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阪神1-2DeNA|村上頌樹7回0封でも勝てず…12出塁1得点、森下20死球、9回3バントまで全部振り返る

阪神
1 - 2
DeNA
2026年9月25日 | 横浜スタジアム | 阪神が1-2で逆転負け、連勝は4でストップ。村上頌樹は中5日で7回119球無失点、近本光司が先制5号。打線は12度出塁して1得点、8回に石井大智が宮崎敏郎に逆転2ラン。9回は無死一、二塁から元山飛優がスリーバント失敗。巨人も敗れて優勝マジック5
村上頌樹
7回119球無失点
中5日、5安打2四球7奪三振。防御率1.85でリーグトップ維持
阪神打線
12出塁1得点
5安打6四球1死球。得点圏9打数0安打、3併殺、14三振
優勝マジック
M5
阪神は敗れたが巨人も広島に2-3で敗戦。6→5へ
30 SEC REVIEW

30秒で分かる、村上7回0封でも勝てなかった試合

  1. 01
    村上頌樹は中5日で7回119球無失点、防御率1.85

    自ら左翼線二塁打も放った。それでも勝ち星はつかなかった。

  2. 02
    打線は12度出塁して1得点、得点圏9打数0安打

    5安打・6四球・1死球。3併殺・14三振。最初に見るべきなのはここ。

  3. 03
    8回石井大智が宮崎敏郎に逆転2ラン

    起用は直前のブルペン事情で説明できる。問題は復帰後3被弾という状態の方。

  4. 04
    9回無死一、二塁から元山飛優がスリーバント失敗

    最初のバントは理解できる。2ストライク後も続けた判断が最大の論点。

あと6アウトだった。7回終了時点で阪神が1-0。先発の村上頌樹は中5日で119球を投げ切り、DeNA打線を無失点に封じていた。近本光司は先制の5号ソロ。勝ちパターンへ入り、このまま押し切りたい試合だった。ところが8回、石井大智が宮崎敏郎に逆転2ランを浴びる。さらに9回には大山悠輔の内野安打と髙寺望夢の四球で無死一、二塁。最後の反撃機を作りながら、元山飛優のスリーバント失敗、木浪聖也と前川右京の連続三振で試合終了となった。悔しい敗戦だ。ただ、敗因を8回の一発だけに集約すると、この試合の本質は見えなくなる。阪神は5安打、6四球、1死球。12度も走者を出している。それで1点しか取れなかった。得点圏9打数0安打。3併殺。14三振。まず見るべきなのはここだ。この記事では、初回の得点機、森下翔太の3試合連続・今季20個目の死球、村上の7回無失点、石井の起用と状態、そして9回の送りバントと2ストライク後の3バントを分けて整理する。

01先に結論

この試合の最大の問題は、8回に石井大智が宮崎敏郎に逆転2ランを浴びたことだけではない。阪神は5安打、6四球、1死球で合計12度出塁しながら、得点は近本光司のソロ本塁打による1点だけ。得点圏では9打数0安打、3併殺、計14三振。藤川球児監督も試合後、石井の一発だけでなく、もう少し打撃で押し込んでおく必要があったという趣旨で攻撃面を指摘した。

村上頌樹は中5日で7回119球、5安打、2四球、7奪三振、無失点。防御率は1.85まで改善し、自分でも二塁打を放った。それでも勝ち星はつかなかった。8回石井という継投は、直前のブルペン負荷を考えれば説明できる。一方で石井は2024~25年に計101回2/3で被本塁打0だったのに、2026年復帰後は短期間で3被弾。球速表示は出ていても、キレや制球が本来通りかはCSへ向けて確認したい。そして9回。無死一、二塁から元山飛優に送りバント。最初のバント指示は「まず同点」という考えなら理解できる。しかし2ストライク後も3バントを継続した判断は、作戦変更の余地がなかったのか検証する価値がある。「試合としては痛恨。しかし優勝争いでは致命傷を回避」――巨人も広島に2-3で敗れ、マジックは5へ進んだ。これが、この日の最も正確な位置づけになる。

02初回から「取れた1点」を逃していた

阪神は初回から絶好機を作る。先頭の近本光司が右翼へ二塁打。中野拓夢の右飛で三塁へ進み、1死三塁となる。ここで3番・森下翔太が死球を受け、1死一、三塁。しかし佐藤輝明は三邪飛。続く大山悠輔はフルカウントからハーフスイングを取られて空振り三振となった。

この大山の判定については、筆者には映像を見る限り「振っていないように見えた」。正直、納得しづらい判定だった。もちろん判定は公式にはスイングであり、「誤審だった」と事実のように断定する話ではない。ただ、フルカウントだったため、ノースイングなら2死満塁。最終スコアが1-2だったことを考えれば、1点ゲームの重要な分岐として無視したくない場面だった。一方で、この判定だけを敗因にすることもできない。阪神はその後、もっと大きな得点機を何度も作ったからだ。

03森下翔太、3試合連続・今季20個目の死球

この初回には、試合の勝敗とは別に大きなニュースがあった。森下翔太が3試合連続となる死球を受けた。今季20個目。リーグ最多で、シーズン死球数はNPB歴代8位タイに並んだ。石田裕太郎が投じた内角148キロの直球が、森下の左腕側のエルボーガード付近に直撃。球場は騒然となったが、森下はそのままプレーを続けた。試合後も死球について「大丈夫」という趣旨で状態を説明している。

RECORD WATCH

森下翔太

3試合連続、今季20個目の死球。リーグ最多でNPB歴代8位タイ

死球20個今季・リーグ最多・NPBシーズン歴代8位タイ
3試合連続自身初。阪神球団記録はキンケードの4試合連続
併殺22この日5回・8回に2併殺

初回1死三塁、石田裕太郎の内角148キロ直球が左腕側のエルボーガード付近に直撃。そのままプレーを続け、試合後も「大丈夫」という趣旨で説明した。日本記録は1952年岩本義行の5試合連続。

死球が多い理由は内角攻め、打者の踏み込み、避け方、投手の制球など複数の要因があり得る。故意とする根拠はなく、ここでは記録と安全面への懸念までに留める。

NPBシーズン最多は2007年ラロッカの28。更新を望む種類の記録ではない。

3試合連続死球は森下自身初。連続試合死球の阪神球団記録は、2004年マイク・キンケードの4試合連続。日本記録は1952年岩本義行の5試合連続とされている。もちろん、こんな記録は更新してほしいものではない。森下はこの試合、死球で一度出塁した一方、5回と8回には併殺打。今季の併殺は22となった。3試合連続・今季20個目の死球、リーグ最多・NPB歴代8位タイ、その後は2併殺。かなり情報量の多い一日だった。森下にとってこの死球は、ただの出塁ではなかった。数字だけなら球史に残るペースだが、ファンが望む種類の記録ではない。死球という大きなニュースと、得点につながらない攻撃の苦しさが同じ一日に重なった。

04近本光司が一人で試合を動かす、16試合連続安打・6試合連続マルチ

阪神の得点を生み出したのは近本だった。3回、石田裕太郎の149キロ直球を右中間スタンドへ運び、先制の5号ソロ。初回には二塁打を放っており、この時点で16試合連続安打、6試合連続マルチ安打に伸ばした。近本自身は個人成績より「勝つこと」を重視する姿勢を示しているが、終盤に入ってリードオフマンの状態が上がっていることは阪神にとって大きい。問題は、その近本が出ても後続が得点につなげられなかったことだった。

054回、これ以上ないほど「追加点を取れる形」を作った

4回は、今日の阪神がどれだけチャンスを作りながら逃したのかを象徴する。先頭の佐藤輝明が二塁打。大山が四球。無死一、二塁。髙寺の右飛で佐藤が三塁へ進み、さらに右翼から三塁への送球を見た大山が一塁から二塁を陥れる好走塁を見せる。1死二、三塁。ここまでの攻撃は非常に良かった。ところが元山が三振。坂本誠志郎が申告敬遠され、2死満塁。最後は村上が三振で無得点。「チャンスを作れなかった」のではない。チャンスは十分に作っている。それを返せなかった。

0612度出塁して1点、数字で見ると異常さが分かる

この日の阪神打線を数字で並べる。5安打、6四球、1死球、合計12度の出塁。それで得点は1。得点圏9打数0安打。さらに5回は近本四球→森下投ゴロ併殺、6回は佐藤四球→大山二ゴロ併殺、8回は中野四球→森下三ゴロ併殺で3併殺。そしてチーム14三振。

DETAIL DATA阪神の攻撃、12度出塁して1得点
項目数字
安打5
四球6
死球1
出塁12度
得点1
得点圏9打数0安打
併殺3
三振14

併殺は5回(近本四球→森下投ゴロ)、6回(佐藤四球→大山二ゴロ)、8回(中野四球→森下三ゴロ)。出塁はできている。問題は走者が出たあとだった。

「全く打てなかった試合」と表現すると少し違う。出塁そのものはできている。問題は走者が出たあとだった。藤川球児監督も試合後、石井の被弾以上に、攻撃でもう少し押し込んでおく必要があったという趣旨で振り返っている。監督自身も、最大の問題を「1点しか取れなかったこと」に置いていたと読める。

図1 | イニング別・累計得点の推移
0 1 2 1 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪神 DeNA

※横軸はイニング、縦軸は累計得点。阪神は3回の近本のソロ以降、4回1死二、三塁、9回無死一、二塁を作りながら加点できず。DeNAは7回まで無得点、8回に宮崎の逆転2ランで2点。DeNAは後攻でリードしていたため9回裏の攻撃はない。

07石田裕太郎、対阪神防御率6.48を完全にひっくり返す

試合前の数字だけなら、阪神にとって石田は打ちやすい相手に見えた。今季の対阪神は3試合0勝2敗、防御率6.48。ところがこの日は別人だった。7回113球、4安打、4四球、1死球を出しながら、10奪三振。失点は近本のソロ1点のみ。特に目立ったのが低い変化球への対応だ。公式一球速報を追うと、中野、森下、元山、髙寺、坂本など、ワンバウンドする低い球で空振り三振を喫する場面が複数あった。四球を出しているので「完璧な制球で圧倒した」という内容ではない。走者は許しても、三振と併殺で阪神の攻撃を切った。事前データを見事に裏切る投球だった。

08村上頌樹は7回119球無失点、防御率1.85へ

その石田以上に、阪神側で勝利に近づけたのが村上だった。中5日で先発し、7回119球。5安打、2四球、7奪三振、無失点。防御率は1.92から1.85へ改善。リーグトップを維持し、2位・髙橋遥人との差を0.12に広げた。さらに7回の打席では、自ら左翼線二塁打まで放っている。

TODAY'S KEY PLAYER

村上頌樹

中5日で7回119球無失点、防御率はリーグトップの1.85へ

7回119球5安打2四球7奪三振無失点
防御率1.851.92から改善、2位髙橋遥人と0.12差
6回終了99球本人も降板の可能性を感じつつ7回を投げ切った

NPB公式の被安打は5(一部報道の7安打は採用しない)。7回の打席では自ら左翼線二塁打も放った。7回ゼロに抑えて自分でも長打を打ち、それでも勝ち星がつかなかった。

対DeNAは試合前まで1勝3敗だが防御率2.33。勝敗だけを見れば相性が悪く見えるものの、投球内容は全く違う。この日もその傾向が続いた。

中5日登板。10月1日の巨人との直接対決へ再び中5日で回る可能性がある。

「7回ゼロに抑えて、自分でも長打を打って、それでも勝ち星がつかない」。DeNA戦では試合前まで1勝3敗だったが、防御率は2.33。勝敗だけを見れば相性が悪く見えるものの、投球内容は全く違う。この日もまた、その傾向が続いた。なお被安打は、一部の速報で7安打と書かれたものがあるが、NPB公式の投手成績は5安打。本記事は公式の5安打を採用する。

09「村上を8回も投げさせればよかった」は結果論か

8回に石井が逆転されたことで、「村上を続投させればよかった」という声は当然出る。ただ、ここは結果と判断を分けたい。村上は6回終了時点で99球。本人も降板の可能性を感じていたという。それでも7回も任されることになり、「0で帰る」意識で投げ切った。最終的に119球。しかも中5日登板で、10月1日の巨人との直接対決へ再び中5日で回る可能性もある。7回無失点の投手を119球で交代させたこと自体は、十分説明できる判断だ。

108回石井大智、本当にこの継投が間違いだったのか

8回、石井大智。牧秀悟に右前打。筒香嘉智に左前打。いきなり無死一、二塁となる。ただし、エンカーナシオンを遊ゴロ併殺に仕留め、2死三塁まで戻した。あとアウト1つ。そこで宮崎敏郎。149キロの速球を左翼スタンドへ運ばれ、逆転2ラン。これが決勝点となった。

ただ、「石井を出した瞬間に崩壊した」という試合ではない。一度は併殺で2死まで戻している。そして石井起用自体も、直前のブルペン事情を考えれば説明できる。石井は22日まで3連投だったが、23日はベンチ外、24日は試合なしで、実戦では2日空いていた。一方、工藤泰成は21日に2イニング32球を投げ、22日、23日も登板していた。最近の役割から「8回石井→9回工藤」が自然に見えるが、9回が実際に工藤予定だったのか、工藤がブルペンでどこまで肩を作っていたのかは公開情報で確認できていない。ここは推測で断定しない。

11石井の「復帰後3被弾」は気になる、球速だけでは説明できない

起用そのものより、今後に向けて気になるのは石井の状態だ。石井は2024年48回2/3、2025年53回を投げ、2シーズン合計101回2/3で被本塁打0。ところが2026年の復帰後は短期間で3本塁打を浴びている。しかも被弾時には149~151キロ前後の速球が出ている。「球速が落ちたから打たれている」と単純化はできない。

図2 | 石井大智、シーズン別の被本塁打
0 1 2 3 0 0 3 2024 48回2/3 2025 53回 2026 復帰後
被本塁打(本) 2026年は復帰後の短期間の値

※2024〜25年は2シーズン合計101回2/3で被本塁打0。2026年復帰後の投球回はまだ少なく、3本という数字だけで状態を断定はできない。

桧山進次郎氏は、表示球速よりも本来のキレや制球が戻っていない可能性を指摘。宮崎の一発だけでなく、その前に牧、筒香へ甘いコースを打たれたことも気にしていた。ただし復帰後の投球回はまだ少ない。「石井はもうダメ」という話ではない。CSへ向けて、本来の絶対的なセットアッパーにどこまで戻っているかを確認する材料にしたい。石井本人は試合後、坂本と話し合って選択した球を投げ切ろうとしたものの、最悪の結果になったとしてチームと村上への申し訳なさを口にしている。坂本もまた、自分がインサイドを選択した責任を背負うコメントを残した。責任を一人だけに押し付けるべき場面ではない。

129回無死一、二塁、最初の送りバントは理解できる

9回表。大山が投手内野安打。代走植田海。髙寺が四球。無死一、二塁。打者は元山。阪神は送りバントを選択した。この「最初の送りバント」だけなら、理解できる。過去のNPBデータでは、無死一、二塁からその回に1点以上を取る割合は、バントあり61.3%、バントなし60.1%。9回1点ビハインドで「まず同点」という目的なら、バントには数字上の根拠がある。

COMPARE無死一、二塁、バントあり・なしで得点確率はどう変わるか(過去NPBデータ)
送りバントあり
61.3%1点以上取る割合
37.6%2点以上取る割合
送りバントなし
60.1%1点以上取る割合
38.9%2点以上取る割合

結論「まず同点」を最大化するならバントに数字上の根拠がある。ただしビジターの9回表は、同点にしても9回裏を守る必要がある。逆転まで取りに行くなら、2点以上の割合は打たせる方がわずかに高い。最初から「絶対にバント」でも「絶対に強攻」でもない。

1.02(DELTA)のバント分析に基づく過去NPBデータの参考値。年代やリーグ環境で変動する。

ただしビジターの9回表という点も忘れられない。1点取って同点にしても、9回裏を守る必要がある。2点以上取る割合では、バントあり37.6%、バントなし38.9%と、逆に打たせる方がわずかに高い。つまり最初から「絶対にバント」でも「絶対に強攻」でもない。同点を最大化するか、逆転まで取りに行くか。ここで考え方が分かれる。

13問題は2ストライク後、「作戦変更」か「役割遂行」か

元山はバントを決められず、2ストライクに追い込まれた。それでも阪神は作戦を変えず、3バント。結果は失敗で三振。1死一、二塁となった。ここがこの試合最大の采配論点だ。参考として、2019年NPBの「無死一塁」という別条件の研究では、2ストライク後にバントを続けた場合、成功または打者も生きる大成功の割合が51.9%だった。重要なのは、この51.9%を「今日の無死一、二塁での成功率」として使わないこと。走者状況が違うため、あくまで「2ストライクになるとバントの難度が上がることを見る参考データ」として扱う。

DECISION FLOW9回無死一、二塁。最初のバントと、2ストライク後の3バントは分けて考える
  1. 大山内野安打、代走植田、髙寺四球無死一、二塁で元山飛優1点ビハインドのビジター9回表。
  2. 最初の送りバント指示「まず同点」なら理解できる1点以上取る割合はバントあり61.3%、なし60.1%。
  3. バントを決められず2ストライクそれでも3バントを継続作戦変更の余地はなかったか。元山の今季2ストライク後打率は.264。
  4. スリーバント失敗で三振、1死一、二塁木浪・前川も連続三振で試合終了無死一、二塁から走者を一人も進められなかった。

論点は「バントは正解か間違いか」ではない。2ストライクで作戦変更するべきだったのか、それとも元山の役割を信じて最後まで遂行させるべきだったのか。桧山進次郎氏は「小技を担う元山なら決めるべき」という別の見方を示している。

2ストライク後のバント成功+大成功51.9%は2019年NPBの「無死一塁」という別条件のデータ。今日の無死一、二塁の成功率としては使わない。

一方、手元のカウント別集計では、元山は今季2ストライク後でも打率.264。「追い込まれた元山に打たせてもほぼ自動アウト」という数字ではない。ヒッティングへ切り替えれば、安打、四球、進塁打、相手のミスなどの枝が残る。その意味で、2ストライクになった時点で一度作戦をリセットする選択肢はなかったのか、という疑問は残る。しかし反対の見方もある。桧山進次郎氏は、レイノルズ相手で難しいことは認めつつも、小技を求められる元山の役割を考えれば「あそこを決めるべき」であり、できないならピンチバンターまで必要になるという厳しい評価を示した。つまり論点は単純な「バントは正解か、間違いか」ではない。2ストライクで作戦変更するべきだったのか。それとも、元山の役割を信じて最後まで遂行させるべきだったのか。ここはファンの間でも意見が分かれるところだろう。

143バント失敗の後も終わらなかった、ハーフスイングも整理する

元山が3バント失敗で1死一、二塁。続く代打木浪が空振り三振。2死一、二塁。最後は代打前川も空振り三振。試合終了。無死一、二塁から、走者を一人も進められなかった。だから「3バント失敗だけが敗因」とするのも違う。元山の後にも2打席あった。最後まで、走者を返せなかった。この9回は、その日の阪神打線をそのまま凝縮したような攻撃だった。

初回の大山のハーフスイングについては、筆者の見方を明確にしておく。私は映像を見る限り、振っていないように見えた。正直、納得しづらい判定だった。大山は2死一、三塁のフルカウント。ノースイングなら2死満塁だった。8回には佐藤もハーフスイングで三振となっている。こちらも厳しく見えたが、0-2からの判定であり、大山の場面ほど直接的な影響は大きくない。ただし、ここから「審判のせいで負けた」と結論づけるのは違う。阪神は4回にも1死二、三塁、9回にも無死一、二塁を作った。判定への違和感と、攻撃側がチャンスを生かせなかった事実は分けて考えるべきだ。

15藤川監督の見方、そして巨人も敗れてマジック5

藤川監督は試合後、村上について十分な投球だったと評価。石井が決勝2ランを浴びた場面についても、展開の難しさを認めつつ、打撃でもう少し押し込んでおく必要があったという趣旨で語った。今日の敗戦を「石井が打たれたから」で終わらせない理由は、ここにもある。7回まで1-0。その1点差を守れなかったのは事実。しかし同時に、12度も出塁しながら追加点を取れなかったことも同じくらい重い。

阪神は1-2で敗戦。連勝は4でストップした。しかし2位巨人も広島に2-3で敗れた。そのため阪神の優勝マジックは6から5へ。試合としては痛恨。しかし優勝争い全体では致命傷を回避した。この二つは同時に成立する。「あそこまで行ったなら勝ちたかった」。それが正直な感想だ。それでも巨人も1試合を消化して敗れたことで、阪神の優位そのものは残っている。

16次戦は才木浩人-尾形崇斗、この負けを連敗にしないこと

9月26日の予告先発はDeNA・尾形崇斗、阪神・才木浩人。尾形は今季の阪神戦で3試合2勝1敗、防御率2.04。一方、才木は9勝5敗、防御率2.34。勝てば3年連続の2桁勝利となる。村上で落とした翌日だからこそ、この敗戦を「1敗だけ」で止める意味が大きい。終盤の優勝争いでは、痛い負けそのものより、そこから連敗しないことが重要になる。

この試合の問いは、「誰が悪かったのか」ではない。「どこまでが合理的な判断で、どこから別の選択肢があったのか」だ。最初の送りバントは理解できる。8回石井も説明できる。村上交代も理解できる。それでも結果は1-2。だからこそ、あと1点をどう取り、あと6アウトをどう取るのか。この終盤戦で阪神が優勝をつかむための課題が、非常に濃く出た試合だった。そして何より、マジックは5。痛恨の敗戦ではある。でも、まだ阪神が前にいる。

17評価の限界

あえて逆から見ると

「8回石井は采配ミスでは?」── 結果は失敗。ただし石井は実戦2日空き、工藤泰成は直前3連投で、起用理由は説明できる。問題は「起用」より、復帰後の石井の状態をどう評価するか。復帰後のサンプルは小さく、「完全に劣化した」「もう使えない」といった断定はしない。結果だけ見ればセットアッパーが逆転弾を浴びた事実は重い、という見方も当然ある。

「3バントは藤川采配の失敗では?」── 数字側から見れば2ストライクで作戦を再評価する余地はあった。一方、桧山進次郎氏のように、小技を担う元山なら難しくても決めるべきだったという見方もある。正誤を断定する話ではなく、「作戦変更か、役割遂行か」という論点として残す。

「大山のハーフスイングは誤審では?」── 筆者には振っていないように見えたが、公式判定はスイングで三振。誤審と事実認定するものではなく、敗因全体とは切り離して考える。阪神はその後も4回・9回に大きな得点機を作っていた。

「森下の死球は相手が故意に当てているのでは?」── 故意とする根拠はない。内角攻め、打者の踏み込み、避け方、投手の制球など複数の要因があり得るため、本記事は記録と安全面への懸念までに留める。

18動画・関連記事

この試合は「石井大智が逆転2ランを打たれた」で片付けると、本質をかなり見落とします。動画版では試合の流れをスライドで追いながら、村上頌樹の7回無失点、12出塁1得点、「8回石井は本当に間違いだったのか」「9回の送りバントと2ストライク後の3バントは分けて考えるべきではないか」を数字で整理しています。

19SOURCES / 参照データ

※本記事の数値は2026年9月25日試合終了時点のスナップショットです。バントあり・なしの得点確率は過去NPBデータに基づく参考値であり、年代・リーグ環境で変動します。元山飛優の2ストライク後打率は手元のカウント別集計です。9回に工藤泰成が登板予定だったかは公開情報で確認できていません。大山悠輔のハーフスイングに関する記述は筆者の見解であり、公式判定はスイングです。采配、配球、選手起用等に関する評価には筆者の分析・見解を含みます。

⚠ 免責: 本記事はNPB公式記録、球団発表、報道、公開データ、試合映像・投球データ等をもとに独自に整理・分析したものです。バントに関する得点確率は過去NPBデータに基づく参考値であり、年代・リーグ環境によって変動します。判定・采配・配球・選手起用等に関する評価には筆者の分析・見解を含み、誤審や故意を事実として断定するものではありません。数値は記事作成時点の公開情報をもとに整理しています。特定の選手、監督、審判、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。