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阪神1-5広島|村上5回自責1でも敗戦、2失策と7安打1得点で巨人と0差

阪神
1 - 5
広島
2026年9月19日 | 阪神甲子園球場 | 村上頌樹は5回90球2失点・自責1。立石正広・熊谷敬宥の2失策がそれぞれ1点になり、7安打で1得点。栗林良吏に7回2/3を1失点に抑えられ、同日大勝した巨人と0ゲーム差に
村上頌樹
5回90球 自責1
2失点、被安打4、無四死球、5奪三振
阪神の2失策
2点が非自責点
4回・立石、6回・熊谷。5失点のうち自責3
巨人と
0ゲーム差
勝率.5503対.5496、阪神が3試合多く残す
30 SEC REVIEW

30秒で分かる、1-5の中身

  1. 01
    阪神1-5広島、安打は7対8でほぼ同じ

    安打数は1本差なのにスコアは4点差。差がついたのは守備の精度と、走者を返せたかどうか。

  2. 02
    村上頌樹は5回90球2失点・自責1

    初回の先頭打者本塁打は反省点だが、2回・3回は三者凡退。先発が試合を壊した内容ではない。

  3. 03
    2つの失策が、それぞれ1点になった

    4回の立石正広、6回の熊谷敬宥。阪神投手陣の5失点のうち自責点は3、2点は失策絡みの非自責点。

  4. 04
    巨人と0ゲーム差、勝率は.5503対.5496

    巨人は同日中日に14-1で大勝。阪神は130試合消化で巨人より3試合多く残し、首位はまだ阪神。

7連敗をようやく止め、広島に連勝して迎えた3戦目。ここで3連勝できれば嫌な流れを一気に断ち切れるはずだった。ところが阪神は広島に1-5で敗れた。安打は阪神7本、広島8本。たった1本しか違わない。それなのにスコアは1-5。「力負けした4点差」というより、1点を争っていたゲームを守備のミスと得点機逸で苦しくし、終盤に突き放された試合だった。しかも同日のデーゲームで巨人が中日に14-1で大勝。ゲーム差はついに0になった。この試合の本質は、安打数と得点の間にある「精度」の差にある。

01先に結論

この試合を「村上が2点取られて負けた」で片付けるのは違う。村上頌樹は5回90球、被安打4、奪三振5、無四死球、2失点で自責点はわずか1。初回の先頭打者本塁打は反省点だが、その後は立て直している。それより大きかったのは、守備でアウトにできる可能性の高い打球を2度、失点につなげてしまったこと。そして、打線が何度も走者を出しながら返せなかったことだ。

広島は8安打5得点・無失策。阪神は7安打1得点・2失策。同じような安打数でも、試合の「精度」に差が出た。そしてこの敗戦で、9月18日時点では1ゲーム差だった首位争いが0ゲーム差になった。

021回:足と進塁で作った1点は、むしろ良かった

村上はいきなり広島の佐藤啓介に5号先頭打者本塁打を浴びた。開始わずか3球で0-1、嫌な入りだった。ところがその裏、阪神はすぐに反撃する。近本光司が右前打、中野拓夢も左前打で無死一・二塁。森下翔太の右飛で近本が三塁へタッチアップし、さらに中野が二盗を決めて一死二・三塁。ここで佐藤輝明が左犠飛を打ち上げ、1-1。

ヒット一本のタイムリーではない。近本の走塁、中野の盗塁、佐藤の犠牲フライ。足と進塁で1点を作った、阪神らしい良い攻撃だった。問題はここからだった。この1点が、この日の最初で最後の得点になる。

034回・6回:2つの失策が、それぞれ1点になった

1-1の4回、先頭の中村奨成が左翼へフライを打ち上げた。本来なら一死走者なしになる可能性が高い打球だったが、風にも流され、左翼・立石正広が捕球できない。落球だけでは終わらず、打者走者は三塁へ。一死走者なしになるはずの場面が、無死三塁に変わった。続く坂倉将吾の中犠飛で広島が2-1と勝ち越し。記録は立石の失策で、村上の失点にはなるが自責点にはならない。ただしこの回には救いもあった。佐々木泰に安打を許したものの、盗塁を狙った佐々木を坂本誠志郎が刺し、ミスの後にズルズル崩れず1点だけで切っている。

DECISION FLOW4回と6回、2つの失策がそれぞれ1点になった
  1. 4回・無死、中村奨成の左飛を立石正広が捕球できず(失策)風に流され、一死走者なしになるはずの打球が無死三塁に。
  2. 続く坂倉将吾が中犠飛で1-2村上の失点だが自責点にはならない。佐々木泰の盗塁は坂本誠志郎が刺し、この回は1点で切った。
  3. 6回・二死走者なし、坂倉の遊撃打球を熊谷敬宥が一塁へ悪送球(失策)逆シングルで捕るまでは良かったが送球がそれ、記録は内野安打+失策。二死二塁。
  4. 続く佐々木泰が左前適時打で1-3木下里都の自責点は0。二死走者なしから作られた1点だった。

阪神投手陣の5失点のうち自責点は3。失策絡みの2点が、1点を争っていた試合を2点差、3点差へ変えた。ただし「守備が普通なら勝っていた」とは単純化できない。打線も7安打で1点しか取れていない。

立石だけ、熊谷だけを責めても解決しない。問題は、優勝争いの1点勝負で「守備で防げた可能性の高い2点」がそのままスコアに乗ったこと。

6回は村上に代わった木下里都が菊池涼介を右飛、中村奨成を左飛と簡単に二死を取った。ここからだった。坂倉の遊撃への打球を熊谷敬宥が逆シングルで処理。難しい打球を捕ったところまでは良かったが、一塁への送球がそれて坂倉は二塁へ。記録は内野安打と熊谷の失策。二死走者なしが二死二塁になり、続く佐々木泰の左前適時打で1-3。この失点も木下の自責点は0だった。

この日の阪神投手陣は5失点だが、自責点は3。2点は失策絡みの非自責点だった。立石だけを戦犯扱いするのも違うし、熊谷だけを責めても何も解決しない。2人ともそのプレー以外でチームに貢献できる選手だ。問題は、優勝争いの1点勝負で「守備で防げた可能性の高い2点」がそのままスコアに乗ったことにある。

04村上頌樹は責められる内容ではなかった

村上の最終成績は5回、90球、被安打4、奪三振5、与四死球0、2失点、自責点1。10勝9敗となり自身3連敗となったが、投球内容そのものは大崩れとは言えない。初回の先頭打者本塁打は痛かった。しかし2回、3回は三者凡退。4回の失点は守備ミスが起点。5回も二死から投手・栗林に安打を打たれたものの、佐藤啓介を三振に仕留めた。少なくとも「先発が試合を壊した」という内容ではない。

むしろ首位争いの最中に、5回2失点・自責1の先発投手を援護できなかった。こちらを見るべき試合だったと思う。こういう試合で「9敗目」という数字だけを見て、村上の評価を下げるべきではない。

055回・7回・8回:反撃の入口までは3度行った

1-2の5回、先頭の熊谷がレフト線へ二塁打。坂本が初球でしっかり送りバントを決めて一死三塁。外野フライでもゴロでも、形によっては同点という場面だ。ここで代打・高寺望夢。しかし空振り三振。二死三塁となり、近本も左飛で無得点。村上にはこの回の打席で代打を送っており、ベンチも勝負をかけていた。その勝負手が得点につながらず、村上は5回2失点で降板。ここがひとつ大きな分岐点だった。

FLOW反撃の入口までは3度行った。でも、返せなかった
  1. 5回
    一死三塁 → 無得点

    先頭・熊谷敬宥がレフト線二塁打、坂本誠志郎が初球で送りバント。1点差の同点機で代打・高寺望夢が空振り三振、近本光司も左飛。村上に代打を送ったベンチの勝負手が実らなかった。

  2. 7回
    二死一・二塁 → 無得点

    先頭・大山悠輔の左前打、代打・前川右京の四球で二死一・二塁。代打・豊田寛が空振り三振。1-3のまま。

  3. 8回
    無死一・二塁 → 無得点

    1-5とされた直後、近本・中野拓夢の連打で無死一・二塁。森下翔太が三ゴロ併殺、佐藤輝明も捕ゴロ。

読みどころ5回の一死三塁が、この試合最大級の「1点を取れなかった場面」。結果論ではなく、1点差の5回に「1点を取りに行く」形を作って点が入らなかったことが分岐点になった。

1回の1点は、近本の三塁へのタッチアップ、中野の二盗、佐藤の左犠飛で作った。打てないなら足で作る攻撃は出来ていたが、それがこの日の最初で最後の得点になった。

図1 | イニング別・累計得点の推移
0 2 4 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪神 広島

※横軸はイニング、縦軸は累計得点。広島の4回・6回の得点はいずれも阪神の失策が起点。阪神は5回一死三塁・7回二死一・二塁・8回無死一・二塁の3度の得点機をすべて逸し、1回の1点で止まった。

067安打で1点、打線になっていない

阪神は7安打。まったく打てなかったわけではない。しかし内訳を見ると偏りがすごい。近本2安打、中野2安打、大山悠輔2安打、熊谷1安打。以上。7安打すべてを4人で打っており、近本・中野・大山の3人だけで6安打。一方、森下は4打数0安打、佐藤は3打数0安打(犠飛1打点)、立石は4打数0安打、坂本は1打数0安打だった。

COMPARE安打は1本差、スコアは4点差
広島
8安打安打
5得点得点
0失策失策
阪神
7安打安打
1得点得点
2失策失策

結論安打数はたった1本しか違わない。それなのにスコアは1-5。守備で相手に余計な進塁と得点を与え、攻撃では自分たちの走者を返せなかった。この組み合わせが最も苦しい。

広島はチャンスで坂倉将吾・佐々木泰が走者を返し、守備は無失策。同じような安打数でも、試合の「精度」に差が出た。

特に象徴的なのが1・2番だ。1回は近本・中野の連打。8回も近本・中野の連打。ところが、その後の中軸で大量点につながらない。上位が出ても返せない。これでは安打数が増えても得点は増えない。逆に言えば、近本と中野の状態は悪くない。2人合わせて8打数4安打で、初回には近本の好走塁と中野の盗塁で1点を作っている。だからこそ、その後を打つ森下、佐藤、大山まで含めて、上位打線をどう「線」にするかが重要になる。

DETAIL DATA7安打はすべて4人。中軸に安打が出なかった
打者この試合備考
近本光司2安打1回・8回に中野と連打。1回は右飛で三塁へタッチアップ
中野拓夢2安打1回に二盗、近本と合わせて8打数4安打
大山悠輔2安打7回の反撃は大山の左前打から
熊谷敬宥1安打5回先頭でレフト線二塁打
森下翔太4打数0安打8回は三ゴロ併殺
佐藤輝明3打数0安打1回に左犠飛で1打点
立石正広4打数0安打7回は栗林のフォークに倒れる
坂本誠志郎1打数0安打5回に送りバント成功

近本・中野・大山の3人だけで6安打。1回も8回も1・2番の連打で始まったが、その後の中軸で大量点につながらなかった。上位が出ても返せなければ、安打数が増えても得点は増えない。

07相手が悪かった、「虎キラー」栗林良吏

阪神打線だけを責めるのも公平ではない。広島先発の栗林良吏が、阪神に対して異常なほど強い。この日は7回2/3、113球、被安打7、与四球1、奪三振6、1失点で7勝目。今季の阪神戦は、この試合を含めて5試合すべてHQS。3勝1敗、防御率0.93、38回2/3を投げて自責点はわずか4。被打率.173、WHIP0.70。これはもう「阪神打線の調子が悪かった」だけでは説明できない数字だ。

OPPONENT'S KEY PLAYER

栗林良吏

7回2/3・113球・7安打1四球6奪三振1失点で7勝目。阪神に異常なほど強い

0.93今季阪神戦防御率(38回2/3・自責4)
3勝1敗今季阪神戦5試合すべてHQS
WHIP0.70今季阪神戦、被打率.173

この日は低めのフォークが非常に効いていた。5回の高寺望夢、7回の立石正広・豊田寛。追い込まれてから低めに落ちる球で、阪神打線は空振りと凡打を重ねた。8回に近本・中野の連打で無死一・二塁とされても、森下翔太を三ゴロ併殺に仕留めている。

今季の阪神戦は5試合すべてHQS。38回2/3で自責点4、被打率.173、WHIP0.70。「阪神打線の調子が悪かった」だけでは説明できない数字で、阪神打線だけを責めるのは公平ではない。

「ピンチになっても一本を許さない」。阪神と栗林の差はここだった。

089月の阪神打線、本当に問題なのはここ

この試合だけなら「栗林が良かった」で終わらせることもできる。しかし9月の数字を見ると、それだけでは済まない。9月5日から19日までの10試合で、阪神の得点は2、1、1、0、0、0、1、7、2、1。10試合で15得点、1試合平均1.5得点。しかも10試合中9試合が2得点以下で、7得点した9月17日の広島戦だけが例外だった。その7得点の試合を除けば、9試合でわずか8得点、1試合平均0.89点。これはかなり深刻だ。

図2 | 9月5日〜19日、10試合の得点
0 2 4 6 8 2 1 1 0 0 0 1 7 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
得点(試合順) 9/19 広島戦 単位:点

※横軸は9月5日〜19日に行われた10試合の試合順。8試合目の7点は9月17日の広島戦。それ以外の9試合は合計8得点(1試合平均0.89点)。

これでは投手に求められるハードルが高すぎる。大竹耕太郎が7回無失点で2-1。村上が5回自責1でも1-5。投手がほぼ完璧に抑えなければ勝ちに届かない状態になっている。9月19日の敗戦は、突然起きた事故ではない。9月に続いている得点力不足が再び表面化した試合だった。だから「2失策だけが敗因」でもない。守備のミスで相手に点を与え、攻撃では自分たちの走者を返せない。この組み合わせが最も苦しい。

悪いことだけではない。村上は5回自責1。神宮僚介は7回を三者凡退、セベリーノも9回を三者凡退。試合を壊したのは投手陣全体ではない。問題はかなり限定できる。守備で余計な進塁を許さない。作った得点機で一本を出す。そして、近本・中野が作ったチャンスを中軸が返す。結局、ここになる。

09巨人と0ゲーム差、優勝争いの現在地

この敗戦が重かった最大の理由は順位だ。巨人はこの日、中日に14-1で大勝。阪神は広島に敗戦。9月18日時点では1ゲーム差だった首位争いが、一気に0ゲーム差になった。9月19日終了時点で阪神は71勝58敗1分・勝率.5503、巨人は72勝59敗2分・勝率.5496。表示上は両チームとも.550だが、文字通り紙一重で阪神が首位に残っている。優勝マジックは12のまま。

ただし、ひとつ忘れてはいけない。阪神は130試合消化、巨人は133試合消化。阪神には巨人より3試合多く残されており、0ゲーム差だから即「巨人有利」という話ではない。阪神は、自分たちが残り試合を勝てばいい立場にいる。だからこそ重要なのは、順位表を毎日眺めて焦ることではなく、9月に続いている1〜2点打線をどう立て直すか。そこだった。

10追記:翌9月20日は8-1で勝利

この敗戦の翌日、阪神はDeNAに8-1で勝利した。才木浩人が試合を作り、元山飛優が3打点。打線は11安打8得点まで爆発した。だから9月19日の1-5を「阪神が完全に崩壊した試合」と見る必要はなくなった。むしろ今振り返ると、優勝争いの真っただ中で守備と得点効率の怖さを思い知らされた試合であり、翌日にその課題へ打線がどう答えたかまでをセットで見ると面白い。1-5の翌日に8-1。野球は本当に一日で変わる。

ただし9月5日以降続いてきた得点力不足という大きな課題が、一試合8得点しただけですべて消えたわけでもない。残り試合で見るべきなのは「たまに爆発するか」ではなく、2点、3点を安定して作れる打線に戻れるか。ここだと思う。

11評価の限界

あえて逆から見ると

「守備さえ普通なら勝っていた」── そうは言えない。2失策は確かに2点につながったが、野球はひとつのプレーが変わればその後の打者、投球、アウトカウントも変わる。何より阪神の得点は1。5回・7回・8回に反撃の入口までは行きながら、走者を返せなかった。

「村上の3連敗は状態悪化のサインでは」── この試合の内容からは言えない。5回90球、無四死球、自責1。2回・3回は三者凡退で、4回の失点は守備ミス起点。数字以上にしっかりゲームを作っていた。

「立石と熊谷が戦犯」── どちらか一人を責めても解決しない。2人ともそのプレー以外でチームに貢献できる選手で、問題は「守備で防げた可能性の高い2点」が1点勝負のスコアに乗った構造にある。

「栗林が良すぎただけで、打線に問題はない」── 栗林の今季阪神戦防御率0.93は確かに異常な数字だ。ただし9月5日以降の10試合で15得点、7得点の1試合を除けば9試合8得点という傾向は栗林とは無関係に続いている。

「翌日8得点したから課題は解決した」── 一試合の爆発で消える課題ではない。見るべきは2〜3点を安定して作れるかで、残り試合での再現性を確認する必要がある。

12動画・関連記事

9月19日の広島戦は、単なる1-5の完敗ではない。村上は5回自責1、阪神も7安打。しかし2つの守備ミスが失点につながり、得点機では一本が出なかった。一方の広島は、阪神戦防御率0.93となった栗林が7回2/3を1失点、守備は無失策、チャンスでは坂倉、佐々木が走者を返した。同じような安打数でも、試合の「精度」に差が出た。そして敗戦によって巨人とは0ゲーム差。守る、出る、進める、返す。勝負どころでは、この一つ一つの精度が順位表に直結する。9月19日は、その怖さがはっきり出た一戦だった。

13SOURCES / 参照データ

※本記事の数値は2026年9月19日試合終了時点のスナップショットです(追記の9月20日の結果のみ同日終了時点)。栗林良吏の今季阪神戦成績、9月5日〜19日の得点集計は公開された試合結果をもとに集計した値です。試合内容や選手の状態に関する評価には筆者による分析・見解を含み、1試合の結果だけで選手・チームの状態を断定するものではありません。

免責: 本記事はNPB公式記録、球団公式情報、報道、公開されている試合データ等をもとに独自に整理・分析したものです。試合内容や選手の状態に関する評価、今後の見通しには筆者による分析・見解を含みます。数値は記事作成時点の公開情報をもとにしており、公式記録の修正等により変更される場合があります。特定の選手、監督、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。