回裏、一死走者なし。スコアは阪神2-1中日。細川の打球がセンター後方へ伸び、近本が背走し、ぎりぎりで追いついてキャッチしました。抜けていれば長打となり、同点走者が二塁または三塁へ進む可能性がありました。直後に村松がライト前ヒットを放っているため、近本の捕球がなければ失点につながった可能性はさらに高かったと言えます。ただし、公式の得点期待値や守備指標による「何点を防いだ」という数値はないため、断定的に「1点を防いだ」とは書けません。「1点差を守る価値の高いアウト」「抜ければ同点の危険があった」という表現が正確です。3本塁打だけでなく、守備の一瞬が勝利を支えた試合でした。
04佐藤輝明の20号3ラン、強い打球を作り続けた
8回表、近本が空振り三振、中野がセカンドへの内野安打、森下が四球を選び一死一、二塁。佐藤がフルカウントからバックスクリーンへ20号3ランを放ち、スコアは2-1から5-1へ広がりました。マラーはここで降板しています。
| 打席 | 結果 | 打球速度 | 飛距離 | 角度 |
|---|---|---|---|---|
| 第1打席 | 19号ソロ | 179.3km/h | 130.4m | 29度 |
| 第2打席 | レフトへの強い飛球 | 176.7km/h | 90.8m | 13度 |
| 第3打席 | 空振り三振 | — | — | — |
| 第4打席 | 20号3ラン | 168.7km/h | 128.9m | 31度 |
| 第5打席 | ファーストゴロ | 150.2km/h | 4.9m | -6度 |
計測画面ではインプレー4打球の平均打球速度168.7km/h、2本の本塁打の平均打球速度174.0km/h・平均飛距離約129.7m。佐藤の第2打席は提供画面で「左直」、スポーツナビでは「左飛」と表記されています。
佐藤は5打数2安打、4打点、阪神の5得点のうち4打点を記録。本塁打以外の打球にも176.7km/hがあり、2安打という結果以上に強い打球を継続して作りました。一方、6回無死一、二塁では三振、9回二死満塁ではファーストゴロ。大きな仕事をした一方で、さらに得点を増やせる打席も残りました。
05森下は4出塁、ただしライト守備は次への課題
森下は3打数2安打、2四球、1打点。5打席で4度出塁しました。初回の先制23号は打球速度166.7km/h・飛距離119.5m・角度35度。6回のセンター前ヒットは打球速度175.3km/h。8回は四球で佐藤の3ランにつなぎ、9回も四球で満塁を作っています。打撃面の貢献は非常に大きい試合でした。
一方、8回表の裏、先頭の代打・辻本がライト線へ打球。フェア判定に対して阪神がリクエストしましたが判定は変わらず、公式記録はライトへの三塁打。森下に失策は付いていません。直後の犠牲フライで辻本が生還しています。記録上エラーではないため「森下のエラー」とは言えず、映像だけで捕球可能だったと断定することもできません。ただし、捕れない場合でも三塁打にしないための追い方・処理・クッションへの入り方は振り返る余地があります。「失策が付かなかったから守備に問題がない」とも言い切れません。先制弾と4出塁で勝利に大きく貢献しただけに、ライト守備で余分な塁を与えないところまで高めれば、攻守でさらに大きな存在になれるでしょう。
065得点でも、得点圏は1安打
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 打率 | .270(10安打/37打数) |
| 出塁率 | .325 |
| 長打率 | .514 |
| OPS | .839 |
| 塁打内訳 | 単打7・二塁打0・三塁打0・本塁打3(計19塁打) |
5得点はすべて3本のホームランによるものです。森下のソロで1点、佐藤のソロで1点、佐藤の3ランで3点。単打7本と四球3個からは、ホームラン以外の得点は生まれませんでした。
| 区分 | 打数 | 安打 | 打率 |
|---|---|---|---|
| 得点圏(チーム) | 6 | 1 | .167 |
| 1〜6番 | 25 | 9 | .360 |
| 7番以降・代打 | 12 | 1 | .083 |
唯一の得点圏安打は佐藤の3ラン。6回無死一、二塁は3者凡退、9回は一死一、二塁から二死満塁まで作りながら無得点でした(チーム残塁8)。1〜6番はOPS1.149、出塁率.429、長打率.720と圧倒的な一方、7番以降と代打はOPS.222・四球0。特に森下と佐藤の2人だけで10打席8打数4安打・2四球・3本塁打・5打点・4得点、出塁率.600・長打率1.625・OPS2.225を記録しており、阪神の全5打点が3番・4番の2人に付き、2人の3本塁打で全5得点を生み出しました。「10安打5得点」は十分な数字ですが、5点すべてが本塁打。長打力で勝ち切ったことは強みである一方、ホームランが出ない試合でも点を取れる形を増やすことが次の課題です。
07ドリス14セーブ、結果と2四球を分けて見る
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投球回 / 球数 / 打者 | 1回 / 21球 / 5人 |
| 被安打 / 奪三振 / 与四球 | 0 / 2 / 2 |
| 失点 | 0(14セーブ目) |
石川昂に四球、ボスラーを空振り三振、代打・高橋周平にも四球を与え一死一、二塁。代打・板山を見逃し三振、石伊をサードゴロに打ち取り試合終了。球種はスライダー11球(52.4%)、ツーシーム9球(42.9%)、スプリッター1球で、ストレート系最速154.8km/h・平均151.9km/h。無安打、2奪三振、無失点と球威は十分でしたが、先頭打者を含む2四球で一死一、二塁を招き21球を要しました。接戦の抑えとして無用の走者を2人出した点は課題であり、結果を評価しつつ内容を全面的に肯定しないバランスが必要です。
08マラーと中日打線側の整理
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投球回 / 球数 / 打者 | 7回1/3 / 120球 / 31人 |
| 被安打 / 被本塁打 | 7 / 3 |
| 奪三振 / 与四球 | 7 / 2 |
| 失点 / 自責点 | 5 / 5 |
球種が分類された112球(フォーシーム41球36.6%、カットボール18球16.1%、スライダー17球15.2%、ツーシーム14球12.5%、ナックルカーブ14球12.5%、チェンジアップ8球7.1%)。公式投球数120球とは8球の差があります。1回のストレート系平均150.0km/hに対し、8回は147.3km/hまで低下。120球の疲労が影響した可能性はありますが、佐藤の3ランはフルカウントから甘く入った球を仕留めたことが中心です。
中日は33打数7安打、2得点、11三振、2四球、1本塁打。2四球はいずれも9回のドリスからで、髙橋からは四球を得られませんでした。村松が4打数3安打・1本塁打・1打点で中日打線で最も髙橋を捉え、4回に5号ソロで1点差に迫りました。8回は代打・辻本の三塁打から代打・石伊の犠牲フライで1点。連打による大量点ではなく、ソロ本塁打と三塁打を起点にした2点でした。細川は6回の大飛球を近本に好捕され、サノーは8回最後のピンチで髙橋に三振を奪われています。
099連戦初戦で得た「1勝と余力」
結果だけでなく、投手運用にも価値がありました。髙橋が8回まで投げ、9回はドリス。使用投手はわずか2人です。この日のベンチ入り投手は岩崎優・門別啓人・工藤泰成・木下里都・石黒佑弥・津田淳哉・セベリーノ・ドリスの8人で、ドリス以外の7人を使わずに済みました。連戦では前日の投球数、肩を作った回数、連投状況が翌日の采配に影響します。初戦で大半のリリーフを温存できたことは、単純な1勝以上の意味を持ちます。ただし、「9連戦を勝ち抜けることが確定した」「今後の継投がすべて楽になる」とまでは言えず、初戦で有利な状態を作った、という表現にとどめるべきです。
10反対意見・別視点
「3本塁打で勝っただけの試合」── 得点はすべて本塁打によるものですが、近本の6回の好捕がなければ同点・逆転の危険があり、髙橋の8回2失点も相手打線を封じ続けた結果です。打撃だけで説明できる勝利ではありません。
「森下の守備は失策ではないので問題ない」── 記録上エラーではない点は事実ですが、三塁打にしないための追い方や処理は今後の検討材料として残ります。「失策なし=守備に課題なし」とは言い切れません。
「ドリスは無失点だから完璧だった」── 無安打無失点は事実ですが、先頭打者を含む2四球で走者を2人出しており、接戦の終盤としては制球面の課題が残ります。
「伏見はこれで髙橋の専属捕手に固定される」── 登録即先発で結果を出したのは事実ですが、1試合だけで固定を断定するのは早計です。9連戦では坂本・梅野・伏見の使い分けが焦点になります。
11今後の注目点
- 得点圏の課題。6打数1安打だった得点圏打率を、ホームランが出ない試合でどう改善するか。
- 森下のライト守備。打撃4出塁の一方、余分な塁を与えない処理をどこまで高められるか。
- ドリスの制球。接戦の終盤で四球を減らせるか。
- 伏見の起用。坂本・梅野との使い分けの中で、次回以降どの投手とバッテリーを組むか。
- 9連戦の継投。温存できた7投手を、残る8試合でどう配分するか。
- 髙橋の再現性。中6日で修正した内容を、次回登板でも維持できるか。
12まとめ ── 3本塁打だけでなく、守備の一瞬と8イニングまで含めた勝利
阪神は森下と佐藤の3本塁打で5点を奪い、髙橋と伏見のバッテリーが8回を支えました。近本の背走キャッチは、2-1の1点差を守る大きなアウトでした。勝利の形は鮮明だった一方、得点圏では6打数1安打。森下のライト守備、ドリスの2四球も次戦への確認材料になります。
それでも、9連戦の初戦を2投手だけで勝ち、リリーフ陣に余力を残した価値は大きいものでした。派手な3本塁打だけでなく、守備の一瞬と先発の8イニングまで含めて評価したい勝利です。3連勝で迎える9連戦の2戦目以降、この日温存した戦力をどう生かすかが次の焦点になります。
13動画でも詳しく話しています
髙橋と伏見の配球、佐藤と森下の打球データ、近本のファインプレーについては、動画でも詳しく解説しています。