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阪神5-3DeNA、森下翔太が31号&9回決勝打!元山の頭脳プレー、神宮の右キラー化、工藤161.9km/hまで徹底分析【8月23日】

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阪神
5 - 3
DeNA
2026年8月23日(日) | 森下翔太が31号と9回決勝2点タイムリー。佐藤輝明4安打、元山飛優の頭脳的併殺、神宮僚介の右キラー化、工藤泰成の平均160.1km/h、石井大智の実戦復帰まで詰まった一戦
森下翔太
31号+9回決勝2点打
阪神今季チーム100号本塁打
工藤泰成
平均160.1km/h
最速161.9km/h、4セーブ目
現在地
巨人と3.5差
阪神は日曜日10連勝
30 SEC REVIEW

30秒で分かる試合

  1. 01
    森下が31号+9回決勝2点打の二刀流

    初回は128.1km/hのシンカーを本塁打、9回は161.6km/hのフォーシームを適時打。約33.5km/h差の球を同じ日に仕留めた。

  2. 02
    佐藤は5打数4安打、二塁打2本

    石田裕太郎の内角攻め(フロントドア)は前川右京には効いたが、佐藤には通用しなかった。

  3. 03
    元山が「捕らない」頭脳プレーで満塁を併殺に

    ライナー性の打球をあえてショートバウンド処理。ノーバウンド捕球ならフォースが解けて1アウトで終わっていた場面だった。

  4. 04
    9回はホームランではなく6人でつないだ2点

    元山→代走熊谷→高寺→近本→中野→森下。難敵レイノルズを崩したのは長打力だけではなかった。

この記事の数字について

神宮僚介選手の対右打者成績はサンプル数が少ないため、今後の登板で変動する可能性があります。髙橋遥人選手の交錯後の状態、石井大智選手の一軍復帰時期については、球団や本人からの正式発表があるまでは断定しません。配球意図や監督の起用意図についても、公開情報と試合内容からの推測・見解を含みます。

01先に結論――森下一人の1点、全員でつないだ2点

阪神が5-3でDeNAに勝利した。スコアだけを見れば、森下翔太が初回に31号本塁打を放ち、9回には決勝の2点タイムリー。佐藤輝明も4安打と主軸が仕事をした試合だった。ただ、この試合を「森下が打って勝った」で終わらせるのはもったいない。

初回は森下が一人で1点を取った。しかし9回は、元山が出塁し、高寺が進め、近本が三塁へ送り、中野が四球と盗塁で二・三塁を作り、最後に森下が返した。「一人の長打で点を取る」と「複数の打者が役割をつないで点を取る」、この両方ができた。守備でも元山の頭脳プレー、継投でも神宮僚介の火消し、最後は工藤泰成が圧倒。さらに二軍では石井大智が復帰した。主役一人で勝ったのではなく、打線・守備・継投・走塁すべてが絡んだ一戦だった。

02試合の流れ

FLOW追いつかれても、9回に突き放した試合
  1. 1回表
    1-0

    森下翔太が128.1km/hのシンカーを31号ソロ。阪神の今季チーム100号本塁打。

  2. 3回表
    2-0

    森下・佐藤の連打から大山悠輔の二ゴロで加点。

  3. 4回裏
    2-1

    DeNAが1点を返す。

  4. 6回表
    3-1

    佐藤輝明の二塁打から伏見寅威のタイムリー。

  5. 7回裏
    3-2

    牧秀悟の本塁打などで1点差に。

  6. 8回裏
    3-3

    DeNAが追いつく。

  7. 9回表
    5-3

    森下翔太が161.6km/hを右翼へ2点タイムリー。

  8. 9回裏
    5-3

    工藤泰成が無失点で締める。

読みどころ1点を追いかけたり追いつかれたりする展開でも、最後は9回に突き放した。同点で終わらなかったのが今日の阪神の強さ。

得点経過は公開された試合データにもとづき整理。

03森下翔太「31号+決勝2点打」、本当にすごかったのは対応力

森下はこの試合で初回に31号本塁打。さらに9回、同点の場面で決勝2点タイムリーを放った。数字だけでも十分に主役だが、9回の打席内容を見ると、さらに価値が増す。相手はレイノルズ。登板前の数字はWHIP0.83、被打率.152、奪三振率12.66。さらに14試合連続無失点中という難敵だった。

森下への配球は非常に特徴的だった。1球目から5球目まで、すべてカットボール。球速はおおむね143〜146km/h。森下は空振り・ボール球の見極め・見逃しストライク・ファウルと対応し、2ボール2ストライクまで粘った。そして6球目、この打席で初めて投じられたフォーシームが161.6km/h。森下はこれを右翼へ弾き返し、二者を生還させた。

COMPARE同じ日に約33.5km/h差の球を仕留めた
初回・31号ソロ
128.1km/h球速
シンカー球種
本塁打結果
9回・決勝2点打
161.6km/h球速
フォーシーム球種
適時打結果

結論9回は5球連続カットボール(143〜146km/h)で追い込まれた後の6球目、この打席で初めて来た161.6km/hのフォーシームを右翼へ。変化球への対応を続けながら、直球への準備を最後まで残していた。

相手のレイノルズは登板前WHIP0.83・被打率.152・14試合連続無失点の難敵。

重要なのは「161.6km/hを打った」という数字だけではない。5球連続で143〜146km/hのカットボールを見せられたあと、16km/h以上速い直球が突然来た。それでも遅れず、しかも引っ張りに行かず逆方向へ打ち返した。初回の31号は128.1km/hのシンカー、9回の決勝打は161.6km/hのフォーシーム。同じ一日で、約33.5km/h違う球を仕留めたことになる。森下の強さはパワーだけではない。変化球への対応を続けながら、直球への準備を最後まで残している。この「対応レンジの広さ」が、現在の森下の怖さだ。

04佐藤輝明は4安打――石田の左打者対策が前川には効き、佐藤には通用しなかった

佐藤輝明は5打数4安打。二塁打を2本放ち、得点機を何度も作った。この日の石田裕太郎は、左打者に対して内角を強く意識させる配球を使っていた。特に目立ったのが、左打者の内角ボールゾーンからストライクへ入ってくる「フロントドア」系の攻め(外角のボールゾーンからストライクへ入るバックドアの逆)。

この攻めは前川右京にはかなり効いていた。3回、148.5km/hの内角直球を見逃し三振。6回も150km/h近い真っすぐで空振り三振。内角を強く意識させられたことで、真っすぐへの対応そのものまで苦しくなっていた。

COMPARE同じ内角攻めでも、明暗が分かれた
前川右京
見逃し三振3回148.5km/h内角
空振り三振6回150km/h近い直球
佐藤輝明
二塁打3回131.3km/hシンカー
二塁打次打席・内角カット初球

結論石田裕太郎の「フロントドア」中心の内角攻めは前川には機能したが、佐藤には通じなかった。一度見た攻めを次の打席で修正しているように見える。

「石田の攻略設計が間違っていた」わけではなく、佐藤がその設計を上回った、という整理。

ところが佐藤には同じ設計が通じない。3回は0ボール2ストライクまで追い込まれた後、131.3km/hのシンカーを右翼へ二塁打。さらに次の打席では、初球の内角寄りカットボールを二塁打。一度見た攻めを次の打席で修正しているように見える。「石田の左打者攻略が間違っていた」という話ではない。前川には実際に機能している。その設計を佐藤が上回った。ここがこの日の佐藤のすごさだった。

05石田裕太郎の「野球ができるありがたみ」には背景があった

石田裕太郎は試合前、「野球ができるありがたみ」を感じている趣旨のコメントをしていた。背景には、7月15日に下半身のコンディション不良で登録抹消され、約1カ月一軍のマウンドから離れていたことがある。この日は復帰戦。5回2/3、86球。しかも終盤まで150km/hを超える球が残っており、「故障明けで出力が落ちた投手」という内容ではなかった。状態の悪い投手を打ったのではなく、しっかり出力を戻してきた石田に対して、森下と佐藤を中心に得点した。DeNA側から見れば復帰戦として一定の収穫、阪神側から見れば球威を戻した相手を攻略した価値がある。両方が成立する内容だった。

06髙橋遥人、走者との激しい交錯

阪神ファンが最も肝を冷やしたのは4回だった。髙橋遥人が打球処理の場面で、打者走者の勝又温史と激しく交錯。一度治療のためベンチへ下がった。髙橋は故障歴の多い投手だけに、あの瞬間に「また故障か」と不安になったファンは多かったはずだ。ただし、髙橋はその後マウンドへ戻り、5回まで投げ切った。最終的には5回、78球、6安打、1失点。先発として試合を壊さなかった。

一方で、ここは過度に楽観もしない方がいい。激しい交錯の場合、その場で投げ続けられても、試合後や翌日に打撲や違和感が出る可能性はある。「自力で戻った」「続投できた」「5回まで投げ切った」ことは安心材料だが、具体的な状態は試合後・翌日まで確認が必要だ。この日は13勝目の権利もあったが、8回の同点で白星は消えた。ただ、この試合に関しては勝ち星よりも「大きなアクシデントのあとも先発として役割を果たした」ことの方が重要だった。

07元山飛優の頭脳プレー――なぜ「捕らない」方が併殺になるのか

6回、1死満塁。松尾汐恩の打球は遊撃方向へのライナー性の打球。元山飛優はこれをノーバウンドでは捕らず、あえてショートバウンドで処理。二塁、一塁と転送して併殺を完成させた。一見すると「普通に捕ればいいのでは?」と思うプレーだ。しかし、ここには野球ルールの面白さがある。

捕ったら1アウト、捕らなかったから2アウト

元山飛優の頭脳プレー

6回1死満塁、松尾汐恩のライナー性打球

ショートバウンド処理あえてノーバウンドで捕らず
二塁→一塁転送で併殺完成
満塁のピンチを0点に

ノーバウンドで捕れば打者アウトと同時にフォース状態が消え、走者はリタッチ可能で基本1アウトで終わりやすい。あえて地面に落として処理すれば、打者走者が一塁へ走ることで一塁走者が二塁へ押し出され、二塁がフォースプレーになる。

反射神経だけのファインプレーではなく、状況判断とルール理解まで含めた頭脳プレー。木下里都が作った満塁のピンチを、守備で完全に消した。

グラブ等で一度触れてからわざと落とすと「故意落球」の対象になり得る。今回は最初からノーバウンドで捕っていない点がポイント。

さらに深掘り:アウトを取る「順番」まで重要だった理由

二塁で先にフォースアウトを取ると、三塁は狙えない

二塁で一塁走者を先にフォースアウトにした後、三塁へ投げた場合はどうなるか。一塁走者がアウトになった瞬間、それまで二塁走者を三塁へ押し出していたフォース状態が消える。そのため、二塁走者が二塁ベースに残っていれば、三塁へ投げてもフォースアウトにはならない。つまりアウトを取る「順番」まで重要になる。

なお、グラブや手で一度触れてから、わざと落とした場合は「故意落球」と判定される可能性がある。今回のポイントは、最初からノーバウンドで捕らず、ショートバウンドで処理したこと。単なる反射神経のファインプレーではなく、状況判断とルール理解まで含めた頭脳プレーだった。なお、ライナーはインフィールドフライの対象外。

08木下里都、157km/hでも満塁

6回から登板した木下里都。最速157.1km/h、ストレート平均153.2km/h。球の強さは十分だった。しかし内容は2安打、1四球、1死満塁、奪三振0と、かなり苦しい。ここは「木下が157km/hで圧倒した」とまとめると試合内容とズレる。むしろ面白いのは「157km/hを投げても、プロの打者は簡単にはアウトにならない」という現実だ。球速は非常に強い武器だが、コース・高さ・球種の組み合わせ・カウント・打者の狙いまで揃わないと、球速だけでは抑え切れない。

そして、この満塁を救ったのが元山の頭脳プレーだった。木下の成績には「1回無失点」と残る。ただし、その0は木下一人で作ったものではない。守備まで含めてチームで守った1イニングだった。

09神宮僚介はどうやって「1点差の右キラー」まで信頼を勝ち取ったのか

この試合で最も掘り下げる価値がある選手の一人が神宮僚介だ。神宮は2025年育成ドラフト1位。2026年7月3日に支配下登録されたルーキー。ただし、最初から「右キラー」として完成していたわけではない。ファームでは右打者に打たれ、腕が振れなくなった時期もあった。そこから、右打者を立たせたブルペン投球などで修正。阪神には既存の右サイドとして岡留英貴がいるが、今季は岡留が一軍に不在の中、「右の変則」というカードに神宮が入ってきた。

育成ドラフト1位→7月3日支配下登録→8月5日一軍デビュー→走者ありの場面→回またぎ→連投→8月19日、2死満塁で火消し→8月23日、1点リードでDeNAの右の中軸へ。一段ずつ難しい仕事を任され、そのたびに結果を残した。8月19日は大きな転機だった。2死満塁のピンチで投入され、右打者を三振。ここで神宮は「経験を積ませる若手」から「ここで止めてほしい投手」へ評価を上げたと考えられる。

そして8月23日。及川雅貴が牧秀悟に本塁打を浴び、筒香嘉智にも安打を許す。次は右のエンカーナシオン、宮﨑敏郎。3-2の1点リード。ここで藤川監督は神宮を投入した。神宮は二人を抑えてプロ初ホールド。これで対右打者は12打数0安打。もちろん12打数はまだ小さなサンプル。「絶対に右打者を抑えられる」と断定するには早い。ただし重要なのは数字だけではない。藤川監督が「1点リードで右の中軸を抑える投手」として神宮を選んだ、この起用自体が信頼を勝ち取った証拠だ。

さらに深掘り:及川雅貴の課題と、神宮が変えた「角度」

左腕から右サイドへ、打者から見える角度そのものを変える

7回、及川雅貴は牧秀悟に本塁打を浴びた。この日は右打者に対して球が高く入り、そこを捉えられる場面が目立った。さらに筒香にも安打。3-1だった試合は3-2となり1点差。ここで次が右打者の中軸という場面で、藤川監督は及川を引っ張らず神宮へ交代した。

ここは単なる左右の交代ではない。「及川の左腕」から「右サイドの神宮」へ、打者から見える角度そのものを変えた。同じ速球系でも、投球フォームが変われば打者の見え方は大きく変わる。神宮の存在によって、阪神は「右が並ぶところだけ別の角度を当てる」という運用が可能になっている。

108回の湯浅京己は“攻めた継投”

7回を神宮で切り抜け、阪神は3-2で8回へ。ここで藤川監督が投入したのが湯浅京己。これはかなり思い切った継投だった。湯浅は故障離脱から8月8日に一軍へ戻ったばかり。現状、8回固定のセットアッパーという立場ではない。その湯浅を1点リードの8回へ。意図としては「湯浅をもう一度、勝ちパターンに戻せるか」を試した起用と見ることもできる。

結果は厳しかった。先頭に二塁打、さらに四球。途中で岩崎優へ交代したが、度会隆輝にタイムリーを許して3-3。結果だけを見れば、攻めた継投は裏目に出た。ただし、シーズン終盤を見据えれば、いつまでも固定された数人だけで勝ちゲームを回すのは難しい。石井大智の復帰も見えてきた中で、誰をどの位置で使うのか。この試合は、藤川監督がブルペン再編を進めている途中の一コマとしても見ることができる。

119回、6人で作った2点

8回に3-3へ追いつかれた阪神。9回の相手はレイノルズ。登板前はWHIP0.83、被打率.152、奪三振率12.66、14試合連続無失点という難敵。普通なら「延長も覚悟」という投手だった。しかし阪神は、ホームランではなく一人ずつ仕事をつないで崩した。

DECISION FLOW9回、レイノルズを崩した“つながり”
  1. ①元山飛優0-2から粘り、カットボールを右翼安打158km/hの速球にも対応。守備で救った男が、今度は攻撃の起点に。
  2. ②代走・熊谷敬宥元山に代わり出塁ここから走塁の圧力が加わる。
  3. ③高寺望夢バント失敗も一ゴロで熊谷を二塁へ2ストライクからヒッティングに切り替え、155km/hもファウルで粘った末の一ゴロ。
  4. ④近本光司右翼フライで熊谷を三塁へアウトだが走者を一つ進める仕事。
  5. ⑤中野拓夢四球を選び、さらに二盗一・三塁のままなら単打で1点のところ、二・三塁にして単打1本で2点が入る状況を作った。
  6. ⑥森下翔太161.6km/hを右翼へ2点タイムリーこの2点は森下一人ではなく、6人で作った2点。

初回の1点は森下一人のソロ本塁打。9回の2点は全員で森下までつないだ2点。この対比が今日最大の見どころ。

レイノルズは登板前14試合連続無失点だった難敵。ホームランではなく、一人ずつの仕事の積み重ねで崩した。

初回の1点は森下一人のホームラン。9回の2点は全員で森下までつないだ。この対比が、この試合最大の見どころだった。

12工藤泰成、新守護神候補として“平均160km/h”の衝撃

5-3となった9回裏、マウンドへ上がったのは工藤泰成。内容は圧巻だった。1回、12球、被安打0、四死球0、2奪三振、無失点。最速161.9km/h。さらに驚くのが、フォーシーム平均160.1km/h。「最速160km/h」ではない。「平均が160km/h」。これは別物だ。

しかも球種は、フォーシーム6球、カットボール6球でほぼ半々。打者からすれば、160km/hに合わせればカットが来る、カットを意識すれば160km/hに遅れる。さらに四球ゼロ。「速いけれど荒れる」投手ではなく、ストライクゾーンで勝負できている。これで4セーブ目。工藤は「160km/hを投げられる投手」から「160km/hを武器に9回を任せられる投手」へ進みつつある。球団が正式にクローザー固定を宣言しているわけではないとしても、実質的な新守護神候補として存在感が急速に高まっている。

13試合外最大のニュース――石井大智が実戦復帰

この日の阪神で、試合結果とは別に最大級のニュースがあった。石井大智が二軍戦で実戦復帰。2月に左アキレス腱を断裂。今季中の復帰自体が不透明だった大けがから、約半年で公式戦のマウンドへ戻った。復帰登板は、1回、18球、2安打、無失点、3奪三振、最速152km/h。3つのアウトはすべて三振。さらに直球はすべて150km/hを超えた。これは大きな材料だ。

ただし、ここで「完全復活」と断定するのは早い。アキレス腱断裂からの復帰では、登板翌日の患部の反応、連投、バント処理、一塁ベースカバー、本塁カバー、急停止や方向転換など、投球以外の動きも確認する必要がある。それでも、復帰初戦で152km/hまで出たことは明確なプラス。昨季の石井は53試合、防御率0.17、自責点1、50試合連続無失点という異次元の成績を残した。その投手がシーズン終盤に戻ってくる可能性が現実味を帯びてきた。

現在の一軍には工藤泰成、木下里都、神宮僚介、及川雅貴、岩崎優、湯浅京己らがいる。ここへ石井が戻る。単に中継ぎが一人増えるのではない。連投回避、左右や打順による使い分け、勝ちパターンの負荷分散まで可能になる。阪神のブルペン全体を変える可能性がある復帰だ。

14巨人敗戦でゲーム差3.5、そして日曜日10連勝

同日、巨人は広島に敗戦。阪神は勝利したため、ゲーム差は3.5へ広がった。優勝争いでは「マジックが点灯したかどうか」が注目されがちだが、シーズン終盤では直接ゲーム差を広げられる一日の価値は大きい。特にこの日は、巨人が先に敗れる→阪神が8回に追いつかれる→それでも9回に勝ち越す、という流れ。「相手が負けた日に自分たちも負ける」のと「相手が負けた日にしっかり勝つ」のでは差が大きい。3.5ゲーム差という数字だけでなく、優勝争いの流れを渡さなかった意味もある。

そして、少し力を抜いた話。阪神はこれで日曜日10連勝。日曜日に勝つと、その日の夜を気分よく過ごせる。さらに翌日の月曜日も、前日の勝利を引きずって少し気分がいい。ファンの体感では「2勝分」。もちろん順位表では1勝である。ただ、日曜10連勝という事実は地味にすごい。1週間の最後に勝つ。ファン心理としては、数字以上に気分がいい記録だ。

15評価の限界

あえて逆から見ると

「森下だけで勝った試合では?」── 森下が先制本塁打と決勝打を打っている以上、最大のヒーローであることは間違いない。ただ、9回の2点は元山、高寺、近本、中野の働きがなければ生まれていない。特に中野の盗塁がなければ、森下の単打で2点が入らない可能性が高い。「森下が決めた」と「全員で作った」は両立する。

「神宮の対右12打数0安打はサンプルが小さすぎないか」── その通り。12打数で右キラーと断定するのは早い。だから重要なのは成績だけではなく、藤川監督が1点差で右の中軸に当てた「起用の重さ」。数字の信頼性より、役割が拡大している事実を評価する方が適切。

「湯浅を8回で使ったのは失敗では?」── 結果だけなら失敗。しかし、勝ちパターンを固定し続けるだけでは終盤の疲労管理が苦しくなる。復帰した湯浅をどこで使えるのか試す必要性はある。結果と意図を分けて評価したい。

「石井は152km/h出たから完全復活?」── まだ早い。復帰初戦の出力としては非常に明るい材料だが、アキレス腱断裂は投球動作だけを見ればいい故障ではない。連投、守備、走塁動作、翌日の反応まで確認する必要がある。

「工藤はもう守護神で確定?」── 現状では「新守護神候補」「実質的なクローザー候補」と表現するのが安全。ただし、9回を任される機会が増え、4セーブ目。内容も平均160.1km/h、無四球と申し分ない。固定化に向けて最前列にいると見るのは自然。

16動画・関連記事

今回の試合は、森下翔太の31号と決勝打だけでなく、元山飛優の頭脳プレー、神宮僚介の起用意図、9回のレイノルズ攻略など、映像と一緒に見るとさらに面白い場面が多くありました。YouTubeでは、一球ごとの配球や継投の流れも含めて詳しく解説しています。

免責: 本記事はNPB公式情報、球団公式情報、一球速報、試合データ、公開報道などをもとに、2026年8月23日試合終了時点の内容を整理・分析したものです。配球意図、選手の狙い、監督の起用意図、故障状態などについては、公開情報と試合内容からの推測・見解を含みます。神宮僚介選手の対右打者成績などはサンプル数が少ないため、今後の登板で大きく変動する可能性があります。髙橋遥人選手の交錯後の状態、石井大智選手の一軍復帰時期については、球団や本人からの正式発表があるまでは断定しません。短期間の試合結果や打球結果は偶然性の影響も大きいため、1試合の数字だけで選手能力や今後の成績を断定するものではありません。特定の選手、監督、球団、ファンを誹謗中傷する目的はありません。