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阪神6-2ヤクルト、佐藤31号&近本3ランでM20 「163km/hで併殺」と「163km/hで本塁打」を分けたもの

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ヤクルト
2 - 6
阪神
2026年9月1日(火) | 神宮球場 | 9月初戦。髙橋遥人が自らの適時打で先制し6回1/3・2失点で13勝目、佐藤輝明が31号2ラン、近本光司が4号3ランで6-2の勝利。今季最長タイの5連勝で優勝マジックは21から20へ、森下翔太が復帰戦で4打数2安打1四球
9月初戦
6-2で勝利・5連勝
今季最長タイ、優勝マジック20
打球速度対決
森下163.2km/h→併殺
近本163.0km/hは3ラン、差は角度
先制点
9番髙橋遥人が自ら適時打
投げて13勝目、打って2安打1打点
30 SEC REVIEW

30秒で分かる試合

  1. 01
    阪神が神宮でヤクルトに6-2、今季最長タイ5連勝でM20

    4回まで無得点も、5回に髙橋、6回に佐藤、7回に近本と得点が階段状に増えて突き放した。

  2. 02
    同じ163km/h台でも結果は正反対だった

    森下の163.2km/hは角度-1度で併殺、近本の163.0km/hは角度30度で3ラン。速度より角度が結果を分けた。

  3. 03
    先制したのは9番・髙橋遥人自身

    野手が返せない中、右前適時打で先制。6回1/3・2失点で13勝目、打っても3打数2安打1打点。

  4. 04
    森下が復帰戦2安打、岡留は2球で火消し

    森下は4打数2安打1四球で安心材料。岡留英貴はサンタナをスライダー2球で遊撃併殺に仕留めた。

01先に結論――4回0点は「拙攻」だけでは説明できない

阪神は9月1日、神宮球場でヤクルトに6-2で勝利した。今季最長タイの5連勝、優勝マジックは20。結果だけ見れば、佐藤輝明の31号2ラン、近本光司の3ラン、髙橋遥人の13勝目と見どころの多い快勝だ。

ただし、4回までの阪神打線はかなり嫌な内容だった。初回は近本の二塁打を返せず、2回・4回は安打直後に併殺、5回も無死一・二塁から連続三振。最近の阪神で何度も見てきた「走者は出るのに返せない」展開だった。それでも、この試合は打球データを見ると単純に「打てなかった」とは言い切れない。阪神の序盤は打てていなかったのではなく、強く打てているのに得点になる角度と場所に飛ばなかった場面が多かった。その流れを変えたのが、まさかの9番・髙橋遥人だった。

02試合の流れ

FLOW4回0点から、得点が階段状に増えた5回以降
  1. 1〜4回
    0-0

    近本の二塁打を返せず、2回・4回は安打直後に併殺。走者は出るが返せない展開。

  2. 5回二死一・二塁
    1-0

    伏見・元山が連続三振した直後、9番・髙橋遥人が右前適時打で自ら先制。

  3. 6回一死一塁
    3-0

    森下の中前打の後、佐藤輝明が吉村の初球フォークを左中間へ31号2ラン。

  4. 7回一死一・二塁
    6-0

    近本光司が0-2から8球粘り、150km/hの直球を右翼席へ4号3ラン。

  5. 7回裏〜9回
    6-2

    髙橋が2失点を許すも、岡留・及川・木下が主力を使わずつなぎ切り勝利。

読みどころ3-0から6-0にした近本の一発で、工藤・石井・岩崎を投入せずに済んだ。3連戦初戦を主力救援陣を温存したまま取れた。

阪神は今季最長タイの5連勝、優勝マジックは21から20へ。ゲーム差は巨人のサヨナラ勝ちにより4.5のまま。

阪神は12安打1失策、ヤクルトは7安打0失策。勝ち投手は髙橋遥人(13勝2敗)、負け投手は吉村貢司郎(4勝10敗)。試合時間3時間28分。阪神は今季最長タイの5連勝、ヤクルト戦は4年連続の勝ち越しが決定した。

03同じ163km/h台で、結果はここまで違った

4回、中野の先頭安打の後、森下翔太が強い三ゴロを放つも併殺。この試合を象徴する場面の一つだ。

DETAIL DATA同じ163km/h台で、結果はここまで違った
選手結果打球速度角度飛距離
森下翔太併殺163.2km/h−1度11.9m
佐藤輝明31号2ラン164.6km/h31度119.8m
近本光司4号3ラン163.0km/h30度122.2m
佐藤輝明二直175.6km/h8度50.0m

森下の併殺と近本の3ランは速度がほぼ同じ(むしろ森下の方が0.2km/h速い)。差は角度だった。この日最速175.6km/hの打球もアウトになっている。

森下はマイナス1度、近本は30度。佐藤の31号も164.6km/h・31度だった。強く打っても地面に向かえば、走者がいる場面では最悪の併殺になり得る。さらに9回、佐藤はこの日最速の175.6km/hを記録したが角度8度で二直。これほど分かりやすい例もない。打球速度は重要だが、強く打つだけでは長打にならない。もちろん、5回の伏見・元山の連続三振のように打球そのものを作れなかった場面もあり、すべてを運の問題にはできない。それでも「4回まで0点=打線が全く振れていなかった」ではなかったことは、打球データから見えてくる。

04髙橋遥人は「6回1/3、2失点」以上に試合の中心だった

この日の主人公を一人選ぶなら、髙橋遥人でもおかしくない。投球では13勝目、打撃では2安打1打点。何より、阪神がなかなか先制できない中で自ら均衡を破った。

PITCHED AND BATTED

髙橋遥人

自らの適時打で先制、投げても13勝目

6回1/3投球回(2失点)
13勝目今季成績
3打数2安打打撃(1打点)

5回二死一・二塁、伏見・元山が連続三振した直後に自ら右前適時打を放って先制。打球速度161.6km/hは、初回に近本が放った二塁打の156.4km/hより速かった。「野手が返せないなら自分で返す」という一打だった。

6回までは85球無失点。ただし2回・4回にはピンチもあり、内山を申告敬遠して投手・吉村と勝負する作戦を2度成功させての無失点だった。7回は内野安打や味方の失策も絡んで2失点したが、赤羽への適時打も許しており「全部守備のせい」ではない。

6回まで粘って0を並べたこと、7回は不運な打球や守備の乱れが絡んだこと、最後は自分で止め切れなかったこと、の3つを分けて評価したい。

2回には連打から一死二・三塁、4回にも得点圏へ走者を進められる場面があった。ここで阪神バッテリーが使ったのが、内山を申告敬遠して投手・吉村と勝負する作戦。2回も4回も吉村を三振に仕留めている。4回の吉村には左翼ポール際への大ファウルを打たれ危険な場面もあったが、最後はアウトを取った。この日の髙橋は「誰も塁に出さない投球」ではなく「走者を出しても最後の一本を許さない投球」だった。

05佐藤輝明31号は「神宮だから」で片付けられない

6回一死一塁、森下が復帰戦で中前打を放ち、打席には4番・佐藤。吉村の初球は138.1km/hのフォーク、低め外寄りの球だった。佐藤はこれを左中間へ運び、31号2ラン(164.6km/h・31度・119.8m)。

注目したいのは左方向へ飛ばしたこと。低め外寄りのフォークを無理に引っ張らず、逆方向寄りへ約120m飛ばした。神宮は本塁打が出やすい球場と言われるが、この打球を「球場が狭いから入った」だけで説明するには強すぎる。速度と角度が両方揃った一発だった。

この31号で佐藤は森下に並び本塁打リーグトップタイ。さらにこの時点で打率・打点・本塁打の主要3部門でトップに立った。通算500打点まであと2、シーズン100打点も視野に入る。優勝争いと同時に、佐藤の三冠王争い、森下との本塁打王争いも9月の大きな見どころになる。

06近本、0-2から8球粘って3ラン

3-0の7回、元山、髙橋が出塁して一死一・二塁。ここで近本の8球にわたる粘りが始まる。

DECISION FLOW近本、0-2から8球粘って3ラン
  1. 一死一・二塁、2球で0-2と追い込まれる投手有利なカウント。
  2. スライダー・フォーク・カーブをファウルで逃げる変化球を次々とファウルにして粘る。
  3. 7球目、150km/h台の直球は見送りボール球を的確に見極める。
  4. 8球目、再び来た直球を右翼席へ、4号3ランで6-0佐藤は初球を一撃、近本は追い込まれてから8球粘っての一撃。同じ理想的な打球でもルートは正反対だった。

3-0が6-0になったことで、工藤・石井・岩崎を使わずに岡留・及川・木下でつなぎ切れた。「今日の3点」だけでなく「明日以降に中継ぎを残す3点」でもあった。

9月の連戦を考えれば、主力救援陣を温存できた価値は大きい。

9月の3連戦初戦。翌日以降を考えれば、主力救援陣を残したまま勝てた価値は大きい。

07岡留英貴、サンタナを2球で併殺

7回、髙橋が2点を失い走者を残して降板。ここで登板した岡留英貴が、相手の3番サンタナを1球目131.2km/hスライダーで見逃しストライク、2球目132.8km/hスライダーで遊撃併殺。派手な160km/hでも三振でもないが、これほど効率のいい火消しはない。

COMPARE岡留英貴、二軍の実績を一軍でも維持
2026年 二軍(25試合)
21回2/3投球回
0.83防御率
一軍再昇格後(2試合)
2回2/3投球回
0被安打
0失点

結論9月1日はサンタナにスライダー2球で遊撃併殺、わずか2球でイニングを終わらせた。8月27日の再昇格初戦は中日戦で2回完全・4奪三振。ビハインドと火消し、異なる場面で結果を出している。

サンプルはまだ小さく「勝ちパ確定」とは言えないが、9月のブルペンで役割を広げる可能性がある。

「今日だけ急によかった」投手ではない。二軍で結果を積み上げたうえで上がってきて、一軍でも異なる場面で結果を残している。8月27日はビハインドで2イニング、9月1日は走者を背負ったイニング途中の火消し。役割が違っても結果を出している。工藤や木下の160km/hコンビに注目が集まりやすい中、岡留は9月の「地味に大きい新戦力」になる可能性がある。

08森下は復帰戦2安打1四球、大山も3安打

前日の巨人戦で左前腕部の打撲により先発を外れていた森下は、3番右翼でスタメン復帰。4打数2安打1四球で、6回に中前打、9回には右翼線二塁打も放った。4回の併殺打も163.2km/h。佐藤の本塁打164.6km/h、近本の本塁打163.0km/hとほぼ同じ打球速度で、少なくとも「痛みで振れない」「打球に力がない」状態には見えない。1試合だけで「完全復活」と言う必要はないが、強い打球・安打・長打・四球すべてが出た、安心材料の多い復帰戦だった。

一方、大山は4打数3安打。左方向、右方向、左方向と打ち分けた。巨人3連戦ではセンターから右方向への打球が目立ち「右方向への意識が強くなったのか」という見方もあったが、今日の3安打を見ると、来た球に応じて左右へ強く打てていると見る方が自然だ。9月2日は阪神が今季苦しんでいる山野太一が相手。大山は山野に対して通算8打数4安打で、今日の状態を次戦へ持ち込めるかが注目点になる。

09吉村を「7回6失点」だけで見ると試合を読み違える

ヤクルト先発・吉村は最終的に7回130球、10安打、6失点。数字だけ見れば阪神が圧倒したように見える。しかし4回までは52球で無失点。阪神は安打を出しながら併殺などで得点できず、吉村のペースで試合が進んでいた。

球数
1回14球
2回20球
3回11球
4回7球
5回24球
6回13球
7回41球

4回までの52球に対し、5〜7回だけで78球。つまり阪神は「最初からボコボコにした」のではなく「中盤から一気に楽に投げられなくした」。5回に1点をこじ開け、6回に佐藤の一発、7回に近本の粘りと一発と、中盤以降に圧力を強めていった。

10巨人もサヨナラ勝ち、それでも阪神は自力でM20

阪神の試合と並行して行われた巨人-DeNAは、巨人が4-3でサヨナラ勝ち。9回、大城の安打から好機を作り、20歳の石塚裕惺がサヨナラ犠飛で試合を決めた。巨人も勝ったためゲーム差は4.5のまま。それでも阪神が自分で勝ったことで、優勝マジックは21から20に減った。

ここで重要なのは「巨人が負けるのを待つ」のではなく「阪神が自分で勝って減らす」という状況を維持できていること。残り25試合、9月は屋外球場での試合も多く簡単な日程ではない。だからこそ、1試合ずつ確実に減らせる日は減らす。9月初戦を取ったことは数字以上に大きい。

11佐藤と森下、同僚同士の本塁打王争い

佐藤31号、森下31号。同じチームの3番と4番が本塁打リーグトップに並んだ。阪神としては誰が取っても嬉しいが、個人タイトルとして見ればかなり面白い。森下は一時離脱が心配された直後に復帰し、その森下を一塁に置いて佐藤が31号を放った。そして佐藤は打率・打点でもトップ。チーム内で本塁打王を争いながら、佐藤は三冠王を狙う。優勝マジックが減っていく9月に、「誰が一番打つか」という別の楽しみまである、阪神ファンにとってかなり贅沢な終盤戦だ。

129月2日の注目点

予告先発はヤクルト・山野太一、阪神・西勇輝。山野は今季阪神がかなり苦しんでいる投手だが、大山は通算8打数4安打と相性が良い。今日3安打の大山が攻略の中心になれるかが焦点だ。森下の左前腕部は復帰初戦こそ良好だったが、死球後だけに連戦で痛みがぶり返さないか引き続き確認したい。佐藤の三冠王争い、森下との本塁打王争いも9月にどこまで維持できるかが見どころ。岡留がどの場面(ビハインド・中盤の火消し・勝ちパ前・連投回避日の代役)で使われるかも、藤川監督の起用構想を読むヒントになる。

13評価の限界

あえて逆から見ると

「6-2で勝ったのだから、序盤の拙攻を気にしすぎる必要はない」── 確かに結果的には6得点。しかし4回までの得点効率が悪かったこと自体は事実。毎試合本塁打が出るわけではなく、初回・一死の得点圏をどう1点に変えるかは引き続き課題になる。

「森下の163.2km/h併殺を不運と呼ぶのは違う」── その通り。角度マイナス1度の強いゴロは併殺リスクが高く、単純な不運ではなく打球設計の問題でもある。

「神宮だから佐藤の本塁打は入りやすかったのでは」── 球場特性は考慮すべきだが、164.6km/h・31度・119.8mという打球は球場補正だけで説明するには十分強い。「神宮の恩恵がゼロ」とは言わないが「神宮だから入っただけ」も違う。

「髙橋の7回2失点は守備のせいでは?」── 失策は絡んだが、赤羽には適時打も許している。守備の影響はあるが、最終的に止め切れなかった部分は髙橋自身の課題として残る。

「岡留はまだ2試合だけでは?」── その通り。再昇格後のサンプルは小さい。ただし二軍防御率0.83という土台があり、ビハインドと火消しという異なる場面で結果を出した。「勝ちパ確定」ではなく「9月に使える選択肢が増えた可能性」として扱う。

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阪神6-2ヤクルト。9月初戦は結果以上に中身の濃い勝利だった。前半はまた拙攻になりかけたが、髙橋遥人が自ら先制し、佐藤輝明が31号、近本光司が8球粘っての3ラン。森下翔太は復帰戦で2安打1四球、大山悠輔は3安打、岡留英貴はサンタナを2球で火消し。森下163.2km/hは併殺、近本163.0km/hは3ラン、佐藤164.6km/hは本塁打、佐藤175.6km/hは二直。強く打つだけでは結果は決まらない。角度、場面、走者、そして一打のタイミングで、同じような打球がまったく違う価値になる。9月初戦を取り、マジック20。次は今季苦しんでいる山野太一。今日3安打の大山を中心に、阪神がどう攻略するか、9月の優勝争いはここからさらに面白くなる。

15SOURCES / 参照データ

※本記事の数値は2026年9月1日試合終了時点のスナップショットです。

免責: 本記事はNPB公式記録、球団公式情報、報道・試合後コメント、公開された打球データなどをもとに、2026年9月1日試合終了時点の内容を整理・分析したものです。選手の意図、負傷の経過など公開情報だけでは確認できない点については、確認済み事実と分析・推測を分けて記載しています。森下翔太選手の状態は本記事公開時点の情報にもとづくものであり、その後の経過を保証するものではありません。特定の選手、監督、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。