阪神4-2広島|佐藤輝明ノーヒットでも勝てた理由 森下翔太24号、才木浩人7勝目、梅野隆太郎2打点
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今日の阪神は、四番・佐藤輝明の「テルモード」が起動しませんでした。3打数無安打、2四球。それでも勝ちました。主役は森下翔太と才木浩人、そして今日は絶対に外せないのが梅野隆太郎です。5回、森下があどぅわのフォーシームをバックスクリーン左へ運ぶ24号2ラン(打球速度173km/h・飛距離130.4m・角度28度)で1対0を3対0に。才木は8回130球、被安打4、2失点、7奪三振でリーグトップタイの今季7勝目、マツダスタジアムでは通算4勝0敗の不敗を継続しています。その才木とバッテリーを組む梅野が、4回の先制犠牲フライと7回の追加点タイムリーで2打点。捕手として8回までゲームを作り、打者としても結果を出しました。チームは7安打・四球6・死球3で塁を埋めながら4得点にとどまり、得点効率の面では課題も残る一戦でした。
阪神が広島に4対2で勝ち、連勝で貯金10、前半戦の勝ち越しを決めました。点差以上に中身の濃い試合です。先発の才木が8回130球。打っては森下が自己最多を更新する24号。そして才木と組む梅野が、先制の犠牲フライと追加点のタイムリーで2打点でした。前の試合は 阪神3-1中日|4安打・8四球でも勝てた理由 佐藤輝明21号、木下里都プロ初勝利、髙寺望夢の神走塁 をどうぞ。
01走者を出しながら仕留め切れなかった序盤
マツダスタジアム / 阪神:7安打4得点・四球6・死球3 / 勝:才木浩人(7勝目) / S:岩崎優(10セーブ目) / 本塁打:森下翔太24号2ラン
初回、先頭の近本光司が四球で出塁。中野拓夢の二ゴロで二塁まで進みましたが、森下と佐藤が倒れ無得点でした。2回もアウワの死球と前川右京の打球で起きた相手のエラーからノーアウト一塁二塁の好機を作りましたが、梅野・熊谷敬宥・才木が倒れここも無得点。立ち上がりのアドゥワは決して圧倒的ではなく、阪神が走者を出しながら仕留め切れなかった、という方が実態に近い内容でした。
その嫌な空気をまず変えたのが梅野です。4回、先頭の佐藤が四球、大山悠輔がヒット、前川が死球でノーアウト満塁。ここで7番の梅野がセンターへ犠牲フライを放ち、阪神が1点を先制しました。ノーアウト満塁で1点だけという意味では攻撃全体としてはやや物足りませんが、ゼロのまま終わらせず才木に先に1点を渡した意味は大きいものでした。
02才木浩人8回130球で7勝目、マツダ無敗継続
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投球回 / 球数 | 8回 / 130球 |
| 被安打 / 奪三振 / 与四球 | 4 / 7 / 2 |
| 失点 | 2(7回まで無失点) |
今季7勝目で、マツダスタジアムでは通算4勝0敗の不敗を継続しています。
| 球種 | 球数 | 割合 |
|---|---|---|
| フォーシーム | 72球 | 55.4% |
| フォーク | 27球 | 20.8% |
| スライダー | 19球 | — |
| カーブ系 | 12球 | — |
フォーシームとフォークの2球種だけで4分の3を超えます。まず速い真っすぐを見せてフォークを振らせる。そこへスライダーとカーブ系を混ぜることで、広島打線に狙いを絞らせませんでした。4回まではフォーシームの平均球速が150km/h台、最高は153.2km/hを記録。初回から力で押しながら、落ちる球で三振を取れていました。
ずっと簡単だったわけではありません。4回は菊池涼介に二塁打を許し四球もあってツーアウト一塁三塁となりましたが、小園海斗を二ゴロに抑えました。6回も四球とヒットでツーアウト一塁二塁を作られましたが、4番の坂倉将吾をレフトへのファウルフライに仕留めています。今日打たれた相手はほぼ菊池一人で、菊池は二塁打・四球・8回のツーラン。才木の2失点はそのホームランだけで、広島打線全体に崩されたというより、菊池に集中してやられた試合でした。
03梅野隆太郎の2打点 久しぶりの結果
4回の先制犠牲フライは梅野にとって約2か月ぶりの打点で、犠牲フライ自体は2シーズンぶり。打率だけを見ると厳しい数字ですが、捕手の打撃はこういう場面で1点を取れるかどうかが非常に大きいものです。
7回にはもう一度仕事をしました。森下の四球から始まり、大山の二塁打、前川へのこの日2つ目の死球でワンアウト満塁。梅野がセンター前へタイムリーヒットを放ち4対0としています。タイムリーの打球速度は165.8km/h。たまたま落ちた当たりではなく、しっかり捉えた一打です。犠牲フライとタイムリー、違う形での2打点。今季初の複数打点でした。
今季途中から、才木の登板日には梅野という組み合わせがはっきり定着しています。才木は三振を奪える投手ですが球数が増えやすい一面もあり、今日も130球でした。力で押すところと変化球を混ぜるところを使い分け、打者が真っすぐとフォークだけに集中しないようスライダーやカーブを挟み、ピンチでは才木の一番強い球へ戻る――長く組む中で二人の役割分担が見えます。捕手陣が併用される中で梅野は一軍に戻ってから先発マスクの機会を増やしており、今日のような結果が出れば起用する側にとっても大きな材料になります。「才木の日だから梅野が出た」ではなく、「梅野が出たから才木が勝ち、打線にも2点が入った」と言える試合でした。
04森下翔太24号 完璧にそろった一発
5回、先頭の近本がヒット、中野がきっちり送りバントを決めてワンアウト二塁。ここで森下がアドゥワのフォーシームをバックスクリーン左へ運びました。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 打球速度 | 173km/h |
| 飛距離 | 130.4m |
| 打球角度 | 28度 |
速さ、角度、飛距離が全部そろった完璧なホームランです。阪神は走者を出してもなかなか点にならなかった流れを、森下が一発で1対0から3対0に変えました。これが三番打者の破壊力です。24号は昨年の23本を超える自己最多で、残り試合を考えればここからどこまで伸ばすのか。本塁打王争いでも佐藤との距離がまた縮まりました。
05佐藤輝明「テルモード」不発の理由
佐藤は3打数無安打、2四球。完全に悪かったというより、打球の角度が合いませんでした。
| 結果 | 打球速度 | 打球角度 |
|---|---|---|
| レフトフライ | 160.3km/h | 62度 |
| レフトフライ | — | 53度 |
1本目のレフトフライは打球速度160.3km/hと力はありましたが、角度62度はホームランの角度ではなく上がりすぎ。森下は28度、佐藤は62度。森下は前へ飛ばし、佐藤は上へ飛ばした――今日の二人の差はかなり分かりやすいものでした。それでも佐藤は2四球を選んでいます。打てない日に無理に追いかけず、後ろの大山へつないだ点は悪くありませんでした。
06大山悠輔が最も安定、4出塁の一日
そして大山が3安打、死球もあって4出塁。今日の打線で最も安定していたのが大山でした。速いライナーのヒット、長打になる二塁打、低い打球のヒットと、違う形で3本の安打が出ています。佐藤を歩かせても大山がいる。この並びは相手からすると嫌な形です。ただし、大山自身に打点が付かなかったように、阪神は出した走者を全部は返せませんでした。
077安打・9出塁で4得点という得点効率
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 安打 | 7 |
| 四球 | 6 |
| 死球 | 3 |
| 得点 | 4 |
チームは7安打ですが、四球が6つ、死球が3つ。相手のエラーもありました。これだけ塁に出て4得点なので、得点効率は高くありません。勝ったから見えにくいですが、6点、7点まで取れる試合でした。
08前川右京の2つの死球と髙寺望夢の代走
気になるのが前川の状態です。前川は今日1試合で2つの死球を受けました。2つ目は右肩付近に当たり、治療のあと髙寺望夢が代走に送られています。7月はすでに4本塁打と長打力が打線へ加わっていた選手だけに心配です。現時点で診断は出ていないため、軽傷とも重傷とも断定できません。次の試合に出られるのか、まず確認したいところです。
中野も終盤に交代しました。中野は3打数無安打でしたが、シーズン打率は2割9分前後で全体として大きく崩れているわけではありません。5回には送りバントを決め、その直後に森下のツーランが出ています。打たなくても2番として得点を作った一方、6回のツーアウト満塁では投手ゴロで追加点を取れなかった場面でもありました。終盤の交代理由は現時点では明らかではなく、故障とは断定できません。
試合前には、広島の矢野雅哉が登録を抹消され、三軍で再調整するというニュースも入りました。一部報道を受けた球団の判断であり、本人による指定薬物の使用が確認されたわけではありません。確認された事実と疑念を分け、ここから先は球団の調査や説明を待つ必要があります。広島は小園をショートで起用しており、矢野の不在は守備面の選択肢に影響しますが、今日の勝敗をそのニュースだけに結び付けるべきではありません。
09才木の8回続投という論点
7回終了で111球、阪神は4対0。才木は8回もマウンドへ上がりました。エースに任せる判断は理解できますが、終盤はフォーシームの平均球速が148km/h台まで下がり、上位打線とは4度目の対戦。しかも菊池にはすでに二塁打と四球がありました。続投そのものを失敗と決めつける必要はありませんが、菊池との4度目の勝負まで任せるのか、勝ちパターンへ切り替えるのかは検討できる場面でした。とはいえ、8回を投げ切ってくれたことでリリーフは岩崎優だけ。9連戦の中でブルペンをほとんど使わずに勝てた価値は大きく、岩崎が9回を締めて今季10セーブ目を挙げています。
10反対意見・別視点
「佐藤が打てなかったのだから今日の打線は良くなかった」── 佐藤個人は無安打でしたが、2四球を選び後ろの大山につなぐ役割は果たしています。四番が打てない日にも打線が止まらなかった、という見方の方が実態に近いところです。
「7安打9出塁で4得点は物足りない」── 得点効率の面では確かに課題が残ります。ただし、勝った上で余力を残せた側面もあり、結果と過程を分けて評価する必要があります。
「才木の8回続投は問題なかった」── 結果的に無失点で終盤の一つの被弾は許しましたが、菊池との4度目の対戦や終盤の球速低下を踏まえれば、継投のタイミングとして検討の余地はあります。
11今後の注目点
- 前川の状態。右肩付近への死球の影響、次の試合に出場できるか。
- 中野のコンディション。終盤交代の理由と、次戦での状態。
- 佐藤の「テルモード」再起動。角度の課題を次戦で修正できるか。
- 才木の回復。130球を投げた疲労が次回登板にどう影響するか。
- 才木-梅野バッテリー。この組み合わせが今後も継続的に結果を出せるか。
- 得点効率。塁を埋めながら得点に変えられない課題を改善できるか。
12まとめ ── 四番が打たなくても勝つ、阪神の勝ち方がまた一つ増えた
まず、佐藤の「テルモード」は起動しませんでした。佐藤はノーヒットです。それでも2四球を選び、後ろの大山が3安打。四番が打てない日にも、打線が止まりませんでした。そして、森下の一発は完璧に起動。173km/h、角度28度、飛距離130.4mの24号が、得点できそうでできない試合を阪神の試合へ変えています。
才木は8回130球で7勝目。完封目前で被弾しましたが、評価を下げる内容ではありません。4回と6回のピンチを抑え7回までゼロ、長い回を投げてブルペンも休ませました。そして今日一番忘れてはいけないのが梅野です。才木の日にマスクをかぶる捕手が、守って勝たせるだけでなく自分のバットで2打点。主役は森下と才木でも、試合を最初から最後までつないだのは梅野でした。広島とのカード初戦を取り、貯金は10。四番が打たなくても勝つ、エースの日に捕手が2打点――阪神の勝ち方が、また一つ増えました。
13動画でも詳しく話しています
森下翔太の24号本塁打、才木浩人と梅野隆太郎のバッテリー、佐藤輝明の打球角度の課題については、動画でも詳しく解説しています。