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阪神が2夜連続サヨナラ!また大山――佐藤の同点打、植田海の盗塁と一打をWPAで徹底分析

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阪神
2 - 1
ヤクルト
2026年8月19日(水) | 京セラドーム大阪 | 延長10回サヨナラ。山野太一に8回11奪三振・無失点も、9回佐藤の同点打→10回大山の犠飛で2夜連続サヨナラ勝ち
大山悠輔
サヨナラ犠飛
山野太一から3打席3出塁、一度もアウトにならず
佐藤輝明
2夜連続同点打
18日は本塁打、19日は9回に右前タイムリー
植田海
盗塁+決勝の一打
WPA参考値で見ると試合を動かした男
30 SEC REVIEW

30秒で分かる試合

  1. 01
    大山は最後だけじゃない

    山野太一から2安打1四球、3打席すべて出塁。阪神打線が11三振を喫した試合で、大山だけは一度もアウトにならなかった。

  2. 02
    佐藤は2夜連続で9回に同点打

    18日は本塁打、19日はタイムリー。大山のサヨナラは、2試合とも佐藤が試合を終わらせなかったから存在する。

  3. 03
    植田の盗塁だけでWPA参考値+12.4pt

    9回、代走出場から二盗を決め、勝利確率を大きく押し上げた。

  4. 04
    10回の一打が2者連続敬遠を封じた

    植田のヒットで一死一・三塁に。佐藤を敬遠しても、大山まで敬遠すれば押し出しサヨナラになる状況を作った。

この記事の数字について

WPA(勝利確率)の数値はNPB公式の個人WPAではなく、Retrosheetを基にしたMLBの歴史的Win Expectancyデータを参考にした概算値です。絶対値を断定的に扱うのではなく、どのプレーが試合を大きく動かしたかを比較する参考値として扱っています。9回の悪送球による進塁分を植田選手個人の功績と断定していません。ヤクルトが実際に2者連続敬遠を選んだかどうかも断定せず、「その選択肢を持てたが消えた」という表現にとどめています。

01試合の流れ

阪神は初回から山野太一に完全に抑え込まれ、8回まで0-1。8回には岩崎優が押し出し四球で先制を許したが、神宮僚介が追加点を止め、及川雅貴が9回を三者凡退。1点差のまま9回裏へつないだ。

森下の出塁から代走・植田海が盗塁、悪送球で三塁へ進み、佐藤輝明が同点タイムリー。延長10回は近本の出塁を熊谷が送り、植田が中前打で一死一・三塁。佐藤を申告敬遠したヤクルトは大山との勝負を選ばざるを得ず、大山の犠牲フライで2夜連続のサヨナラ勝ちが決まった。

前夜がホームラン2本による「個の破壊力」だったのに対し、この夜は代走・盗塁・送りバント・敬遠が絡む「総力戦」だった。

02大山悠輔は最後だけじゃない

見出しだけなら「また大山」で終わる。しかし19日の大山を最後の犠牲フライだけで評価すると、この試合の本質を見落とす。山野太一との対戦は2回右前打、5回左前打、7回四球の2打数2安打1四球、3打席すべて出塁。山野は阪神打線から8回で11個の三振を奪ったが、大山だけは一度もアウトにならなかった。

COMPARE山野に11奪三振でも、大山だけは出塁し続けた
阪神打線(8回計)
11奪三振
5被安打
1四球
大山悠輔(3打席)
2安打対山野
1四球対山野
0三振

結論チームが11個の三振を喫した試合で、大山だけは山野から一度もアウトになっていない。

阪神打線の集計は山野登板の8回分。大山の打席はそのうち3打席。

COMPARE同じ「佐藤→大山」でも、勝ち方は真逆だった
8/18(前夜)
2本本塁打(佐藤・大山)
9回1死決着イニング
0送りバント数
8/19(この試合)
0本本塁打
10回1死決着イニング
2送りバント数

結論前夜は佐藤・大山の連続本塁打で一気にひっくり返した「個の破壊力」。この夜は代走・盗塁・送りバント・敬遠が絡む「総力戦」だった。

送りバントは5回(谷端)と10回(熊谷)の2つ。

前日はホームラン、この日は犠牲フライ。派手さは違うが、「どんな形でも勝てばいい」という4番・5番打者としての仕事が2日続けて結果になった。

03佐藤輝明は2夜連続で9回に試合を救った

ニュースの見出しは「大山、2夜連続サヨナラ」になる。しかし試合構造を見ると、佐藤も2夜連続で同じことをしている。8月18日は9回1点ビハインドで29号同点ソロ、8月19日は9回1点ビハインドで右前同点タイムリー。「佐藤が打たなければ、大山のサヨナラは存在しなかった」という点で2試合とも同じだった。

19日はそれだけではない。同点打のあと自ら盗塁を決め、10回にはヤクルトから申告敬遠された。「佐藤を越えなければ大山がいる」——前夜に2人で連続本塁打を打ったことが、翌日の相手の選択にも影響を与えたと見ることができる。

04植田海――WPAで見る「試合を動かした男」

ヒーローは大山、同点打は佐藤。しかし「勝利確率を動かしたプレー」という視点で見ると、植田海の存在が非常に大きい。ここではWPA(Win Probability Added=そのプレーの前後でチームの勝利確率がどれだけ変わったか)の考え方を使う。

代走の枠を超えた男

植田海

9回代走から盗塁、10回は自ら一打

+12.4pt盗塁のWPA参考値
+8.9pt10回一打のWPA参考値
一死一・三塁10回のヒットで作った形

9回は森下の出塁を受けて代走出場、二盗を決めて試合を動かした。10回は一死二塁から自ら中前打を放ち、佐藤・大山を両方敬遠できない状況を作った。

WPA参考値はいずれもRetrosheetベースの概算値。9回の悪送球で進んだ分は植田個人の功績と断定しない。

公式の個人WPAではなく、比較用の参考値として扱う。

FLOW9回裏、勝利確率はこう動いた
  1. 9回裏開始
    18.0%

    0-1、無死走者なし。敗戦まで持ち込まれかけていた。

  2. 森下 中前打
    30.6%

    無死一塁。(+12.6pt)

  3. 植田 二盗成功
    42.9%

    無死二塁。盗塁そのものの参考値は+12.4pt。

  4. 悪送球で三塁
    55.0%

    無死三塁。(+12.1pt、悪送球分を含む)

  5. 佐藤 同点タイムリー
    73.7%

    右前打。(+18.7pt)

読みどころ植田の盗塁だけで約12ポイント上昇。悪送球を含む一連のプレーで、試合はほぼ五分まで戻った。

WPA参考値はNPB公式の個人WPAではなく、Retrosheetを基にしたMLBの歴史的Win Expectancyデータを参考にした概算値。悪送球分を植田個人の功績と断定しない。

注目は植田の盗塁そのもの。約30.6%→約42.9%で約12ポイントの上昇だった。佐藤の同点打が約+18.7ポイントなので、植田の盗塁がどれだけ大きかったかがわかる。ただし悪送球による三塁進塁の部分は植田個人だけの功績ではないため、そこまでを植田のWPAと断定はしない。

0510回の一打が「2者連続敬遠」を消した

10回裏、近本の先頭打者ヒットを熊谷が送り一死二塁。ここで植田が中前打を放ち、一死一・三塁とした。WPA参考値では約73.1%→約82.0%で約+8.9ポイント。だがこのヒットの本当の面白さは数字だけではない。

DECISION FLOW10回の一打が「2者連続敬遠」を消した
  1. 一死二塁で植田が凡退なら二死二塁次打者は佐藤、その次は大山
  2. 佐藤を申告敬遠すると二死一・二塁ヤクルトが選択できた道の一つ
  3. さらに大山も敬遠すれば二死満塁その次の打者と勝負する余地が残る
  4. しかし植田が中前打一死一・三塁WPA参考値+8.9pt
  5. 佐藤を敬遠すると大山を歩かせれば押し出しヤクルトは大山と勝負するしかなくなった

植田の一打は「チャンスを広げた」以上に「佐藤と大山を両方避ける逃げ道を消した」一打だった。

ヤクルトが実際に2者連続敬遠を選んだかどうかは断定しない。植田が凡退していればその選択肢を持てた、という整理。

実際にヤクルトが選んだのは佐藤との敬遠。そして大山が犠牲フライでサヨナラ。植田のヒットは「チャンスを広げたヒット」より、「佐藤と大山を両方避ける逃げ道を消したヒット」と表現した方が、この試合の面白さを正確に伝えられる。

065回と10回、同じ1点野球で何が違ったか

5回は大山・坂本のヒットから谷端が送りバントを決め一死二・三塁としたが、岡城が三振、伊藤将司も遊ゴロで無得点。10回は近本の出塁を熊谷が送り、植田が打った。両方とも「送りバントで1点を取りにいく攻撃」だったが、5回は失敗、10回は成功。差は「送りバントの次の打者」が打てたかどうかだった。

さらに深掘り:近本光司の5打数3安打と、谷端将伍プロ初スタメンの中身

近本が出たから、送りバントが機能した

派手なサヨナラ劇で埋もれやすいが、近本は5打数3安打。1回は右前打から盗塁成功、8回は左前打、10回は中前打でサヨナラの起点になった。一死ではなく無死一塁で始められたからこそ、熊谷の送りバントという選択が成立している。10回の攻撃は「近本が出る→熊谷が送る→植田が打つ」という上位・控えの連鎖で作ったチャンスだった。

谷端将伍、初安打は出なかったが仕事はした

この日が一軍初登録の谷端将伍は、7番・二塁でプロ初スタメン。結果は2打数0安打(初打席三塁併殺、7回三ゴロ)で初安打は出なかった。ただし5回、無死一・二塁で送りバントを一発で成功させている。プロ初スタメンの新人が「自分が打ってアピールしたい」ではなく、チームが求める1点のために仕事をした。その後得点できなかったのは谷端のバントの問題ではない。守備を含めて、中野の状態次第では引き続き出番がある可能性もある。

07山野太一に11奪三振、勝ったから忘れてはいけない宿題

阪神は勝ったが、打線が山野を攻略したわけではない。山野は8回114球、5安打、11奪三振、1四球、無失点。今季対阪神は4試合25回2/3で防御率約1.05、K/9約9.82、WHIP約0.94。もはや「今日は良かった」で終わる数字ではなく、阪神は今季、山野を明確に苦手としている。

さらに深掘り:山野の球種変化、なぜ右打者を並べても打てなかったのか

カットボールからワンシームへ

山野は左投手のため、阪神は熊谷・森下・大山・坂本・谷端・岡城と右打者を多く並べた。方向性自体は不自然ではない。しかし2026年の山野は「左には強いが右なら打てる」という単純な投手ではなくなっている。報じられている数字では、カットボールの割合が2025年11.4%から2026年4.7%へ減少する一方、ワンシームは4.0%から22.8%へ大幅増加。右打者の内側へ入りながら沈むワンシームが大きな武器になった。さらにフォーク系も改良し、本人は春に「スプリットチェンジ」と呼ぶ新球への手応えを語っている。

つまり今季の山野は対左にスライダーなど横変化、対右にワンシーム+落ち球という形で、右打者への攻略手段も増やしている。次回対戦では「左投手だから右を並べる」だけでなく、ワンシームをどう捨てるか、落ち球をどこまで我慢できるかまで対策を進める必要がある。

08伊藤将司と岩崎優、明暗分かれた継投

伊藤将司は6回92球、4安打、7奪三振、2四球、無失点。特に2回、一死二・三塁から連続三振を奪って無失点で切り抜けた場面は、後のサヨナラ勝ちを成立させた隠れた大きな局面だった。

一方、8回の岩崎優は被安打0のまま失点。長岡に四球、モンテルを申告敬遠、赤羽に四球、西村へ押し出し四球で先制を許した。公式記録上の与四球4のうち1つは申告敬遠で、通常の四球は3つ。この試合前まで今季34回1/3で通常四球8個だった投手が1試合で3個は明らかな異常値だが、「もうダメ」と断定するには材料不足で、次回登板で再発するかを見るのが妥当だ。

09神宮・及川・工藤、追加点を許さなかったリリーフ陣

岩崎が押し出しで1点を失った直後、二死満塁で神宮僚介が登板し内山を見逃し三振。0-1のまま止めたこのアウトは非常に大きい。0-2になっていれば、9回の佐藤の同点タイムリーだけでは追いつけなかった。

9回は及川雅貴が1回13球、無安打無四球で三者凡退。1点ビハインドのまま9回裏へつないだことで、植田の盗塁と佐藤の同点打が生きた。10回は工藤泰成が1安打を許しながらも無失点で勝利投手に。伊藤将司→木下里都→岩崎優→神宮僚介→及川雅貴→工藤泰成の6投手リレーで、10イニングの失点は1にとどめた。

投手リレー
投手被安打奪三振四球失点
伊藤将司64720
木下里都10010
岩崎優0.2004※1
神宮僚介0.10100
及川雅貴10100
工藤泰成11100

※岩崎の与四球4のうち1つは申告敬遠。通常の四球は3つ。

10中野拓夢と谷端将伍

前日18日に二塁守備で左足を痛めた中野拓夢は、19日は登録抹消されずスタメンから外れ、8回に代打出場も空振り三振。連続試合出場は569試合に伸びた。「代打で出られた」のは安心材料だが、打席に立てることと二塁を9イニング守れること、全力で走れることは別問題で、この試合だけで「もう問題なし」とするのは早い。

代わりに2番へ入った熊谷敬宥は4打数0安打3三振と打撃では苦しんだが、10回は近本のヒット後に送りバントを成功させ、つなぐ2番として役割を果たした。「中野の代わりは無理」でも「熊谷で問題ない」でもなく、打つ2番としては中野不在の影響が出た、と見るのが適切だろう。

11巨人敗戦でゲーム差4

同日、巨人はDeNAに0-1で敗戦。試合前は阪神60勝46敗1分、巨人57勝49敗2分でゲーム差3だったが、阪神の勝利と巨人の敗戦が重なり、試合後は61勝46敗1分と57勝50敗2分でゲーム差4に拡大した。阪神は3連勝、貯金15。18日も19日も、阪神が勝ち巨人が敗れた。この2日間で首位阪神にとってかなり大きな流れができた。

12次戦へのポイント

  • 中野拓夢:代打出場は安心材料だが、スタメン復帰と守備・走塁までの回復は別に見る必要がある。
  • 岩崎優の次回登板:通常四球3つは明らかな異常値。一過性か、フォームや疲労に何かあるのかを確認したい。
  • 山野太一への次回対策:右打者を並べるだけでは足りない。ワンシームと落ち球への対応が必要になる。

13評価の限界

あえて逆から見ると

「サヨナラ勝ちはすごいが、山野を打てなかっただけでは?」── その通り。山野に8回11奪三振・無失点、対阪神防御率も概算1.05で明確な課題。ただし苦手投手に完璧に抑えられた試合でも、投手陣が耐え、山野降板後に試合をひっくり返した。「課題がない」のではなく「課題がある試合を拾った」ことを評価したい。

「植田のWPAを大きく見せすぎでは?」── 注意が必要。悪送球で三塁まで進んだ部分は植田個人だけの功績ではない。そのため約30.6%→約55.0%をすべて植田個人のWPAとして扱わず、盗塁そのものの参考値である約+12.4ポイントと分けて整理している。

「10回の植田のヒットがなくても、佐藤・大山を本当に連続敬遠したかわからない」── これもその通り。「ヤクルトは必ず2人を敬遠した」とは書かない。正確には「植田がアウトなら2者連続敬遠という選択肢を持てたが、ヒットによってその選択肢がなくなった」とする。

「熊谷のバントはWPAが上がっていないなら失敗?」── そうではない。WPA参考値は平均的な歴史データであり、打者の能力や打順、ベンチの残り駒までは完全に反映しない。無死一塁から一死二塁へのバントは平均値では勝利確率がほぼ横ばいだが、「1点取れば終わる」という状況で走者を進めた意図自体は理解できる。その後に植田が打ったから成立したことが重要だ。

14動画・関連記事

今回の2夜連続サヨナラは、特に植田海の9回の盗塁が勝利確率をどれだけ動かしたのか、10回のヒットがなぜ「佐藤・大山の2者連続敬遠」を封じたのか、大山悠輔が山野太一にどう対応していたのかを、動画ではスライドとWPA参考値を使って詳しく整理しています。

免責: 本記事はNPB公式記録、球団公式情報、公開された試合速報、報道記事などをもとに、2026年8月19日試合終了時点の内容を整理・分析したものです。WPA(勝利確率)の数値はNPB公式の個人WPAではなく、Retrosheetを基にしたMLBの歴史的Win Expectancyデータを参考にした概算値です。リーグや時代による得点環境の違いがあるため、絶対的な数値ではなく各プレーが試合状況をどの程度動かしたかを比較する参考値として扱っています。選手や首脳陣の意図、配球方針、コンディションなど公開情報だけでは確認できない点については、確認済み事実と分析・推測を分けて記載しています。短期間の試合結果や打球結果は偶然性の影響も大きいため、1試合の数字だけで選手能力や今後の成績を断定するものではありません。特定の選手、監督、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。