阪神3-2ヤクルト 佐藤29号→大山サヨナラ弾!「あと2アウト」から全部ひっくり返った夜を徹底分析
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30秒で分かる試合
- 018回まではヤクルトの勝ちゲームだった
吉村貢司郎に7回1失点、9回1死走者なし。敗戦まであとアウト2つだった。
- 02村上が6回2失点で試合を壊さなかった
QSを達成。及川・湯浅・桐敷が3回を無失点でつなぎ、1点差を守り切った。
- 03佐藤が敗戦を消し、大山が試合を終わらせた
同じ清水昇のフォークを連続本塁打。打球能力の一発と、読みと技術の一発は中身が違う。
- 04巨人サヨナラ負けでゲーム差3に
試合だけでなく、佐藤の三冠王争いと優勝争いまで同じ夜に動いた。
打球速度・角度・清水昇投手の球種構成は、公開・提供された一球データをもとに集計しています。大山悠輔選手の狙いは本人コメント「変化球を狙っていた」にもとづくもので、「フォーク一本を狙っていた」とまでは断定していません。中野拓夢選手の状態は試合後時点の報道にもとづくもので、翌日以降の出場可否は今後の確認が必要です。
01試合の流れ
8回終了時点で、この試合はほぼヤクルトの勝ちゲームだった。阪神は初回に佐藤輝明の適時打で先制したが、その後は吉村貢司郎を崩せず2回から8回まで7イニング連続無得点。9回裏も先頭・森下翔太が三振し1死走者なし、敗戦まであとアウト2つだった。
- 1回1–0
中野が出塁、森下が四球、佐藤輝明が右前適時打で先制。
- 2回1–1
二死から投手・吉村に安打を許し、武岡の適時打で同点。
- 6回1–2
古賀の三塁打を足場に、西村の犠飛でヤクルトが勝ち越し。
- 9回表1–2
桐敷が二死一、三塁の危機を岩田の見逃し三振で無失点。
- 9回裏2–2
1死走者なしから、佐藤輝明が29号同点ホームラン。
- 9回裏3–2
直後に大山悠輔が14号サヨナラホームラン。
読みどころ8回までは2回から無得点の完全な負け試合だった。9回の2本が試合の性格を丸ごと変えた。
そこから佐藤が清水昇のフォークを29号同点ホームランに。直後、大山悠輔が14号サヨナラホームラン。二者連続本塁打で3-2の逆転サヨナラ勝ちとなった。
024連勝ヤクルトは伊達じゃなかった
今回のカード前、ヤクルトは4連勝。しかも12-0の大量点、7-2の快勝、3点差を追いついての4-3サヨナラ、2-1を投手陣で守り切る勝利と、勝ち方が一つのパターンに依存していなかった。今日も8回までは、その「少ない得点を守り切る」勝ちパターンに完全に入っていた。阪神が弱いから1-2だったのではなく、ヤクルト側がほぼ理想通りに試合を作っていた。
03吉村貢司郎、7回1失点
吉村は7回106球、5安打、1四球、7奪三振、1失点。初回に先制を許した後は完全に試合を作り、4回には佐藤・大山を連続三振に打ち取っている。今日の阪神は吉村を打ち崩してはいない。8回開始前、治療中とのアナウンスで星知弥へ交代しているが、「打線が吉村を攻略して降板させた」わけではなく、「吉村にはほぼ負けていた」というのが正確だ。そのうえで最後に清水から2本のホームランで試合を奪った、と書いた方が9回の異常さが際立つ。
04村上頌樹、6回2失点の価値
村上は6回97球、7安打、2四球、3奪三振、2失点でクオリティースタート(6回以上・自責点3以内)を達成。数字だけを見れば圧倒的ではなく、2回には投手・吉村への安打から同点打を許すなど走者を多く出した。それでも大量失点にはせず、6回2失点で試合を壊さなかった。村上があと1点取られていれば9回裏は1-3。佐藤の本塁打で2-3、大山の本塁打でも3-3で、サヨナラにはならなかった。
さらに深掘り:また投手に打たれた「小さいけれど嫌な問題」
2回、二死から投手打席で失点につながった
2回二死一塁、打席は投手の吉村。ここで村上が右前打を許し、続く武岡龍世に同点適時打を打たれた。投手に打たれること自体は毎回重大な問題ではないが、二死・投手打席でイニングを切れず、次打者で失点となると話は別だ。「投手に打たれた」珍しさではなく、そこで攻撃を切れなかったことで失点までつながった点を課題として扱いたい。広島戦でも同様の投手打席対応が目立っており、継続して見たいポイントになる。
05勝っても消えない「2~8回無得点」
1回裏、中野が出塁し森下が四球、佐藤が返して1-0。きれいな攻撃だったが、続く大山が併殺で1点止まり。結局阪神は2回から8回まで無得点だった。先制後に次の点をどう取るかは、勝った今日も消えていない課題だ。8月15日広島戦は森下の2ランから追加点を取れず敗戦、8月16日は佐藤の初回2ランから6回まで追加点なし、そして今日も佐藤の初回適時打から8回まで追加点なしと、3試合連続で同じ形になっている。
さらに深掘り:8月16日は「線」、8月18日は「点」で勝った
勝ち方が真逆の2試合
8月16日の広島戦は8-1。本塁打由来の得点は佐藤の2ランの2点だけで、残り6点は大山→前川→坂本→伏見とつながった打線が7〜9回に生んだものだった。「打線が線になった」と評価できる試合だ。
一方、今日の阪神の3得点は、佐藤の先制適時打、佐藤の同点本塁打、大山のサヨナラ本塁打の3つのみ。2〜8回は無得点で、「巨大な点を2つ打ち込んで勝った」試合になった。チームの勝ち方に幅があるとは言えるが、「打線のつながり問題が解決した」という意味ではない。
約1カ月前の7月12日ヤクルト戦でも、この日と同じ吉村先発を6回まで1安打無得点に抑えられながら、終盤に佐藤輝明18号2ラン→大山悠輔12号ソロの二者連続本塁打で3-0勝利している。「吉村に抑えられる→佐藤→大山」という並びが再び出たのは、かなり印象的な再現だ。
06桐敷拓馬、隠れた勝因の9回
佐藤と大山の連発が強烈すぎて忘れられやすいが、7回及川雅貴、8回湯浅京己、9回桐敷拓馬とリリーフ陣が全員無失点で1点差を守り続けたことが、今日の試合を成立させている。
- 先頭打者伊藤に四球送りバントで二塁へ進める↓
- 二死から長岡に死球二死一、三塁。一打で1–3の場面↓
- 一打サヨナラ負け圏内で岩田を見逃し三振9回表を無失点で終える↓
- 結果1点差を維持「本塁打2本なら勝てる」条件を9回裏へ残した
桐敷のゼロがなければ、佐藤と大山の本塁打も2–3・3–3の同点止まりだった。
9回表の失点回避と9回裏の逆転は、切り離せない一続きの出来事として扱う。
仮に9回表にヤクルトが1点を追加していれば1-3。その場合、佐藤のホームランで2-3、大山のホームランでも3-3と同点止まりで、「二者連続で逆転サヨナラ」という結末は存在しなかった。勝利投手・桐敷は、単に味方が直後にサヨナラして勝ち星が転がり込んだわけではない。自分のゼロで、サヨナラが成立する条件を守った。
07佐藤輝明29号は同点弾だけじゃない
9回裏1死走者なし。清水昇の3球目、127.8km/hのフォークを佐藤が右中間スタンドへ。打球速度174km/h、飛距離129m、打球角度33度。ギリギリ入ったホームランではなく、強さ・高さ・距離のすべてがそろった一発だった。
佐藤輝明
8月18日終了時点/打率・打点は1位、本塁打は1位タイ
出塁率.400、長打率.628、得点圏打率.351。7月は打率.229まで落ちたが、8月は15試合で打率.298・7本塁打とペースを上げている。
ヤクルト戦は16試合で打率.351・5本塁打・OPS1.108。今日だけの一発ではなく、シーズンを通してヤクルトに強い。
本塁打は森下翔太と29本で並ぶトップタイ。三冠王は現時点の位置であり、確定した評価ではない。
本塁打は森下翔太と29本で並びトップタイ。三冠王争いの面白いところは、最大のライバルが他球団ではなく同じ阪神打線の3番にいることだ。現時点で佐藤は三冠王の位置にいる、というのが正確な表現で、「確実」「決定的」と断定はしない。7月に打率.229まで落ちながら、8月は率を戻しつつ7本塁打とペースを上げているのが、三冠王を現実的にする材料になっている。
08大山悠輔14号、「変化球狙い」の5球
佐藤の同点弾直後、大山への5球。1球目フォーシームボール、2球目フォークボール、3球目フォーク見逃しストライク、4球目カット空振りで2-2まで追い込まれた。佐藤にホームランを打たれた直後にもかかわらず、清水は大山を追い込むところまで立て直している。そこで5球目、127.9km/hのフォークを左翼席へ。14号サヨナラホームランになった。
大山本人は「変化球を狙っていた」と明かしている。ただし「フォーク一本を狙っていた」と狭めるのは正確ではない。2-0から2-2まで追い込まれても狙いを大きく崩さず、最後に来た変化球を仕留めた点に価値がある。佐藤が圧倒的な打球能力で敗戦を消したのに対し、大山は読みと追い込まれてからの技術で試合を終わらせた。
結論佐藤は圧倒的な打球能力で敗戦を消し、大山は変化球への読みと追い込まれてからの技術で試合を終わらせた。
投球はどちらも清水昇のフォーク(127.8km/h/127.9km/h)。打球の作り方は違う。
結論一日中好調だったわけではない。それまで結果が出ていなかった打者が、最後の1打席で狙いを定めて仕留めた。
打席内容は試合経過の記述にもとづく整理。
大山はサヨナラ弾まで初回併殺、4回三振、6回右飛と3打数0安打だった。一日中好調だったわけではなく、今日初めての安打がそのままサヨナラ本塁打になった、というのが実際のところだ。
09清水昇の9回を単純な配球ミスと言わない理由
清水は9回、3打者に13球を投げ、うちフォークは9球。9÷13=約69.2%で、明確にフォーク中心の投球だった。佐藤にフォークを打たれた直後、大山にも最後はフォークという結果だけを見れば「なぜまた同じ球を」と言いたくなる。
しかし大山への打席では、清水は2-0から2-2まで戻している。3球目のフォークではストライクを取り、4球目のカットでは空振りを奪った。完全に制御を失っていたわけではない。この回13球中9球がフォークだったのは、もともとフォークを中心に勝負している投手の通常運転であり、単純な配球ミスと断定するのは雑だ。「ヤクルトが最後に頼った勝負球を、阪神の4番と5番が続けて打ち破った」と評価する方が、今日の2本の価値を正しく表せる。
10中野拓夢、ファインプレーと最新情報
中野は初回に右前打で先制の起点となり、2回には古賀優大の二塁上空への打球に左腕を伸ばしてジャンピングキャッチ。守備だけでも今日のハイライトの一つだった。
しかし3回の打席を終え、4回の守備から熊谷敬宥へ交代。試合中は理由が分からず心配されたが、試合後に情報が更新された。報道によると中野は試合中に大阪市内の病院を受診し、「骨折はない」とされている。藤川球児監督も明日以降の状態を見るという前提を置きつつ、「もう大丈夫でしょう(笑)」と比較的楽観的なコメントを残した。一方で本人は実際に動いてみてから判断する趣旨の説明にとどめている。
したがって現時点では「重い骨折という最悪ケースはいったん回避、ただし明日の出場が確定したわけではない」という整理が適切だ。中野は568試合連続出場中と報じられており、優勝争いの終盤だけに、記録よりコンディションを優先する判断も十分あり得る。
11同じ夜、巨人はサヨナラ負け
試合前、阪神と2位巨人は2ゲーム差。阪神が負けて巨人が勝てば1ゲーム差まで縮む可能性があった。実際には巨人はDeNA戦で1-3から追いつき8回に3-3としながら、9回裏にサヨナラ負け。阪神は9回裏にサヨナラ勝ち。
試合終了後、阪神60勝46敗1分、巨人57勝49敗2分でゲーム差は3。「今日の勝ちは実質2勝」とまで言う必要はないが、最悪シナリオと実際の結果を比べれば、一晩で2ゲーム分の景色が動いたことは間違いない。
12次戦へのポイント
今日の勝利は「打線完全復活」ではない。阪神7安打、得点した打者は実質的に佐藤と大山だけで、打線の課題を残したまま中軸の破壊力で勝ち取った一戦だった。
- 三冠王争い:打率3割1分台を維持できるか。本塁打は森下との29-29が最も接戦。打点は走者を返し続けられるか。
- 優勝争い:ゲーム差は3に広がったが、まだ8月18日。巨人・先発ローテ再編中の阪神とも、安全圏と見る段階ではない。
- 中野拓夢の状態:骨折なしは安心材料だが、翌日以降の出場可否とポジション編成は要確認。
13評価の限界
「結局ホームラン2本だけ。打線は良くないのでは?」── その通り。だから「打線復活」とは評価しない。ただし打線全体が機能しない日に中軸の個の力で勝てること自体は、優勝争いでは大きな価値がある。
「清水の配球ミスでは?」── 佐藤にフォークを打たれた後、大山にもフォークで決着したためそう見える。ただ大山を2-2まで追い込んでおり、この回13球中9球がフォーク。自分の軸になる球で勝負した結果を、単純な配球ミスと断定するのは雑だ。
「村上は7安打も打たれている。評価しすぎでは?」── 内容は圧倒的ではない。ただ6回2失点で止めたことで最後まで1点差が維持された。良かった部分と課題を分けて見るべきだろう。
「桐敷は勝利投手になっただけでは?」── 9回表に二死一、三塁を無失点。1点取られていれば2本塁打でも3-3で同点止まり。サヨナラを成立させるゼロだった。
「中野は監督が大丈夫と言っているなら問題ないのでは?」── 骨折なしという情報は安心材料。ただし本人は実際に動いてみて判断する趣旨で、翌日の出場まで断定しない。
「ゲーム差3ならもう余裕では?」── まだ8月18日。巨人は2位で3差、阪神も先発ローテ再編中。安全圏と見る段階ではない。
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