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雨中の甲子園で阪神快勝!佐藤輝明が猛打賞、前川右京2戦連発、村上頌樹が試合を作った広島戦

阪神
6 - 4
広島
2026年7月5日(日) | 甲子園 | 雨中の一戦・前日雨天中止でスライド登板
佐藤輝明
猛打賞
4打数3安打・実質スリーラン
前川右京
2戦連発
3号ソロ・4打数2安打2打点
村上頌樹
6回1失点
102球4奪三振1四球
先に結論

阪神6-4広島は、単なる打ち勝ちではありません。前日雨天中止による村上頌樹と床田寛樹のスライド登板、試合中の雨、初回の先制点、4回の一死満塁、終盤3イニング連続失点。阪神にとって嫌な要素はいくつもありましたが、それでも阪神は崩れませんでした。村上が6回1失点で試合を作り、中野拓夢と坂本誠志郎が4回のピンチを守備で救い、佐藤輝明が5回に試合を動かし、前川右京が2試合連続ホームランで突き放す。さらに追い上げられたあと、高寺望夢が8回に追加点を奪いました。課題もあります。リリーフ陣は7回・8回・9回と1点ずつ失い、9回には小野寺暖の失策もありました。ただし、工藤泰成・岩崎優・ドリスはいずれも四球を出していません。雨の試合で四球から崩れなかったことは大きく、坂本の盗塁阻止と高寺の追加点で広島の追い上げムードを断ち切りました。本質は、悪条件の中で阪神が試合を壊さず、守備と打線で勝ち切ったことです。

2026年7月5日の阪神対広島は、阪神が6-4で勝利しました。スコアだけ見れば2点差ですが、内容はかなり濃い試合でした。前日の雨天中止を受けて、阪神の村上頌樹、広島の床田寛樹はいずれもスライド登板。さらに試合中も雨が強まり、投手も野手も難しいコンディションになりました。前の試合は 大竹3回KOで阪神完敗の広島戦 をどうぞ。

01雨中の甲子園、まず入りが難しかった

試合結果サマリー
チーム得点安打失策
広島4112
阪神6132
スコア推移
場面スコア
1回表広島が先制0-1
2回裏佐藤・大山が出塁し、前川の同点タイムリー内野安打1-1
5回裏中野・森下が続き、佐藤の一打が野間の後逸を誘い3点、直後に前川3号ソロ5-1
7〜9回表広島が1回ずつ返す5-4(8回終了時点5-3)
8回裏福島・熊谷がつなぎ、高寺望夢が追加点となる適時打6-3

この試合を振り返るうえで、最初に押さえるべきなのは天候です。前日の雨で試合が中止となり、阪神の村上頌樹、広島の床田寛樹はともにスライド登板になりました。スライド登板は、見る側が思っている以上に難しいものです。先発投手は、登板日に合わせて肩の状態、睡眠、食事、気持ちの入り方、ブルペンでの準備を整えますが、それが雨で一日ずれる。さらにこの日は、試合中にも雨が強まりました。投手はボールの滑り、マウンドの踏み込み、変化球の抜けを気にしなければならず、野手も濡れた芝で打球がどう転がるか、送球でボールが滑らないかを普段より難しく判断する必要がありました。悪条件に耐えられるか、ミスが出たあとに止められるか、ピンチで試合を壊さずに済むか。そこが勝負でした。

02村上頌樹は完璧ではなかった。でも試合を壊さなかった

投手球数被安打奪三振与四球失点
村上頌樹61025411

村上頌樹は6回102球、5安打1失点。奪三振は4つ、四球は1つでした。数字だけ見れば、先発として十分な内容です。しかしこの試合の村上を評価するなら、「6回1失点で好投」だけでは少し足りません。村上は初回に先制を許しました。さらに4回には、自身のエラーも絡んで一死満塁の大ピンチを作ります。雨で手元も足元も難しく、いつものようにすべてが気持ちよく決まる試合ではありませんでした。それでも崩れませんでした

この日の村上は、力で圧倒したというより、悪条件の中でゲームを作りました。フォーシームだけで押すのではなく、チェンジアップ、ツーシーム、カットボール、カーブ、スライダーを使い、広島打線に的を絞らせませんでした。良い投手は、調子が良い日に勝つだけではありません。悪い条件の日でも、勝てる形に持っていきます。村上の投球術、試合を作る能力はやはりずば抜けています。

データ補足

藤川球児監督の言葉に重ねるなら、まさに「凡事徹底」です。反省点がある中でも、やるべきことをやる。試合を壊さない。チームが勝てるところまで持っていく。派手な完封ではありません。しかし、こういう投球こそチームにとって大きな価値があります。

034回表、中野拓夢と坂本誠志郎が守りで攻めた

この試合の裏の最大分岐点は4回表です。スコアは1-1。雨が強く、村上も苦しい。そこで村上自身のエラーも絡み、一死満塁になりました。広島としては、ここで勝ち越したい場面です。打者は床田。投手とはいえ、転がせば何かが起きる状況でした。雨の試合では、こういう場面が一番怖いです。強い打球でなくてもいい。内野がはじく。送球がそれる。足元が滑る。ボールが手につかない。一つの乱れで、試合の流れは一気に変わります。

この場面の見どころ

しかし、ここで中野でした。床田の打球を中野が処理し、前進守備から迷わず本塁へ送球。坂本が受けて一塁へ転送し、ダブルプレーを完成させました。これは、ただ守ったプレーではありません。守りで攻めたプレーです。無難に一塁でアウトを取るのではなく、勝ち越し点を絶対に許さない。ホームで止める。さらにダブルプレーまで取り切る。藤川監督が語った「主体的に、守りで攻める」という姿が、この中野のプレーに出ていました。

そして坂本の存在も大きいです。雨の中で捕って、すぐ一塁へ転送する。簡単そうに見えて、かなり難しいプレーです。村上が苦しい、自分のエラーもある、そこでチームメイトが助ける、助けてもらった村上がまた踏ん張る。この循環が良かった試合でした。

04佐藤輝明が猛打賞。記録以上に大きかった5回の一打

この試合の表の主役は佐藤輝明です。佐藤は4打数3安打の猛打賞。最初のヒットは、ややポテン気味でした。完璧に捉えた一本ではありません。しかし、こういう一本が打者を変えることがあります。さらに次の打席では、打球速度177キロ台の強烈な三直。結果はアウトでしたが、内容はかなり良い打席でした。

そして5回裏です。中野がライト前、森下翔太がレフト前で続き、一死一、二塁。ここで佐藤がライト前へ打球速度171キロ台の強烈な打球を放ちました。野間峻祥が前に突っ込んできましたが、収めきれず後逸。さらに送球も乱れ、走者2人だけでなく佐藤本人まで生還し、一気に3点が入りました。

データ補足

記録上は、佐藤のヒットと野間のエラーです。佐藤に打点はつきません。しかし、試合のインパクトとしては、これは実質スリーランホームランです。ホームランではないのに、一振りで3点が入った。1-1の試合が、一気に4-1になった。佐藤の打球が強かったから、判断が難しくなりました。弱い打球なら、普通に処理されて終わりです。しかし171キロ台の打球が飛んできたことで、前に出るか待つか、その一瞬の判断を難しくしました。佐藤の打球が守備を壊した、そう言っていい場面でした。

05前川右京が2試合連続ホームラン。レフト問題に光

佐藤の一打で4-1になった直後、さらに大きな一発が出ました。前川右京です。5回裏、前川がライトへ3号ソロ。これで5-1。しかも前川は2試合連続ホームランです。前川は2回にも同点タイムリー内野安打を放っています。つまり、この試合は4打数2安打2打点。佐藤と並んで主役級の働きでした。

この5点目は、あとから価値が増した一発です。その時点では4-1が5-1になった追加点に見えたかもしれませんが、終盤、広島は7回、8回、9回と1点ずつ返してきました。もし前川のホームランがなければ、試合の空気はかなり違っていたはずです。4-1と5-1は、まったく違います。4-1なら、2点返されると一気に怖い。5-1なら、まだ余裕がある。

そして、阪神にとって大きいのはレフト問題です。阪神のレフトは、誰が固定されるのか、打てるのか、守備はどうするのかとずっと論点があります。その中で、前川がこのまま打ってくれるなら、かなり大きな答えが見えてきます。前川がこのまま打つことは、佐藤の復調と同じくらい阪神打線にとって重要です。

0613安打の中身はかなり良かった

阪神打線は13安打で6点を取りました。数字だけなら、もう少し点が取れてもいいという見方もできますが、この13安打の中身はかなり良かったです。2回は、佐藤が出て、大山悠輔が続き、前川が返しました。初回に先制された嫌な空気を、すぐに戻した攻撃です。5回は、中野が出て、森下が続き、佐藤が試合を動かし、前川が突き放しました。ここが試合を決めたイニングです。

さらに8回です。広島に7回、8回と1点ずつ返され、5-3。嫌な空気が出てきたところで、阪神はもう一度追加点を取りました。福島圭音がピッチャーへの内野安打で出塁。坂本は送りたい場面でキャッチャーファウルフライとなり、ここは送れませんでした(反省点です)。ただ、熊谷敬宥がレフト前でつなぎ、高寺望夢がライト前タイムリー。これで6-3。この1点が本当に大きかったです。最終的に9回に1点返されて6-4になっているので、高寺の追加点がなければ、かなり嫌な終わり方になっていました。

07終盤3イニング連続失点は課題。ただし四球で崩れていない

投手被安打奪三振与四球失点
工藤泰成(7回)12201
岩崎優(8回)1301
ドリス(9回)1101

この試合を快勝と見る一方で、課題もあります。7回の工藤泰成、8回の岩崎優、9回のドリスが、それぞれ1点ずつ失いました。終盤3イニングはすべて失点しています。ここは消してはいけません。工藤は1回2安打1失点。ただ、2奪三振で四球はなし。最高160キロ、平均でも157キロ台の直球はやはり魅力です。岩崎は1回3安打1失点。かなり危ない内容で、広島が追い上げムードに入り5-3、なお一、三塁という緊張感のある場面になりました。9回のドリスも、ファビアンにソロホームランを浴び、さらに小野寺暖の失策もあり、決してきれいな締めではありません。

それでも大きかったこと

工藤、岩崎、ドリスはいずれも四球を出していません。雨の試合で一番怖いのは、四球から崩れることです。ボールが滑る、カウントが悪くなる、置きにいく、痛打される、守備も乱れる。この流れになると、一気に試合が壊れます。阪神リリーフ陣は無失点ではありませんでしたが、四球で崩壊はしていません。終盤の失点は課題。それでも、流れは渡し切らなかった。このバランスで見るべき試合です。

08坂本誠志郎の守備が勝ちに直結した

この試合で忘れてはいけないのが坂本誠志郎です。打撃では2打数1安打。ただ、この日の坂本は打撃以上に守備です。4回は、一死満塁で中野からの送球を受け、一塁へ転送してダブルプレーを完成させました。ここで勝ち越しを許さなかったことが、5回の攻撃につながりました。8回は、広島が追い上げムードに入った場面で、代走・辰見鴻之介の二盗を刺しました。あそこで盗塁を決められていれば、二、三塁となりワンヒット同点の圧が一気に高まっていました。目立つのは佐藤、目立つのは前川。それは当然です。ただ、勝ち切るところでは坂本の守備がかなり効いていました

09広島目線では野間峻祥の後逸が重すぎた

広島は決して何もできなかったわけではありません。初回に先制し、終盤も7回、8回、9回と1点ずつ返しました。安打数も11本。最後まで追い上げています。だからこそ、5回の野間の後逸は重すぎました。一死一、二塁から佐藤の強いライト前。前に出た野間が止めきれず、さらに送球も乱れる。結果として3点が入り、1-1が4-1になり、直後に前川のホームランで5-1。広島側から見ると、ここで試合を渡した形です。床田はスライド登板の中で粘っていましたが、5回、守備の乱れが出ました。動かして打たせる投手にとって、雨の中で守備が乱れるのはかなり厳しいものです。阪神目線では、佐藤の実質スリーランホームラン。広島目線では、守備で試合を渡した場面。この両面で見ると、試合の意味がよりはっきりします。

10反対意見・別視点

あえて逆から見ると

「快勝と言い切るには終盤が不安では?」── たしかに、終盤3イニングで1点ずつ失っているので、完全な完勝ではありません。9回にはファビアンのソロと小野寺の失策もあり、最後まで少しバタつきました。ただし、阪神は5回に4点、8回に1点を取り、追い上げられたあとにもう一度突き放しています。さらにリリーフ陣は全員四球なし。「完勝」ではなく「課題込みの快勝」と見るのが妥当です。

「佐藤の一打を実質スリーランと言うのは言い過ぎでは?」── 公式記録上は、佐藤の安打と広島の失策です。本塁打ではなく、佐藤に打点もつきません。ただし、試合展開上は一死一、二塁から佐藤本人まで生還し、3点が入っています。「公式記録ではないが、試合のインパクトとしては実質スリーランホームラン級」という表現は成立します。

「前川でレフト問題は解決か?」── まだ解決と断定するのは早いです。守備、起用、相手投手との相性、シーズンを通じた安定感など、見るべき点はまだあります。ただ、2試合連続ホームランに加えて2回の同点打もあり、打席での存在感はかなり大きくなっています。

11今後の注目点

  • 佐藤輝明の状態は本物か。ポテン気味の一本だけでなく、打球速度177キロ台の三直、171キロ台のライト前もあり、内容面でもかなり前向き。次カードでも強い打球が続くか。
  • 前川右京がレフト争いで抜け出せるか。2試合連続ホームランは大きなアピール。打撃で存在感を出し続ければ、レフト問題の見え方が変わる。
  • 村上頌樹のゲームメイク能力。雨・スライド登板・自身のエラーという難しい条件でも6回1失点。こういう試合を作れる先発はチームにとって非常に大きい。
  • 中野拓夢と坂本誠志郎の守備。4回のダブルプレー、8回の盗塁阻止は勝ちに直結。打線が注目される試合でも守備の価値は見逃せない。
  • リリーフ陣の終盤失点。工藤・岩崎・ドリスがそれぞれ1失点。四球なしは良い材料だが、終盤に毎回失点したことは課題。
  • 週明けの首位対決。佐藤・前川の状態が上向いた流れで迎えられるのは楽しみ。

12まとめ ── 悪条件を壊さず勝ち切った一戦

阪神6-4広島は、非常に中身の濃い快勝でした。前日の雨で村上頌樹と床田寛樹がともにスライド登板。試合中も雨が強まり、投手にも野手にも難しい条件でした。その中で、村上は初回に先制され、自身のエラーも絡んで4回に一死満塁のピンチを迎えましたが、それでも崩れず6回1失点で試合を作りました。4回は中野拓夢と坂本誠志郎が守りで攻めるダブルプレーを完成させ、試合を救いました。

まとめ

打線では佐藤輝明が猛打賞。5回のライト前ヒットは野間峻祥の後逸と悪送球を誘い、結果的に3点が入る実質スリーランホームラン級の一打になりました。前川右京は同点打に加え2試合連続ホームランで、阪神のレフト問題に光が差す内容です。終盤は工藤泰成、岩崎優、ドリスが1点ずつ失い課題も残りましたが、全員四球なし。坂本の盗塁阻止、高寺望夢の追加点もあり、広島に流れを渡し切りませんでした。日曜日にこういう勝ち方ができたのは大きく、週明けはまだ早いとはいえ首位対決。佐藤が復調気配を見せ、前川が打ち、村上が試合を作り、中野と坂本が守る。この流れで次へ向かえるのは、本当に楽しみです。

13動画でも詳しく話しています

村上の投球術、中野と坂本の守備、佐藤の復調、前川の2戦連発、終盤の課題まで整理しています。

免責: この記事は、公開されている試合結果、成績、報道、公式記録、試合映像で確認できる内容、ならびに筆者の試合観戦メモと考察をもとに構成しています。選手評価、采配評価、今後の見立てには個人的な見解を含みます。「実質スリーランホームラン」という表現は、公式記録上の本塁打ではなく、佐藤輝明の安打と相手失策により結果的に3点が入ったプレーを、試合展開上のインパクトとして表現したものです。