大山2発でもなぜ阪神は勝てなかったのか 乱打戦の最後に出た守備で1点を消す差
阪神タイガース 試合分析 トラッキングデータ

大山2発でもなぜ阪神は勝てなかったのか 乱打戦の最後に出た"守備で1点を消す差"

2026年4月22日 横浜スタジアム AIデータ二刀流ブログ
この試合の結論 / CONCLUSION FIRST
  1. 大山の2発(計5打点)で一度は逆転。しかし直後にDeNAが同点に戻し、阪神はゲームの主導権を固定できなかった
  2. 8回表・二死満塁で前川の打球を京田がジャンピングキャッチ——ここが最大の分岐点。その裏にDeNAが勝ち越し、1点を取り切った
  3. 公式記録は阪神0失策・DeNA1失策。それでも今日の敗因は「記録に残らない守備の差」。打撃戦の顔をした守備戦だった
  4. この記事では、得点経過→大山2発のデータ→投手の崩れ方→8回表裏の分岐→京田の2プレー→佐藤輝の打球内容まで、プレーとデータを1本の線でつなぐ

導入:今日は大山の試合になりかけた。2回ソロ、3回満塁弾で4-0を5-4にひっくり返した。それでも勝てなかった理由は、8回表の一死満塁を京田に消されたこと、直後に勝又の決勝打を浴びたこと、そして9回表に森下のヒットで近本が本塁を狙えなかったこと——全てDeNAの守備と終盤処理に帰着する。本稿はこの「なぜ大山2発でも勝てなかったのか」を、データとプレーで追う。

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DeNA WIN 7
阪神 LOSE 6
大山 本塁打
2
第2・3号 / 5打点
DeNA 安打数
15
阪神は6本
打球速度(最高)
163km/h
大山3回 満塁弾
満塁弾 飛距離
115m
最高到達点 32m
SCORE

得点経過とゲームの流れ

INNING BY INNING

初回にDeNAが一気に4点。2・3回に大山が2打席連続弾で逆転するも、DeNAはすぐ同点。6・8回に着実に勝ち越し、7回の阪神の追いつきを8回で上回った。スコアの動きを追うだけで、今日の勝敗の構造が見えてくる。

チーム 1回2回3回4回5回 6回7回8回9回
DeNA 4 0 1 0 0 1 0 1 0 7
阪神 0 1 4 0 0 0 1 0 0 6
▶ 累積得点推移(イニング別)
累積得点(フォールバック表示)
DeNA阪神
1回40
2回41
3回55
6回65
7回66
8回76
9回76

試合は初回からDeNAが主導権を握った。1番・三森の二塁打から牧の二塁打でつなぎ、4番・佐野の2点タイムリー、戸柱の2点タイムリーで一気に4点。「昨日の乱打戦の続き」を感じさせる嫌な始まり方だった。

それでも阪神は大山悠輔選手の一発で食い下がる。2回は0-1からの2球目カーブをとらえてレフトへソロ。3回は二死満塁という重圧の中、初球のフォーシームをライトスタンドへ逆転満塁弾。2打席連発・計5打点で、4-0のビハインドを5-4の逆転に変えた。しかしDeNAはその直後にすぐ同点に追いつく。この「返す速さ」こそが、今日のDeNAの強さを象徴していた。

HR DATA

大山2発でも阪神の試合にならなかった理由——まず「結果の主役」のデータから

TRACKING ANALYSIS

2回のカーブを引っ張りレフトへ、3回の速球をライト方向へ逆らわずに運んだ。球種もコースも全く異なる2本のホームラン。それでも打球速度は162・163km/hとほぼ同じ——大山選手の「どんな球でもフルスイング」ができている証拠だ。

第2号 / 2回表 ソロ HR
カーブを引っ張りレフトへ
打球速度 162 km/h
打球角度 27 °
飛距離 110 m
最高到達点 22 m
被投球:カーブ 114.3 km/h(真ん中低め)
ライナー性の強い弾道でレフトスタンドへ
第3号 / 3回表 満塁 HR ★
初球速球を逆方向ライトへ
打球速度 163 km/h
打球角度 34 °
飛距離 115 m
最高到達点 32 m
被投球:フォーシーム 147.3 km/h(外角真ん中低め)
高く上がる美しい放物線で右中間スタンドへ
▶ 打球軌道 比較(推定)— HR#2 vs HR#3
0m 10m 20m 30m 0m 30m 60m 90m 120m 110m 115m 22m 32m HR#2 ソロ (27°, 162km/h) HR#3 満塁弾 (34°, 163km/h)
▶ HR#2 vs HR#3 打球データ比較
HR#2 vs HR#3 打球データ
項目HR#2 ソロHR#3 満塁弾
打球速度162 km/h163 km/h
打球角度27°34°
飛距離110 m115 m
最高到達点22 m32 m
▶ NPB TRACKING DATA — 実測データ画像
大山悠輔 第2号ホームラン トラッキングデータ 2026年4月22日
第2号ソロ(2回表)/ 162km/h・110m・27°・22m
大山悠輔 第3号満塁ホームラン トラッキングデータ 2026年4月22日
第3号満塁弾(3回表)/ 163km/h・115m・34°・32m

異なる球種・コース・打球方向にもかかわらず、打球速度162〜163km/hで揃う。「どんな球でも自分のフルスイングができている」ことを示す数字。緩急への対応力と安定したスイングスピードが、今の大山選手の状態の良さを証明している。

PITCHER

同じ5失点でも中身は正反対——「一人にやられた」竹田 vs 「打線の厚みに飲まれた」茨木

STARTER ANALYSIS

竹田祐(DeNA)は3安打で5失点、茨木秀俊(阪神)は9安打で5失点。同じ5失点でも「誰にやられたか」が違う。竹田は大山の破壊力に叩かれ、茨木はDeNA打線全体の厚みに押し続けた。

表4:竹田祐 vs 茨木秀俊 — 先発比較(崩れ方の違いまで)
投手チーム投球回球数失点 被安打四球奪三振フォーシーム比率平均球速推移崩れ方の特徴
竹田 祐 DeNA 4回 58球 5 3 2 2 67.2% 146.4→141.8(▼4.6 球威が落ちかける2・3回に
大山に一発二発を集中的に浴びる
茨木 秀俊 阪神 4⅔回 87球 5 9 3 3 49.4% 145.0→143.5(▼1.5) 球速は維持も走者を背負い続け
DeNA打線全体の厚みに押される

数字だけを見ると、どちらも「4回前後5失点」で大差ないように見える。しかし中身は正反対だ。竹田は3安打で5失点——ほぼ大山の2発にやられた形。茨木は9安打で5失点——打線全体にずっと押された形。前者は「一人のバッターに叩かれた」、後者は「打線の厚みに飲まれた」。阪神から見ると、茨木の失点の方が重い。なぜなら、一人のバッターに対応するより、打線全体の圧に対応する方がはるかに難しいからだ。

▶ 先発投手 回別平均球速(フォーシーム)
回別 平均球速 (km/h)
竹田 祐茨木 秀俊
1回146.4145.0
2回145.1144.4
3回144.5143.9
4回141.8143.7
5回143.5

竹田投手の球速推移が物語っている。1回146.4→4回141.8と、最終回には4.6km/h落ちている。大山選手の2本が集中した2・3回(145.1, 144.5)は、この「落ちかけ」の局面だった。茨木投手は143km/h台を維持したが、被安打9本という数字が示す通り、ずっと走者を背負い続けた。

▶ 竹田 球種割合(58球)
竹田 球種割合
球種球数割合
フォーシーム3967.2%
フォーク1017.2%
スライダー58.6%
カーブ46.9%
▶ 茨木 球種割合(87球)
茨木 球種割合
球種球数割合
フォーシーム4349.4%
チェンジアップ1820.7%
スライダー1416.1%
カーブ1011.5%
ツーシーム22.3%

竹田投手はフォーシーム67.2%という極端な速球主体のピッチング。そこに大山選手の対応力が組み合わさり、2・3回のホームランにつながった。一方の茨木投手はフォーシーム約50%に変化球を交えたが、被安打9本が示すようにDeNA打線を抑え込めなかった。

HITTING

安打数の差が「主導権」の差だった——DeNA15本 vs 阪神6本

HIT ANALYSIS

DeNA15安打・阪神6安打という数字の差が、試合の主導権がどちらにあったかを端的に示している。阪神は長打の破壊力で点を奪い、DeNAは安打の積み重ねで圧をかけ続けた。

▶ チーム安打・得点・本塁打 比較
チーム比較
項目DeNA阪神
安打数156
得点76
本塁打12

阪神は6安打ながら2本のホームランで6点を叩き出した。つまり1本塁打あたり2.5点という効率だ。しかしこのスタイルは「一発が出なければ点が入りにくい」という脆さでもある。DeNAは15安打を重ねることで投手に常にプレッシャーをかけ、走者を返す野球を続けた。

7TH INN

7回表の追いつき方は良かった——だから8回の逸機がより重い

SMALL BALL IN THE 7TH

6回にDeNAが6-5と勝ち越した直後、阪神の7回表。高寺望夢の左中間二塁打→代打・伏見寅威の送りバント→近本光司の三ゴロの間に高寺が生還して6-6同点。ホームランでも長打連発でもなく、代打・バント・最低限の進塁打で1点を取る——阪神は序盤の「打ち合い」から、終盤の「1点勝負の野球」にちゃんと切り替えていた。ふしみの送りバントは見事だった。

つまり阪神は、終盤の勝負に入る準備はできていた。7回の追いつき方は正しかった。だからこそ、8回表の一死満塁で1本が出なかったことが、より重く響く。もし7回がホームラン頼みの追いつき方だったら、また乱打戦の続きで終わっていた。しかし実際は違う——終盤野球で追いついた先に、勝ち越しの満塁機が来た。そこで打てなかった負けは、ただの力負けではない。

8TH INN

8回表の満塁を京田が止めた——試合の最大分岐点

THE TURNING POINT

8回表、阪神は森下の四球→盗塁、大山・木浪の四球で一死満塁を作った。福島のショートゴロで二死満塁、打席は代打・前川右京。2-1からの打球は頭上を越えそうな強い当たり——しかし京田陽太が背走してジャンプキャッチ。無得点でチェンジ。その裏、DeNAが勝又の決勝打で勝ち越した。表で取れなかった1点を、裏で取り切られる。今日の試合は、この8回表裏の1イニングで完全に決まった。

▲ 阪神 8回表 — 満塁機を逸機
一死満塁 → 二死満塁 → ショートフライ
森下が四球で出塁して盗塁成功。佐藤輝は空振り三振(1アウト目)。大山・木浪が連続四球で一死満塁。福島はショートゴロ(三走動けず二死満塁)。代打・前川の2-1からの打球を京田が背走ジャンピングキャッチ。
結果:無得点チェンジ(得点期待値ほぼ確定の場面を0点で終える)
▼ DeNA 8回裏 — 勝ち越しの1点
二死一二塁 → 勝又の決勝打
牧を空振り三振で1アウト。代打・海老名がレフト前ヒット(一死一塁)。佐野を四球で歩かせ一死一二塁。渡会のレフトフライで二死一二塁。打席は勝又——2-2からの勝負球をライト前へ運び、一気に7-6。
結果:勝ち越し成功(追い込んだ場面でも仕留め切る決定力)
8回表 阪神の攻撃 — 一死満塁から無得点
打者カウント結果備考
森下 翔太1-3 四球 出塁→盗塁成功
佐藤 輝明2-0 空振り三振 1アウト目(三振)
大山 悠輔2-3 四球 一死一二塁→一死満塁へ
木浪 聖也1-3 四球 一死満塁
福島 圭音0-0 ショートゴロ 二死満塁
前川 右京(代打)2-1 ショートフライ(京田好捕) 無得点でチェンジ

京田陽太のジャンプキャッチは「今日の試合で1点を消した守備」の象徴だった。そして注目すべきは、これが今日だけではないことだ。2回表の佐藤輝明への極端なシフト(二塁ベース後方深くへの守備位置)でライナーを止めたのも京田だった。今日、ショートで1点を二度消したのは京田選手一人だ。

8回裏 DeNA — 勝ち越しの1点
打者カウント結果備考
牧 秀悟2-0 空振り三振 1アウト目
海老名 龍夫(代打)1-1 レフト前ヒット 一死一塁
佐野 恵太2-3 四球 一死一二塁
渡会 隆輝2-2 レフトフライ 2アウト目 / 二死一二塁
勝又 篤志2-2 ライト前タイムリー → 7-6 勝ち越し

表に取り切れなかった1点を、裏で取り切ったDeNA。勝又篤志選手の決勝打は2-2から——追い込まれた場面での一打だった。今日のDeNA投手陣は追い込んだ場面でも、五分の場面でも、最後の1球を仕留め切る力があった。ここが阪神投手陣との差として現れた。

表2:勝負どころのカウント一覧——追い込まれた場面/五分の場面でも仕留めた側
打者結果カウントコメント
1回裏 戸柱 恭孝(De) 2点タイムリー(中前) 1-1 五分のカウントで捌き切る
3回裏 佐野 恵太(De) 同点ソロHR(ライト) 1-1 逆転直後に五分のカウントで仕留める
6回裏 宮﨑 敏郎(De, 代打) 犠牲フライ(右)で勝ち越し 0-2 追い込まれた場面で最低限の1点
8回表 森下→大山→木浪(阪) 連続四球で満塁 1-3 / 2-3 / 1-3 ボール先行を引き出すも決定打に至らず
8回表 前川 右京(阪, 代打) ショートフライ(京田好捕) 2-1 五分のカウントでも抜けなかった
8回裏 勝又 篤志(De) 決勝ライト前タイムリー 2-2 追い込まれた場面で仕留め切る

カウント表を見ると、今日の阪神投手陣は極端に不利なカウントだけで打たれたわけではないことが分かる。戸柱の1-1、佐野の1-1、勝又の2-2——五分や追い込んだ場面の勝負球が仕留め切れなかった。一方、阪神打線は大山の一発で試合を振りつつも、8回表の連続四球でチャンスを作りながら、代打・前川の2-1という悪くないカウントで抜けなかった。勝負どころで1球を仕留める側と仕留められない側——それが今日の1点差の中身だ。

DEFENSE

記録に残らない守備の差が勝敗を分けた

THE REAL DEFENSIVE GAP

公式記録は阪神0失策・DeNA1失策。数字だけなら阪神の方が「守備が良かった」ように見える。しかし試合を決めた守備はDeNA側にあった。シフト、背走キャッチ、慣れない三塁での無難な処理、そして返球と中継——「記録に出ない守備」こそが、今日の1点差を作った。

公式失策数
阪神 0
DeNA 1失策
京田の好プレー
2
シフト+背走ジャンプキャッチ
守備で消した推定得点
2
2回 佐藤直 / 8回 前川飛
表1:勝敗を分けた守備プレー一覧
守備側選手内容試合への影響
2回表 DeNA 京田 陽太 佐藤輝明の強烈な遊撃ライナーをシフトで処理 ヒット性の打球を消失 → 得点機を未然に摘む
7回裏 阪神 救援陣 先頭打者の出塁を許し、流れを止め切れず 翌回の勝ち越しにつながる予兆
8回表 DeNA 京田 陽太 二死満塁で前川右京の頭上を越えそうな打球を背走ジャンプ好捕 勝ち越しの1〜2点を消失 → 最大の分岐点
8回裏 DeNA 勝又 篤志 2-2から二死一二塁でライト前タイムリー 7-6勝ち越し / 表で取れなかった1点を裏で取り切る
9回表 DeNA 外野・中継 森下のレフト前で二走・近本の本塁突入を許さない返球 最後の同点機を1点差で封じる

京田選手は今日、ショートで1点を二度消した。2回の佐藤輝のライナーは、右方向への強い風が吹く中で放たれた本来ならヒットになる打球。しかし京田は二塁ベース後方深くにシフトを敷いており、打球を正面で捌いた。そして8回表——一死満塁の場面。二死になった後の前川の打球は、普通なら頭上を越える強い当たりだった。それを京田は背走しながらジャンプして掴んだ。奇跡の1プレーではなく、1試合の中でショートが2回試合を止めた日だった。

もう一つの守備——渡会隆輝のプロ初・三塁スタメン

今日の渡会隆輝選手はDeNAでプロ公式戦初の三塁スタメン。4回、フェンス際のファウルフライ処理で指を痛めて一度ベンチへ下がりながら、戻ってきた。場内アナウンスの「戻って参りました」に拍手が起きたシーンだ。慣れないポジションで、指の痛みを抱えながら、試合を壊さなかった。DeNAはショートだけでなく、守備のやりくりまで含めて今日のゲームを支えていた。

条件も難しかった——横浜スタジアムの風

今日の横浜スタジアムは、左打者にとって右方向にフォローとなる強い風が吹いていた。打球判断、ファウルフライの処理、外野の返球——どれも難易度が上がる条件だ。そういう日に、DeNAはシフトで打球を消し、慣れない三塁で崩れず、中継で1点を渡さなかった。一方の阪神は、「あと一歩止め切れない」が何度か残った。今日の守備の差は、技術の上下というより、難しい条件への準備の差だった——そう読む方が実態に近い。

9回表——森下のヒットで近本が本塁に返れなかった

最終回、二死でもなお阪神は折れていなかった。先頭の代打・小幡竜平は二ゴロに倒れたが、近本光司が2-3からライト線二塁打。中野拓夢は見逃し三振に倒れたが、森下翔太が1-0からレフト前ヒット。しかし——二走の近本は本塁に突入できず三塁止まり。左前打で二走が止まるということは、外野の返球、中継の処理、走塁判断、ベンチ判断——その全てにDeNA側の準備が勝ったということだ。最後の同点機を、DeNAは守備で閉じた。失策数0であっても、今日の守備の差はDeNA側にあった。

FOCUS

佐藤輝は無安打でも内容まで悪かったのか

SATO TERUAKI DEEP DIVE

結果は5打数無安打・打点なし。四番としては厳しい数字に見える。しかし内容は必ずしも悪くない。大山が「結果の主役」なら、佐藤輝は「内容と結果がズレた象徴」——相手守備配置と風と打球判断が全部絡んだ、単純な不調ではない日だった。

表5:佐藤輝 5打席の打球内容整理
打席結果打球質(確認範囲)守備処理内容評価
2回 遊直 強烈な引っ張りライナー(風はフォロー) 京田がシフト位置で正面処理 内容◎ / 結果✗ — 守備に消された
4回 左直 強い当たりで左翼手正面 通常守備 内容△ / 結果✗ — 打球方向は悪くない
6回 右直 逆方向へ強い当たり 右翼手正面 内容△ / 結果✗ — 逆方向の強い打球
8回 空振り三振 二死満塁前、無死一塁で2-0から三振 内容✗ / 結果✗ — 最も痛い1打席
9回 二ゴロ 一三塁・2アウトでゲームセット 通常守備 内容✗ / 結果✗ — 試合の終止符

特に2回の遊直は象徴的だ。右方向への強風が吹く中で放たれた強烈なライナーが、二塁ベース後方深くにシフトを敷いていた京田の正面に吸い込まれた。牧は一二塁間深く、渡会は三遊間——DeNAは阪神の強打者に対して極端な守備配置を用意していた。これは「偶然の正面突き」ではなく、守備配置が打球を消した形だ。

大山は「結果の主役」、佐藤輝は「内容と結果がズレた象徴」。同じ無安打でも、8回の三振と9回のゴロは打線の急所だった一方、2〜6回の3連続直打は、「DeNAの守備がここまで準備してきた」という事実の裏返しでもある。「佐藤が不調」で片づけるより、「どう崩すか」の議論に移すべき日だった。

9TH INN

最終回、近本が本塁へ行けなかった意味

THE LAST CUT

9回表でもなお阪神は折れていなかった。代打・小幡は二ゴロに倒れたが、近本がライト線へ二塁打、森下がレフト前ヒットで一三塁。一打同点、あるいは逆転の入り口までは作った。ところが、森下のヒットで二走の近本は本塁を狙えず三塁止まり。最後は佐藤輝の二ゴロでゲームセット。

二走が左前打で止まるということは、外野の返球、中継、走塁判断、ベンチ判断——その全てにDeNA側の準備が勝ったということだ。今日の終盤は、8回表で京田が1点を消し、8回裏で勝又が1点を取り、9回表の返球処理がもう1点を渡さなかった。この3プレーが重なって、7-6の1点差は「1点差負け」ではなくなる。打撃戦の顔をして、最後に出たのは守備と終盤処理の差だった——この結論に素直に向き合える試合だった。

CONCLUSION

阪神が今日の試合から持ち帰るべきこと

TAKEAWAYS

大山選手が5打点を叩き出し、7回は終盤野球で追いつき、8回も満塁チャンスを作った。それでも勝てなかった。この負け方には、今後に向けた重要な示唆がある。

#課題具体的な内容
大山2発を勝ちに変えられなかった 5打点が出た試合で負けるのは、打線のつながり・投手のゼロ更新・守備の1点防止のどこかが欠けた結果
2日続けて初回に飲まれた 昨日16失点、今日初回4失点。茨木投手1人の責任ではなく、序盤の配球・守備位置・ゲームプラン全体の見直しが必要
記録に出ない守備の差 失策0でも負けた。試合を決める1球を守れるか、それが今日の教訓。失策数より「場面を決める守備」を磨くべき
佐藤輝明を雑に評価しない 内容は悪くない。強い打球を打ち続けた。相手守備配置が上回った面を正確に見てから次の策を考えるべき
8回表の満塁機 今日の全てが詰まっている。準備はできていた。あと1本が出なかった。「強いけど完成していない」今の阪神の現在地

今日の負けは「気合いが足りなかった」話ではない。配球・球質・守備位置・打球判断・返球処理——全てが絡んでいる。だからこそ、この試合は分析対象として豊かだ。打撃戦の顔をして、最後は守備の試合だった。それが今日のDeNA 7-阪神 6の本質だ。